『仮面ライダーBLACK』第28話「地獄へ誘う黄金虫」【ネタバレ注意】

虫を飼うだけで、ラクにお金儲けができるとしたら、あなたはどうするだろう? 金に目がくらんだ人間たちの狂気を描いた傑作エピソード『仮面ライダーBLACK』第28話「地獄へ誘う黄金虫」(監督:小笠原 猛 脚本:荒川稔久)をレビュー。

最後までおつきあいいただければ幸いだ。

目次

キャスト

ここでは今回のキャストをご紹介。

【キャスト】

南 光太郎/仮面ライダーBLACK:倉田てつを

秋月杏子:井上明美

紀田克美:田口あゆみ

ナレーター:小林清志

ダロムの声:飯塚昭三

大神官ダロム:庄司浩和

大神官バラオム:高橋利道

剣聖ビルゲニア:吉田 淳

大神官ビシュム:好井ひとみ

コガネムシ怪人が招く、現代のゴールドラッシュ

悪の秘密結社ゴルゴムの剣聖ビルゲニアは、南 光太郎を人間社会から孤立させ、精神的に追い込むため、欲深い人間の本能を利用する作戦を立てる。

剣聖ビルゲニア
画像引用元:仮面ライダーBLACK

そのために引きずり出したのが、コガネムシ怪人。

コガネムシ怪人
画像引用元:仮面ライダーBLACK

このコガネムシ怪人、口から金粉(これが付着すると、皮膚呼吸ができなくなる)を吐くだけでなく、「“つがいになると黄金のマユを作る”オオガネムシ」を生み出せるという特殊能力を持っている。いっそのこと、コガネムシ怪人ではなく、オオガネムシ怪人にした方が良かったのでは? とも思うが、そこはきちんと実在の生物をモチーフにしておきたかったのだろう。

コガネムシ怪人を使って、オオガネムシを大量にばら撒くビルゲニア。黄金のマユは、1個あたり最低500万円で取引されるらしい。

この降って沸いたような現代のゴールドラッシュに誰も彼もが色めき立つ。

虫取り網片手にオオガネムシを追い回す人たち。

オオガネムシを追い回す群衆
画像引用元:仮面ライダーBLACK

さらに、オオガネムシを1匹100万円で取引する者。会社を辞めた退職金500万円を注ぎ込んでつがいを購入する者など、常軌を逸した行動に走る人たち。果てはオオガネムシを巡って殺人事件まで起きる始末。

画像引用元:仮面ライダーBLACK

いつの時代も「ラクして儲ける」という話に飛びつく輩は絶えないが、そういった風潮を見事に描いている。

オオガネムシで巨万の富を築いた男

このゴールドラッシュをさらに煽るのが「倉持」という男。「黄金虫は金持ちだ 金蔵建てた 蔵建てた」という童謡が元ネタだろう。

倉持
画像引用元:仮面ライダーBLACK

豪邸で暮らし、最高級の外車を乗り回すという典型的な金持ち。しかも成金というやつだ。ハワイや軽井沢に別荘まで持つという設定は、80年代における日本の富の象徴とでもいうべきものだったろう。

「オオガネムシのおかげで、働くことなく巨万の富を築いた」とうそぶく倉持をマスコミが追い回すことで、さらにオオガネムシブームは加速してしまう。

マスコミに追われる倉持
画像引用元:仮面ライダーBLACK

実は、倉持の正体は、剣聖ビルゲニア。部下に投げっぱなしにすることなく、自ら作戦の最前線に立つのだから、理想の上司だ。上司にしたい男ランキング入りも夢ではなさそう。打倒、島耕作。

それを見破った光太郎は、オオガネムシにうつつをぬかす人たちに目を覚ますよう説得して回るのだが、耳を貸す者はいない。

画像引用元:仮面ライダーBLACK

徐々に孤立していく光太郎。まさにビルゲニアの立案した作戦どおりの流れである。

欲に目が眩んだ人間たちに絶望する光太郎にとどめを刺すため、剣聖ビルゲニアが姿を現す・・・。

お金さえあれば幸せなのか? を問いかけるバブル時代の物語

「ラクして儲けたい」という人間の心理と、欲に溺れた人間の醜さを描いたストーリーは、放映から30年以上経った今も色褪せていない。要するに、人間の根本は30年経っても変わっていないということだ。残念なことではあるが。

仮面ライダーBLACKが放映されていたのは1987年。

世はまさにバブル時代(1986年〜1991年)。タクシーを止めるのに1万円札をチラつかせる、といった愚行が流行った時代。今では想像もつかないような華やかな時代だった。誰も彼もが浮かれていた、と言っていいし、こんな時代がずっと続くと勘違いしていた。

あの頃、大人たちはみんなギラギラしていたし、勢いだけはあった。右肩上がりに上向く収入など、経済的には確実に豊かになった時代だが、「お金のため」と、家族のことを置き去りにして働く人たちも多く、置き忘れたものも多かった時代でもあった。もちろん敗戦国として、どん底の状態から這い上がってきた日本で、「お金さえあれば幸せになれる」という考え方が老若男女を問わず蔓延るのは当然の流れだったとも思うが、それにしてもあの頃は行き過ぎていたように思う。

南 光太郎が出会った少年・サトルは、まさにこのバブル時代に置き忘れられたものの象徴として描かれている。

金に目がくらみ、「オオガネムシが自分たちを幸せにしてくれる」と恥ずかしげもなく言い放つ両親に、「こんなの幸せじゃない!」と悲痛な叫びを上げる。

サトル
画像引用元:仮面ライダーBLACK

いつの時代も、誰の心の中にもある「お金さえあれば幸せになれる」という勘違い。何もしなくても大金が転がり込んでくるかもしれない、という甘い誘惑と、それを甘受してしまう弱い心。こういったものがある限り、詐欺が途絶えることはないだろう。

「お金なんてなくても良い」とは絶対に思わないが、周りの人たちの笑顔を奪ってまで手に入れるものではないと思う。自分も周りも笑顔になれるような生き方をしていきたい。そんな当たり前のことを教えてくれる教訓に富んだ回だった。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

特撮ヒーローのレビュー(仮面ライダーシリーズとスーパー戦隊シリーズは旧作から最新版まで。ウルトラシリーズは昭和がメイン)を中心に、ゲームに書籍にチョコボールなど、大好きなものに囲まれた秘密基地のようなブログです。インスタでは、特撮ヒーローのイラストも描いているので、よかったら覗いてみてください。イチオシのライダーは『W』。マスク割れアイコンが目印。僕と握手!

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