2022年2月27日放送『仮面ライダーリバイス』第24話「狩崎博士の戻せ!あべこべ大作戦!」(監督:上堀内佳寿也 脚本:毛利亘宏)
さくらの前に姿を現したウィークエンド代表は、「狩崎真澄」と名乗った。白と黒とで塗り分けられた不気味な仮面を被り、ジョージ・狩崎の父親だという。バイスタンプを作ったはずの男。とうに死んだはずではなかったのか?
今回は立場が逆転したままの一輝とバイスが元に戻れるかどうか、というエピソードではあるのだが、次回予告で全てがぶっ飛んだ。新ライダー・ベイルの登場である。
そこで本記事では、そのベイルの正体についての考察と、本編の感想という2本立てで書いてみたい。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
まずは今回のキャストをご紹介。
【キャスト】
五十嵐一輝:前田拳太郎
バイス/仮面ライダージャックリバイス(声):木村 昴
五十嵐大二/カゲロウ:日向 亘
五十嵐さくら/仮面ライダージャンヌ:井本彩花
ジョージ・狩崎:濱尾ノリタカ
アギレラ:浅倉 唯
オルテカ/仮面ライダーデモンズ:関 隼汰
玉置 豪:八条院蔵人
牛島 光:奥 智哉
本村香苗:清井咲希
ラブコフ(声):伊藤美来
デモンズドライバー(声):津田健次郎
牛島太助:矢柴俊博
五十嵐元太:戸次重幸
先週からキャストとしてクレジットされている本村香苗だが、今回オルテカによってギフテリアンにされてしまう役。「命を捧げろ」と命ぜられるままに、悪魔に喰われながら歓喜の表情を浮かべる狂信者である。何事も、盲信というのは恐ろしい。
【考察】ベイルの正体は?
徐々に鼓動を強くしていくギフ。今回もまた1体のギフテリアンを取り込み、復活は間近の様子。
時を同じくして、デモンズドライバーの中に潜む悪魔は「わが家に帰る」と言い残し、デモンズドライバーを後にする。向かった先は、ウィークエンド本部でチラリと映った新たなドライバーだろうか? デモンズドライバーに酷似したデザインである。
そして次週、新たな仮面ライダー・ベイルが登場する。
気になるのはその正体。先述した通り、ウィークエンドが管理するドライバーで変身するのだとすれば、変身者はウィークエンドの誰かなのか? と考えてしまうのが普通だが、狩崎代表はそもそも顔すら晒してはいない。仮面の男が、さらに仮面をかぶるようなことはなさそうだし、自ら戦うようにも見えない。
牛島ファミリーだとしたら、公子の可能性はゼロと言っていいだろう。これはさすがに無い。太助はちょっとわからない。狩崎代表同様に、自ら戦場に立つ感じはしないけれど、独特の凄みがあるため、もしかしたら・・・と考えてしまう。しかし、あまり強そうには見えないので、順当に考えるなら、戦場に送り出されるのは、一番若輩の光だろう。さくらと同じく空手をやっていることもあり、ライダーとして戦うにはうってつけかもしれない。それこそ、この日のために空手をやっていたのだとしたら・・・それこそが第1話からひっそりと紡がれてきた伏線だとしたら・・・などと考えるのは楽しいが、さすがにそれは持ち上げ過ぎのように思う。光がベイルの変身者である可能性は、ウィークエンドの中では一番高そうだが、だとしたらこれまでの放送期間中に人気が結構あった(光を演じる奥さんはイケメンである)ので、変身させてやれ、となった、とかそんな感じではないだろうか。ベイルの登場がこれまでリークされて来なかったのも、突発的な事情だとすれば頷ける。
ただし、これには違和感が残る。次回予告を見る限り、ベイルは五十嵐家の過去と密接な関係があるらしい。そこへ来て、五十嵐家の父・元太がやけにフィーチャーされている。以前、元太には心臓がない、というとんでもない事実が発覚したワケだが、今回はジョージ・狩崎との入浴シーンで、そこを改めて取り上げている。ただし、胸に傷痕があることは今回判明した。手術の後だろうか? だとしたら改造人間・・・?
理由がどうであれ、心臓のない元太と、鼓動を強めているギフの心臓が無関係であるはずはないだろう。だとすれば、やはりベイルの正体は元太で決まり、だろうか?
これまでを振り返ってみると、『仮面ライダーリバイス』は、きちんと伏線を回収する丁寧な作風である。ただし、長期に亘っての伏線回収は少ない。基本的には前編で伏線を用意し、後編で回収する、といった具合である。2話で1エピソードとすれば、一般的な作り方だろう。ただし、元太だけは例外となっている。心臓がない、という衝撃的な事実が描かれていながら、それが何故なのか、何故生きていられるのか、といった説明がひとつも出てこない。だとすれば、物語の根幹に関わる重大な事実が隠されていることは容易に想像ができる。しかもそろそろ折り返し地点を迎えるこのタイミングで新ライダーの登場である。
しかし、実の父が悪魔(そのものなのか、乗っ取られているのか、そういった詳細は不明)なんて展開は、もはやラスボスに等しいワケだが、ラスボス登場にはタイミング的に早すぎる。しかし、「家族」をテーマとして公言している『仮面ライダーリバイス』において、父と子どもたちが戦う展開というのは、酷い反面、胸熱でもある。お互いの関係性もさらに揺さぶられることだろう。私は、五十嵐三兄妹がバラバラになってしまう展開を予想していたので、どうなることかと固唾を飲んで見守っている。当たろうが外れようが、どうということはないのだけれども。
いずれにせよ、フェニックス、ウィークエンド、デッドマンズの三つ巴の戦いの中、ついにウィークエンドの専属ライダー誕生は間違いなさそうである。
【本編】天元突破!
立場がひっくり返ってしまった一輝とバイスを元に戻す方法がわかったというジョージ・狩崎だが、バイスは、ヒロミを使ってデモンズドライバーの覚醒を目論んでいたジョージ・狩崎(実際にはフェニックスの意志だったワケだが)を信じることができない。
このままでは、実体のない一輝は食べることも飲むこともできず餓死する、と脅されるが、それでもジョージ・狩崎への不信感を消すことはできない。「一輝兄のことが心配じゃないの?!」と噛み付くさくらにも、「心配に決まってんだろ!俺は一輝のことが大好きなんだ!だけど、その一輝にもしものことがあったら・・・」と、悪魔とは思えない優しさを見せる。
その裏では、オルテカがジョージ・狩崎を誘拐し、デモンズドライバーのリミッターを外させる。デモンズドライバーは、まだその真価を発揮していなかったということらしい。見た目に違いはわからないが、さくらはピンチ。それでもバイスは狩崎のことを信じて行動することができない。
その状況を一転させたのは一輝の一言。
「俺は狩崎さんを信じる!お前は、狩崎さんを信じる俺を信じろ!」
15年ほど前、『天元突破グレンラガン』というアニメがあって、その中で自信のない主人公に対し、「俺を信じろ!お前を信じる俺を信じろ!」というセリフがあったが、まさにそれ。令和になって、それも仮面ライダーの中であの名セリフが聞けるとは思わなかった。同じことを感じた人たちは多かったようで、『グレンラガン』はTwitterのトレンド入りも果たしていた。
『グレンラガン』は神作である。個人的には、そのセリフの主・カミナが命を落とすまでの展開が素晴らしすぎて、それ以降はそれほどハマることもなかったけれど、それでも昭和のスーパーロボットを彷彿とさせる熱の塊のような作風は大好きだった。ちなみにその時の脚本家が、『仮面ライダーフォーゼ』のメインライター・中島かずきさんであるというのは有名な話だが、『フォーゼ』は知っていても『グレンラガン』は知らない、という方には、「ああいうノリだ」と想像しやすいかもしれない。見たことがなければ、是非見ていただきたい。『フォーゼ』が好きだった人なら間違いなくハマるし、『フォーゼ』がイマイチだった人もハマるかもしれない。「dTV」で視聴が可能だ。
とにかく、バイスも覚悟を決めて狩崎の考えた作戦を実行。それによって、バイスと一輝の関係は元通り。パワーアップしたデモンズをも退け、何から何までめでたしめでたし・・・と思ったところで、一輝とバイスがフュージョンしてしまっていることに気づく。
大二は徐々にカゲロウに侵食されてしまっているようだし、なにかと騒がしい五十嵐家。
次回、明かされる五十嵐家の過去とは? 折り返し地点に差し掛かっても、まだまだ勢いの止まらない『リバイス』には、今後も期待しかない。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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