2022年6月26日放送『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン17話「ひかりとつばさ」(監督:加藤弘之 脚本:井上敏樹)
「愛は光だ。光がなければ、人は一歩も歩けない」
そんな犬塚の名言で幕を開けるドン17話をレビュー。
愛する人、夏美との再会を心待ちにする犬塚が知り合った、とある恋人たちのエピソード。
犬塚の暴走ぶりに、製作陣の遊び心がくっきり見えるお笑い回にも関わらず、これまで明かされなかった犬塚の過去がチラリと姿を見せる。それは残酷な未来の始まりだったのか?
最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここではドン17話のキャストをご紹介する。
なお、以下の画像は全て『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』より引用している。
猿原真一/サルブラザー:別府由来
桃井タロウ/ドンモモタロウ:樋口幸平
鬼頭はるか/オニシスター:志田こはく
※画像左より
犬塚 翼/イヌブラザー
柊太朗
雉野つよし/キジブラザー
鈴木浩文
桃谷ジロウ/ドンドラゴクウ
石川雷蔵
ソノニ
宮崎あみさ
ソノザ
タカハシシンノスケ
雉野みほ/夏美
新田桃子
加奈子
小日向ゆか
田辺 誠
平田雄也
マザー(声)
能登麻美子
犬塚の暴走
犬塚は、彼女にフラれたショックから飛び降り自殺をしようとしていた青年・田辺を救う。
以前、ヒトツ鬼に襲われたことがあるらしく、その際、あまりの恐ろしさに、一緒にいた彼女を置いて逃げ出してしまったことが原因のようだ。それは確かに酷い。
そこで犬塚は、田辺が名誉挽回するための作戦を考案する。それはこうだ。田辺と彼女の前に、怪物に扮した犬塚が現れるので、田辺がそれを倒し、彼女を守って一件落着、というもの。ベタ・オブ・ベタ。
その作戦のため、犬塚は舞台メイクのできる知り合いの力を借りることにする。ちなみに、この知り合いは登場しない。
そうして出来上がった怪物の姿がこれ。
元ネタはブラックデビルだろう。
伝説のバラエティ番組『オレたちひょうきん族』(1981〜1989年・フジテレビ)の名物コント「タケちゃんマン」に登場した悪役で、若き日の明石家さんまさんが演じていた(2代目ブラックデビル。初代は高田純二さん)。
それをドンブラザーズきってのクールガイ・犬塚 翼に演じさせるという無茶ぶりがいい。メイクだけではなく、「クエックエッ」という鳴き声(?)も、喋る際の変声も、そのままトレースさせる。
犬塚 翼のイメージカラーがブラックで、怪人役をやるのだから、ブラック+???となった際に、誰かが洒落で「ブラックデビルは?」と言い出したことが予想外に盛り上がってしまった、みたいな流れでできたような印象を受ける。
以前、『笑ってはいけない・・・』で、斎藤 工さんがサンシャイン池崎を演じたくらいのインパクト、というのは言い過ぎのような気もするが、30年以上もの時を経た2022年の今日、まさかニチアサでリブートされるとは誰一人想像すらしなかっただろう。
しかし、そんな犬塚の身体を張った作戦は実らない。
偶然通りかかった桃谷ジロウに「怪しいヤツ」認定され、撃退されてしまうのだ。
誰が見ても100%不審者な出立をしている時に、ヒーロー気取りのジロウに見つかった不運もあるが、ドンブラザーズ内で面が割れていないことも災いしたとしか言いようがない。
しかもこれだけでは終わらない。
雉野の妻・みほを見かけた犬塚は、それを恋人の夏美と勘違いし、ふらふらと追いかける。もちろん、ブラックデビルの扮装のまま。
なんというカオス。
メイン回だというのに、とんだ役回りである。
愛という名の欲望
フラれた彼女に執着し続ける田辺の中に垣間見えるヒトツ鬼の影。
当然、今回はこの田辺がヒトツ鬼だろうと思っていたら、その彼女である加奈子がヒトツ鬼になってしまう。
鳥人鬼
身長:191cm
体重:222kg
スキン:バードニックウイング
スーパー戦隊シリーズ第15作『鳥人戦隊ジェットマン』がモチーフ。
上空からころころタマゴ爆弾を落として攻撃するところは、名曲として名高い『ジェットマン』のエンディングテーマ「こころはタマゴ」が元ネタだろう。
加奈子の「運命の愛が欲しい」という欲望を叶えようとするのだが、そのきっかけを作ったのは犬塚だったと言っても良い。地球鬼に遭遇した際、田辺に置き去りにされた加奈子を救ったのが犬塚だった。それによって、犬塚こそが運命の人だと、加奈子は勝手な期待を寄せる。
犬塚が何者なのかを指名手配のポスターで知った加奈子が、そのポスターの写真を部屋中に貼り付け、布団カバーまで全てそのデザインで統一する様は笑えるがサイコだ。
鳥人鬼との戦いの最中、前回手に入れたドラゴンレンジャーギアを使ってアバターチェンジする桃谷ジロウ。
獣奏剣を使い、いきなり「まるでお兄さんになった気分です!」と、脈絡のないジュウレンジャーネタ(ドラゴンレンジャー/ブライは、ティラノレンジャー/ゲキの兄)をぶちかます。かなり雑な感じだが、これでもファンには刺さる・・・のか?
そして、鳥人鬼が倒れた後、巨大化したのが鳥人鬼ングである。
鳥人鬼ング
身長:52.3m
体重:2144.3t
スキン:身軽なガルーダ
脳人レイヤー内をジェットスピードで飛び回り、強烈なGのかかったクロスチョップで攻撃するが、ドンオニタイジンの狙い澄ましたジャンプキックで動きを止められ、最後は一騎桃千ドンブラパラダイスでとどめをさされてしまう。
やはり、夏美=みほ?
ようやく明らかにされた犬塚の過去。
犬塚と夏美は、劇団員だったらしい。
公演が終わり、みんなで旅行に出かけた夜のこと。
劇団員たちを襲ったのは、鶴の折り紙。
おかしな気配に気づいた犬塚は難を逃れたが、夏美や他の仲間たちは鶴の折り紙を飲み込んでしまう。
目を開く夏美。
そこに謎の声が響く。
「目を覚ましたか。この女は適合者だ」
そのまま異空間へと吸い込まれる夏美。二人は必死で手を伸ばすが、届かない。声の主が続ける。
「男よ、このことは1年間、口外するな。そうすれば、お前は再びこの女に出会えるだろう」
この声の主は、獣人である。
消える夏美。残された犬塚。
その他の仲間たちは、そのまま眠り続けているらしい。
これが犬塚の抱えていた真実。
この謎の事件の唯一の生き残りとして、指名手配されている、ということだろうか? 雉野は、そう予想するが、指名手配の理由までは具体的に語られてはいない。
ただ、こうなるとやはり、雉野みほと夏美は同一人物ということになるのだろうか?
顔が同じなだけでなく、以前のエピソードでは、鶴を折る雉野みほの姿も映し出されているからだ。
しかも、雉野がみほと結婚したのは4ヶ月前のことだとドン8話で語られている。知り合った時期は定かではないが、1年以内に知り合って、その後電撃的に結婚した、という可能性はゼロではない。
みほと夏美が本当に同一人物だとしたら、とんでもない事態になるだろう。
雉野と犬塚の関係など、どう収めていくのか要注目。やはり、子ども向けとは思えない物語の作り方である。
他にも注目するポイントはいくつかある。
「笑う」ことを学んでいたはずのソノザは、今度は「泣く」ことを学び始めた様子。やはりドン14話で「笑う」ことは覚えたということなのか?
そしてラストでは、新たな戦士の影がひっそりと。
彼の名はドンムラサメというらしい。
その正体は? そして、どう絡んでくるのだろう。
痛々しくも微笑ましい、よりを戻した田辺と加奈子を生温かく見守りながら、次回を楽しみに待ちたい。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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