覚悟が見せた光、その裏で蠢く闇|『仮面ライダーギーツ』第12話感想

雷堂

2022年11月23日放送『仮面ライダーギーツ』第12話「謀略Ⅲ:スロット★フィーバー」(監督:杉原輝昭 脚本:高橋悠也)をレビュー

始まった第2ゲーム。

閉じ込められたダンジョンを脱出するため、一般人とペアを組まされる英寿たち。

その中には、以前、デザイアグランプリを共に戦った景和の姿もあった。

ライダーとしての記憶を失っている景和が、再び戦う覚悟を決める熱い展開。

ネタバレも含むが、最後までおつきあいいただければ幸いだ。

目次

キャスト

ここでは第12話のキャストをご紹介する。

以下で使用している画像は全て『仮面ライダーギーツ』より引用している。

浮世英寿/仮面ライダーギーツ

簡 秀吉

桜井景和

佐藤瑠雅

鞍馬袮音/仮面ライダーナーゴ

星乃夢奈

吾妻道長/仮面ライダーバッファ

杢代和人

ツムリ

青島 心

晴家ウィン/仮面ライダーパンクジャック

崎山つばさ

丹波一徹

藏内秀樹

アルキメデル

春海四方

尾形次郎

須藤公一

葉山 梢※画像左

月島琉衣

葉山良樹

菊池 爽

ギロリ/ゲームマスター

忍成修吾

運営ナレーション:塩野潤二

タイクーン再び

次々に襲いかかってくるジャマトたちに防戦一方の英寿たち。

英寿たちがいかに強くとも、一般人を守りながらという足枷のある中、人海戦術で攻めてくるジャマトたちを相手にするのは分が悪いのは明白だ。しかも、丹波は負傷している。元々戦力としては覚束ないものだったが、足枷だけが増えた状況である。

そんな中、逃げ遅れた梢にジャマトが迫る。英寿と袮音は他のジャマトにかかりきり。以前、ライダーとして戦っていた記憶を失っている景和は、助けに行かなきゃという素振りは見せるが、肝心な一歩が踏み出せない。

そこでジャマトと梢の間に割って入ったのは、梢の弟・良樹である。

「お姉ちゃんを傷つけるな!」

そう言って梢を庇う良樹を見て、景和の中で何かが弾ける。ジャマトに体当たりをぶちかまし、「ありがとう。君のおかげで大事なことに気がつけたよ」と良樹に一言。先程までの迷いはすっかり消えてしまったようだ。

英寿たちと共にジャマトたちを部屋から締め出し、「どうしたら、みんなを守れる?」と問いかける景和に、自らのドライバーをトントンと人差し指で叩いて見せる英寿。

デザイアドライバーに恐る恐る触れた景和に、前回参戦したデザイアグランプリの記憶が蘇る。

同時に英寿の持つスパイダーフォンが鳴り響く。

「勝手な行動は慎んでもらいたい」と釘を刺すゲームマスターの声。

スパイダーフォンを奪い取り、「俺をエントリーさせてくれ!」と頼む景和を、「君は守られるべき一般人だろう?」と諭すゲームマスター。

だが、景和は一歩も引かない。

そこで英寿が追い討ちをかける。「これが本当に世界を守るゲームなら、断る理由はないはずだ」と。「それとも、他に秘密でもあるのか?」とさらに煽ると、諦めたように「仮面ライダーケイロウが参加権を譲渡するなら」という条件付きで認めるゲームマスター。負傷した丹波は「構わない」と即答。これで景和の参戦が決まる。

並び立つギーツとタイクーン。前回のデザイアグランプリ終了後、3週ぶりでしかないのに、めちゃくちゃ久しぶりに感じてしまうのが不思議だ。そしてタイクーンも、そんなブランクを感じさせない戦いっぷりを見せてくれる。むしろ、以前よりも息は合っているかもしれない。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

中でもこの、上からタイクーン、下からギーツというコンビネーションがカッコいい。これはアクション監督の藤田さんもお気に入りなのか、もう一度、パンクジャックとギーツという別コンビでも同じようにギーツが下から滑り込んで攻撃する、といったアクションを見せてくれる。スタイリッシュでスピード感あふれるバトルは、本作の魅力の一つ。バトル多めな今回は、それだけでも十分に見応えがある。

中でも、前回ギーツが使った“フィーバースロットバックル”を、今回は全員が使いまくる。スロットを回すとランダムにフォームが変わるため、いつものフォームはもちろん、これまでに見られなかったフォームもガンガン登場する。観ている側は楽しいが、使い慣れないフォームでの戦いはなかなか大変そうだ。

最後は英寿の言葉に引っ張られた・・・わけではなさそうだが、全員が勝ち残る覚悟を持つことで運を引き寄せ、それぞれに得意とするフォームでハイライトを迎える。

解けた謎

英寿を阻止するため、ダンジョンを脱出するのに必要となる暗号がわからなくなるよう工作したり、と姑息な行動に走る晴家ウィン。以前も「お腹が痛い」というくだらない理由で戦線離脱したりと、とにかくセコい。共に行動を強いられているツムリは、そんな晴家に嫌悪感を隠さない。

しかし、これはゲームマスターの意向でもある。ナビゲーターでしかないツムリは、それに従わざるを得ない。

ところが、とある塔の小部屋で先人たちが遺した暗号解読のヒントとなるノートを見つけた時、事件は起こる。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

晴家たちが自分を陥れようとしていることに気づいていた英寿と、晴家が一触即発というタイミングで、ツムリが割って入る。公正中立な立場を守る。それは、ゲームマスターの意向に背いたということでもある。

これまでも、英寿と家族にされてしまうことに不平を漏らしていたツムリだから、単なるお人形でないことはわかっていたが、今回はより強く自らの意志を滲ませた。不正行為がバレた晴家が、仲間に引き入れようとした道長が正々堂々と英寿と決着をつけようという意志を示したことに頬を緩ませるなど、曲がったことが大嫌いという性格が垣間見える。

戦う覚悟を決めた景和と、ナビゲーターとしての立ち位置を守ろうと覚悟を決めたツムリ。今回は二人の覚悟が輝きを見せた回だった。

ちなみに景和の今回の願いは、「退場した全ての人たちが蘇った世界」。

画像引用元:仮面ライダーギーツ

なんだか『ドラゴンボール』みたいだが、これが叶えば、道長の親友も復活するわけで、誰にとっても悪い話ではなさそうだ。

脱出ゲーム自体は、英寿が手に入れたヒントが書かれたノートを使って、全員で力を合わせてクリアすることができるが、この勝者はどうやって決めるのだろう、というのは疑問として残った。単純に倒したジャマトの人数で競うのだろうか?

ゲームをクリアしたことでライダーたちと巻き込まれた一般人たちが笑顔で別れを告げるその裏では、前回も登場したアルキメデルがほくそ笑む。運営側も知らないところでの裏切り。これが第2クールへと繋がっていくのだろう。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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