2022年7月3日放送『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン18話「ジョーズないっぽん」(監督:諸田 敏 脚本:井上敏樹)
タイトルである「ジョーズないっぽん」には、ジョーズをモチーフとした一本の刀と、ラストシーンで繰り出される上手な一本という意味が込められているのだろう。
今回は、ジョーズ(鮫)をモチーフとした新たな戦士・ドンムラサメ登場回。
最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここではドン18話のキャストをご紹介する。
本作初登場でウィキペディアに記載のある方については、リンクを貼っておくので、他の参加作品なども是非チェックしていただきたい。
なお、以下で使用している画像は全て『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』より引用している。
桃井タロウ/ドンモモタロウ
樋口幸平
猿原真一/サルブラザー
別府由来
鬼頭はるか/オニシスター
志田こはく
犬塚 翼/イヌブラザー
柊太朗
雉野つよし/キジブラザー
鈴木浩文
桃谷ジロウ/ドンドラゴクウ
石川雷蔵
五色田介人
駒木根葵汰
ソノイ
富永勇也
ソノニ
宮崎あみさ
桃井タロウ(幼少期)
三浦綺羅
同僚
植田敬仁・竹内 啓・遊佐亮介
老婆
水野千春
ドンムラサメ(声)
マザー(声)※画像はマザーではない
能登麻美子
桃井 陣
和田聰宏
桃井タロウの悲哀
どうしても、お供という立場がイヤだという桃谷ジロウの一言で、タロウはジロウに勝負を持ちかける。いつでも、どんな方法でもタロウから一本取れば勝ちとなり、タロウと肩を並べることができるのだという。
それを聞きつけた他のメンバーたち(犬塚を除く3人)も、面白そうだと、その勝負に参加することに。
だが、タロウの尋常ならざる強さを知るメンバーたちは、決して真正面から戦いを挑んだりはしない。
仕事中、クルマに乗り込む一瞬を狙ったり、荷物の積み下ろしをしている最中を狙ったり、食事中を狙ったりもする。
しかし、どれもこれも上手くはいかない。全てバレて、逆に罰ゲームを課されてしまう。
腕立て伏せ100回とか、縄跳び1,000回など、まるで体育会系のノリである。
ところが、ここで描かれるのは、タロウの圧倒的な強さだけではない。むしろ、タロウの悲哀が描かれる。
「タロウのために手作りしたクッキー」だと偽って、プレゼントの箱を用意した鬼頭はるか。
実際には、その箱を開けると中からバネじかけでパンチが飛び出すという昔ながらのビックリ箱なのだが、それを受け取ったタロウは、今まで見たことがないほどのはしゃぎようを見せる。
こういうものを女性からもらうのは初めてらしい。
目を輝かせ、「毎日、少しずつ大切にいただこう」とまで言い出すタロウが哀しくて、結局、はるかはそれを渡すことができない。
どうにかしてタロウに一本取りたいドンブラザーズメンバーたちは、タロウの弱点を聞き出そうと桃井 陣の元を訪れ、タロウが、友達のいない子ども時代に飼っていたカブトムシのギイちゃんの話を聞く。
餌をあげようとした時に逃げ出してしまったらしいのだが、タロウはいつかギイちゃんが帰ってくると信じていたようだ。
子ども時代の話なので、それから既に10数年は経っており、カブトムシが生きているはずなどないのだが、試しにタロウの前で「カブトムシのギイちゃんが帰ってきた」と植え込みの中を探すフリをしてみると、一心不乱にカブトムシを探し出すタロウ。
この様子を見て、ここぞとばかりにタロウに飛びかかる4人だったが、すんでのところで思いとどまる。
はるかは「タロウが負けるところは見たくない」と言ったが、実際には、そのあまりに哀しい様子に耐えられなかっただけだろう。
『ドンブラザーズ』は、光と影を描くスーパー戦隊である。
眩しいほどに光り輝く超人・桃井タロウは、その影に哀しいほどの孤独を抱えていたのだ。
ソノイとの対決
ドンブラザーズメンバーとの勝負とは別に、ソノイともまた勝負が始まる。
その勝負の内容は「人助け対決」。
困っている人たちをどれだけ助けられるか? という、これ以上ないほど平和な対決だが、ここで書きたいのはそこではない。
特筆すべきは、ついに製作陣がソノイをいじり始めたことだ。
荷物を届けに行った先で、ソノイの出立ちを、珍しいものでも見るようにチラ見する主婦に「この男の服装なら気にしなくていい」と伝えるタロウ。
上から下までツルツルテカテカ素材のブルーに身を包んでいるのだ。しかも世界にふたつとないオーダーメイド。
「自分探し」の旅に出た元プロサッカー選手のように、「僕は黒しか着ない」などと豪語する人というのはいるものだが、そんなレベルではない。どちらかと言えば、林家ぺーさん&パー子さんとか、やる気元気いわきクラスだ。こんな人が近くに来たら、誰だってチラ見してしまうだろう。
しかし、その場を後にした途端、「これだけは覚えておけ。脳人の世界で、私は常にファッションリーダーだった」とドヤるソノイ。
タロウは「わかった」と受け流すが、心底どうでも良さそうだ。
この手のキャラクターいじりは今後も登場しそうで、密かな楽しみができた。
ドンムラサメ
謎に包まれたマザーの声に導かれて飛び回る刀。
鮫をモデルにした「ニンジャークソード」。これこそが、ドンムラサメの本体である。
紫色のカラーリングに、鮫のモチーフ。
“ムラサキ + サメ = ムラサメ”ということだろう。
逆に、村雨(ムラサメ)という言葉が先で、それをムラサキとサメに分解したのかもしれないが。
いずれにしても、そのネーミングもカラーリングも含めて、なかなかカッコいいデザインである。
背中に刀を担ぐところが忍者みたいだと思ったら、地中を潜航する忍術のような技を使う。ガチの忍者戦士らしい。
その実力はかなりのもので、たった1人でドンブラザーズ6人を同時に相手にし、まるで引けをとらない。
それどころか、ドンモモタロウにさえ互角以上の戦いを繰り広げる。
ソノイは元々その存在を知っていたようだが、果たしてドンムラサメとは何者なのか? そして、(今のところ)声だけの存在、マザーとは?
未だイヌブラザーの正体すら他のメンバーたちは知らず、もうじき20話にもなろうというのに、まだ全員揃っての名乗りすらしていないというのに、ひたすら畳みかけるスタイルに翳りは見られない。
1話見逃したら、マジでついていけなくなるほどの展開だ。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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