動き出した悪意|『仮面ライダーギーツ』第11話感想

雷堂

2022年11月20日放送『仮面ライダーギーツ』第11話「謀略Ⅱ:ジャマトの迷宮」(監督:杉原輝昭 脚本:高橋悠也)をレビュー

浮世英寿の勝利で終わった前回のデザイアグランプリ。

勝者は理想の世界を叶えることができる。

そこで英寿が望んだのは、“デザイアグランプリの運営者と家族になっている世界”。

あからさまに不満を口にするツムリに対し、従順にその状況を受け入れているかのように見えたゲームマスター・ギロリだったが、実は怒りに打ち震えていた様子。打倒ギーツに向けて本格的に動き出す・・・。

ネタバレも含むが、最後までおつきあいいただければ幸いだ。

目次

キャスト

ここでは第11話のキャストをご紹介する。

以下で使用している画像は全て『仮面ライダーギーツ』より引用している。

浮世英寿/仮面ライダーギーツ

簡 秀吉

桜井景和

佐藤瑠雅

鞍馬袮音/仮面ライダーナーゴ

星乃夢奈

吾妻道長/仮面ライダーバッファ

杢代和人

ツムリ

青島 心

晴家ウィン/仮面ライダーパンクジャック

崎山つばさ

丹波一徹/仮面ライダーケイロウ

藏内秀樹

桜井沙羅

志田音々

アルキメデル

春海四方

鞍馬伊瑠美

遊井亮子

鞍馬光聖

笠原紳司

ベン※画面右奥

マイケル・K

ジョン※画面右奥から二番目

トム・コンスタンタイン

尾形次郎

須藤公一

葉山 梢※画面右

月島琉衣

葉山良樹

菊池 爽

ギロリ/ゲームマスター

忍成修吾

運営ナレーション:塩野潤二

母を求めて

開幕したデザイアグランプリ新シーズン。

英寿の描く次なる理想の世界は、“DGP(デザイアグランプリ)のスタッフになっている世界”。

これには、流石のギロリも「どういうつもりだ?」と不機嫌さを隠さない。

この場は、「興味がある」と涼しい顔ではぐらかす英寿だが、その後、袮音との会話の中で本音がポロリ。

前回、「母に会いたい」と漏らした英寿に、「何故、母に会いたいとカードに書かないの?」と、誰もが思っていた疑問をぶつける袮音。

すると、“書かなかったわけではなく、書こうとしたけれど書くことができなかった”というのが本当のところらしい。映像でも、「母に会いたい」とカードに書いた途端、ノイズによって文字が掻き消えてしまう様子が描かれている。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

こうなると、母親がDGPと何か密接な関係があると疑うのは当然のことだろう。それで英寿は、徐々にDGPの内部へ潜り込んでいこうとしているのだった。全ては母に会うため、である。

理想は忘却の彼方へ

第2ゲームが始まる。

今度のゲームはダンジョン攻略。閉じ込められた迷宮を脱出することが目的となるが、ライダーたちは迷宮に迷い込んだ一般人とペアとなって、彼らをジャマトから守りながら進まなければならない。そして、脱出するためには出口となる扉を開く必要があるが、そのためには合言葉を探さなくてはならない。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

つまり、ライダーたちは同時に二つのミッションをこなさなくてはならないのだ。

しかも守るべき一般人は、首に植物の蔓のようなものが巻き付いており、敵が接近すると、これが首を締め上げるため、敵との距離感も大切と、かなり難易度は高い。

一般人の中には、前回のDGPで共に戦った桜井景和の姿もあるが、彼は完全にDGPの記憶を失っていた。さらに、前回のレビューでも書いた通り、やはり以前の彼とは違う様子。

その理由は、DGPに敗北し、その記憶を消されると、その時望んだ理想の世界の記憶もまた消されてしまうのだという。

だから、自分のことより他人のことを重視し、少しでも所持金があれば寄付をするような景和が、宝くじで散財したりしていたのだ。

あれだけ家出に熱心だった袮音が、母の言いつけに従っていたのも同じ理由だったのである。

予想外の事態

第2ゲームが始まると、早速異変が起こる。

いつも通り登場したポーン・ジャマトたちだったが、そのうちの二人が、ドライバーを使って変身してしまう。ジャマトライダーの誕生だ。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

これをまたライダーと呼んでいいものか? という違和感はあるが、一般人を守りながら、強敵・ジャマトライダーをも相手にしなければならない英寿たちは大変である。

特に、老齢の丹波一徹にはキツい。それは他のメンバーも理解しており、前線で戦うのは英寿たち、丹波には一般人の保護を任せる、といった役割がなんとなく出来上がる。

しかし、徐々に追い詰められ、子ども達に危険が及ぶと、これまで逃げ腰だった丹波が蛮勇を振り絞って戦いに挑む。「物事には順番がある」と言って、子ども達のために身体を張る丹波の姿は切ない。“老害”なんて言葉が一般的になって久しいが、幾つになっても「俺が」「私が」と前に立って目立とうとする姿は、やはり醜い。後進のために、自らを犠牲にしてでも道を切り拓こうとした丹波の姿からは、そういった醜さは微塵も感じられない。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

倒しても復活するジャマトライダーに苦戦する英寿たちを救ったのは、ゲームマスターからのプレゼント・フィーバーバックルだった。

金色のマフラーを首に巻いたフィーバーブーストフォームとなったギーツが、専用バイク・ブーストライカーで縦横無尽に暴れ回るシーンは、杉原監督らしいド派手なものである。

ジャマトライダーを倒し、ひとまず窮地を脱したかに見える英寿たちだが、床に落ちたドライバーを生き残った他のジャマトが拾い上げて変身する様子が描かれる。まだまだラクはさせてもらえない様子だ。

しかし、この状況はゲームマスターにとっても予想外の事態のようだ。

「指示していないことが起こっている」と怪訝な表情を見せるゲームマスターの陰で、植物園のような場所が映し出される。木々には、まるで木の実のように、ジャマトの赤ん坊たちがぶら下がっている。しかも大量に。かなり不気味だ。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

そしてそれを愛おしそうに愛でる謎の男。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

キャスト欄を見ると、どうやらアルキメデルという新キャラらしい。DGPを司どるゲームマスターすら知らないところで、何事かが動き出した様子。

ゲームマスターの言いつけに従い、パンクジャックと共に英寿たちの妨害を企む様子を道長に見られてしまったツムリ。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

さらに、何かを知っていそうな、袮音の父・光聖の動向も気になる。

第1クール終了に向けて、いよいよ本格的に動き出した感のある『ギーツ』。大味な印象もあって、批判の声も多いようだが、こうして徐々に薄皮を剥いていくように核心に迫る展開に期待は高まる一方だ。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

\ 僕と握手! /

Recommend

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

僕と握手!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

特撮ヒーローのレビュー(旧作から最新作まで)が中心ですが、ガジェットやゲームなど、好きなものを思いつくままに書いています。僕と握手!
※当サイトではアフィリエイトに参加しています。

WordPressテーマ「SWELL」

目次