2022年8月7日放送『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン23話「イヌ、いぬになる」(監督:渡辺勝也 脚本:井上敏樹)
ドン19話「もしもしユーレイ」に続き、今回のエピソードも夏をイメージしたものらしい。
今回のテーマは「呪い」。
「呪い」と聞くと怖そうだが、そこは『ドンブラザーズ』。怖さは微塵もない。背筋が凍るような怖さが欲しいなら、YouTubeで「オウマガトキFILM」や「4TH WALL」でも見たらいい。どちらもホラー系YouTubeを見まくってきた私がガチで怖いと思ったチャンネルだ。もうちょっとエンタメよりのホラーチャンネルだと「ゾゾゾ」などオススメできるものは多いが、とにかく怖いのが見たいなら、先に挙げた2チャンネルは外せない。
余談が過ぎたが、これから視聴する方の楽しみを奪わない程度のネタバレに留めてあるつもり。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここではドン23話のキャストをご紹介する。
本作初登場でウィキペディアに記載のある方についてはリンクを貼っておくので、他の参加作品なども是非チェックしていただきたい。
なお、以下の画像は全て『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』より引用している。
桃井タロウ/ドンモモタロウ
樋口幸平
猿原真一/サルブラザー
別府由来
鬼頭はるか/オニシスター
志田こはく
犬塚 翼/イヌブラザー
柊太朗
雉野つよし/キジブラザー
鈴木浩文
桃谷ジロウ/ドンドラゴクウ
石川雷蔵
雉野みほ/夏美
新田桃子
狭山健児
杉本凌士
田丸
ルミちゃん
朝乃あかり
ジロウの友人
森田 光・長谷場俊紀・釈 聖司
同僚
植田敬仁・竹内 啓
子ども
菊池 爽
ウェイトレス
主婦
うみぐち うみ
少女
上村結羽
桃井 陣
和田聰宏
イヌの呪い
喫茶店で憲法の勉強をする田丸。司法試験の受験生のようだ。かなり切羽詰まった様子である。
しかし、周囲の話し声やコーヒーカップを置く音など、さまざまな雑音に邪魔され勉強に集中できない。それならそもそもこんなところで勉強などしなければ良いのに。世の中には、家よりも外で作業する方が捗るという人たちがいるが、田丸はどう考えてもそちら側ではない。
おしゃれなカフェで作業する自分に酔うことも、手に入れたばかりのMacBook Airを自慢したいわけでもなく、ただ純粋に勉強がしたいだけの田丸は、とっとと家に帰るか図書館にでも向かえば良いものを、「憲法を学ぶ俺のために、みんな静かにしろ」という身勝手の極みのような欲望を爆発させる。単なる逆恨みである。
そうして生まれたヒトツ鬼は、ケンポウ繋がりで2007年2月から2008年2月まで放送されたスーパー戦隊シリーズ第31作『獣拳戦隊ゲキレンジャー』をモチーフとした獣拳鬼である。
獣拳鬼
身長:195cm
体重:229kg
スキン:マスターカンフー
「獣の拳」ということで、顔がそのまま獣の手になったデザインが特徴的。田丸が勉強していたのは憲法だったが、こちらは拳法を使って気に入らない相手をボコり倒す。
そんな獣拳鬼にぶっ飛ばされたイヌブラザーは、事故死した犬のために捧げられた花や水を倒してしまう。本人に悪気はなく、単なる偶然である。そもそもの原因はイヌブラザーをぶっ飛ばした獣拳鬼にあるだろう。
しかし犬塚は、自らの墓標とでもいうべきものを足蹴にされたと憤る犬の霊に呪われてしまう。
その呪いとは、変身解除ができなくなること。
野良犬に間違えられ、女子高生に石を投げつけられる。当初はその程度だったが、ついには本物の犬となってしまう。そして衝撃的なラストを迎えるのだが、これについては絶対に自身の目で見て欲しい。文字起こしするのは野暮でしかない。
さて、獣拳鬼はと言えば、イヌブラザーを欠いたドンブラザーズとの戦いの最中に現れた桃谷ジロウに倒され、獣拳鬼ングへと変化する。
獣拳鬼ング
身長:51.3m
体重:2101.3t
スキン:過激な闘者
今回は、初登場したジロウのロボタロウ・虎龍攻神(トラドラゴンジン)のかませ犬として、徹底的にボコられた。助演男優賞くらい差し上げたい程の見事なやられっぷりだった。
覚醒
今回は犬塚回でありながら、重要なポイントは犬塚ではない。メインであることは間違いないのだが、言ってみれば“スケープゴート”みたいなもので、「もしも犬塚が変身解除ができなくなったら・・・」というシチュエーションコントを演じただけに過ぎない。
もっと重要なことは他にあって、それが雉野みほの覚醒シーンである。
以前から「ジュウトっぽい」という匂わせを続けてきたみほが、刑事の狭山が憑依されたジュウトと対峙するシーンが描かれた。
明らかに人間離れした動きを見せただけでなく、同じジュウトであっても、一枚岩ではないことがわかったことは大きい。ジュウトは「猫」「鶴」「ペンギン」の折り紙をするのが特徴だということは以前に語られていて、狭山は猫、みほは鶴を折るシーンがあり、もう一人、ペンギンの折り紙をするジュウトがどこかにいて、いずれソノイたちのように3人組となって襲いかかって来るのか、くらいに思っていたら、お互いに敵対しているように見える。
未だ登場していないペンギンの折り紙をするジュウトが登場した時、本当に3人バラバラなのか、それともまとまるのか、そしてジュウトの目的は何か? といった詳細が明らかになるだろう。それまでは勝手な想像をして楽しむ他ない。
龍と虎
そしてもうひとつ、先述もしたが、桃谷ジロウがロボタロウへとチェンジを遂げる回でもある。
生まれ育った村で、幼なじみのルミや友だちと他愛もない時間を過ごしたジロウは、戦いに赴いたところで、なんと二人に分裂してしまう。
ジロウの中にある二つ目の人格「危ないジロウ」が、もう一人のジロウとして実体化してしまったのだ。
桃井タロウを尊敬しすぎているいつものジロウと、桃井タロウを妬みすぎている危ないジロウ。
このことにはジロウ本人も驚きを隠せなかったが、それでも、自らの影とでもいうべき人格に目を背けるのではなく、きちんとその存在を認める強さを見せつける。二人のジロウは、それぞれにドンドラゴクウ、ドントラボルトに変身し、ヒトツ鬼に立ち向かう。
そして、初のロボタロウへとチェンジを果たす。紫色の虎と黄金の龍。自分勝手に暴れ回る虎を、もう少し理性的な龍がたしなめる。
合体もその延長で、暴走する虎を無理やり押さえ込むように合体してしまう龍の姿が描かれる。そうして合体した虎龍攻神(トラドラゴンジン)は、ドンオニタイジンよりはドンゼンカイオーに近い身軽さを感じさせるのだが、設定を見るとドンオニタイジンと大きさなどがあまり変わらず「あれっ?」となる。
虎龍攻神
全高:55.7m(ドンオニタイジン:55.0m※旗上までは75.8m)
全幅:31.5m(ドンオニタイジン:38.0m)
胸厚:21.5m(ドンオニタイジン:21.5m)
重量:2,300t(ドンオニタイジン:3,000t)
スピード:300km/h(ドンオニタイジン:300km/h)
出力:1,300万馬力(ドンオニタイジン:1,700万馬力)
重量や出力はドンオニタイジンが上回るが、それ以外には、さほど違いがないようだ。
既にCMでは、ドンオニタイジンと合体することも明かされているので、その勇姿を拝めるのは間近だろう。こちらも非常に楽しみだ。
そして、なんと言ってもジロウである。
幼なじみ達からは、いつまでも正義のヒーローになりたいなんて夢ばかり見ているイタいヤツとして見られている一方で、幼い頃からの夢を決して諦めない男としても認知されている愛されキャラ。
そのジロウが、大切なルミの前でだけ見せた本当の変身。それは自慢でもなんでもなく、もう後戻りはできないという覚悟の表明だったろうし、ひょっとしたら、自分が単なる夢想家だと思われていることに気づいていたのかもしれない。いずれにせよ、この出来事があったからこそ、もうひとつの人格を受け入れ、ロボタロウとなることもできたのだろう。
正式にドンブラザーズの6人目として加入することができるのかは不明(以前、五色田介人に「彼はドンブラザーズではない」と言われていた)だが、今後の活躍が楽しみな一人である。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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