2022年6月5日放送『仮面ライダーリバイス』第38話「父と子が紡ぐ!究極のリバイス」(監督:柴﨑貴行 脚本:木下半太)
長らく戦線を離脱していた門田ヒロミが復活。
しかし、ギフを倒すための道は閉ざされてしまった。
五十嵐父子と狩崎父子は、この難局を乗り越えて究極のリバイスを生み出すことができるのか?
第38話をレビューする。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは第38話のキャストをご紹介する。
以下で使用している画像は全て『仮面ライダーリバイス』より引用している。なお、「牛島太助」のクレジットはあるものの、出演シーンを見つけることができなかったため、牛島太助(演:矢柴俊博さん)の画像は、第37話から引用している。
五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ
前田拳太郎
バイス/仮面ライダーバイス(声)
木村 昴
五十嵐大二
日向 亘
五十嵐さくら/仮面ライダージャンヌ
井本彩花
ジョージ・狩崎
濱尾ノリタカ
夏木 花/仮面ライダーアギレラ
浅倉 唯
玉置 豪※画像奥左側
八条院蔵人
牛島 光/仮面ライダーオーバーデモンズ
奥 智哉
門田ヒロミ
小松準弥
伊良部正造
西郷 豊
牛島公子※画像中央
乃 緑
ベイル(声)
津田健次郎
狩崎真澄(声)
藤 真秀
ラブコフ(声)※画像右奥
伊藤美来
牛島太助
矢柴俊博
五十嵐幸実
映美くらら
赤石英雄
橋本じゅん
五十嵐元太
戸次重幸
父と子が紡ぐ物語
今回のタイトルにある「父と子」とは、五十嵐元太と一輝、そして、狩崎真澄とジョージである。
ギフを倒すにはギフの細胞を手に入れなければならないと、ギフデモスに姿を変えられた御子柴朱美の奪還を試みた一輝たちだが、あと一歩というところで、朱美の身体はギフにより消滅させられてしまう。
希望の芽を摘まれ、絶望に打ちひしがれる狩崎親子に、五十嵐元太は自らの身体を差し出す。
成功率50%という難手術に臨む真澄とジョージ。幼い頃、真澄の身勝手で捨てられたジョージのわだかまりは消えないが、元太の命を救うため、世界をギフの魔の手から救うため、やるべきことのために手を取り合う二人。およそ20年ぶりに心を通わせた瞬間である。
しかし手術は難航を極める。あと少し、あと少しで、ギフの力を持つ「ギファードレックスバイスタンプ」が完成する。その直前に起こった元太の拒否反応。手術を中止しようとする真澄と、なんとしてでもスタンプを完成させようとするジョージ。
そこに飛び込んできたのは一輝。
父の命を救うため、インジェクション中のギファードレックスバイスタンプの入ったカプセルを叩き壊してしまう。今更そんなわがままを言うのか? と思った途端、意志を持ったように飛び去っていくギファードレックスバイスタンプ。
未完成とはいえ、94%ほどのインジェクションが完了しているのだ。超強力なギフの力を持ったスタンプは、宿主であるギフの元へと飛び去っていく。
それを追いかける一輝。
この残り5〜6%の未完成度は、おそらく伏線だ。これが原因となって、更なる進化が必要となるのだろう。そうでなければ、残り3ヶ月弱を持たせることは難しいだろうから。
アルティメットリバイス
今回最大の見どころは、やはりこれを置いて他にない。新ゲノム「アルティメットリバイス」初登場である。
久々登場のホバーバイクでスタンプを追いかける一輝とバイスは、ギリギリのところでスタンプを奪い取ることに成功する。スタンプを2分割。
一輝とバイスの二人が並び立って変身。背後に登場するLINEのやり取りのような画面も2枚。こういうところで迂闊なやり取りをすると、晒してめくられるので要注意だ。
変身シーンは、エフェクトも派手だが、音声もガッツリ長い。流石、最終フォームっぽい(おそらくもう一つくらいは用意されているはずなので、こういう言い方をしている)フォームである。
「ビッグバン!Come on!ギファードレックス!
アルティメットアップ!
あふれ出す熱き情熱!Overflowing Hot passion!
一体全体!表裏一体!宇宙の力は無限大!
仮面ライダー!リバイ!バイス!
Let’s go!Come on!
ギファー!ギファー!ギファードレックス!」
一人が二人に変身する逆『仮面ライダーW』パターンから始まり、二人が一人となるジャックリバイス、リバイスを経て、今回は二人がそれぞれに1号と2号に変身することとなった。
だから正確には、アルティメットリバイとアルティメットバイスの二人のライダーが誕生したということになる。それぞれのスペックは以下の通り。
アルティメットリバイ
身長:202.3cm
体重:105kg
パンチ力:83.7t
キック力:308.1t
ジャンプ力:270.7m(ひと跳び)
走力:0.8秒(100m)
必殺技:リバイギファードフィニッシュ、バリボルローリングサンダーゲイル、ギファードレックスファイナルスタンピング
アルティメットバイス
身長:201cm
体重:103.6kg
パンチ力:81.6t
キック力:287t
ジャンプ力:284.2m(ひと跳び)
走力:0.7秒(100m)
必殺技:バイスギファードフィニッシュ、バリボルローリングサンダーゲイル、ギファードレックスファイナルスタンピング
新たな装甲を纏ったレックスゲノムという雰囲気で、ケバケバしいけど、ゴチャついていない点で、リバイス(サンダーゲイル)よりもこちらの方が好みだ。
能力値の高さは、歴代ライダーの中でもトップクラス。オーマジオウ(2019常磐ソウゴ)には劣るが、並はずれていることには変わりない。
『仮面ライダーフォーゼ』のNSマグフォンのように変身アイテムを2分割して使うところから予想した通り、磁石をモチーフとしている。リバイがNで、バイスがS。バトルの際のエフェクトにも磁力線が多用される。
攻撃パターンも豊富で、地面にスタンプを押して自らの分身を次々に生み出すという『仮面ライダーオーズ』のガタキリバコンボのような攻撃や、回転してボール状になったバイスを蹴り込む「バリボルローリングサンダーゲイル」など、最終っぽいフォームのお披露目回ということもあり、てんこ盛りだ。
さらに二人が磁力を使って敵を左右から蹴りつぶすように放たれるファイナルスタンピングは、青と赤で画面が2分割されたエフェクトがカッコいい。威力もかなりのもので、無敵感満載だったヘルギフテリアンをも倒してしまう。
それに怒ったかに見えたギフの一撃をも無効化してしまうのだから、アルティメットの名は伊達ではない。
また、久々にバイスによる爆発前のカウントダウンが映し出されただけでなく、リバイがギフジュニアの頭部に、首がへし折れるんじゃないかと思うほどの回し蹴りを決めるシーンなど、第1話を彷彿とさせるような演出があえてなされたことは、ここからラストに向けて、改めてギフに立ち向かうという決意を固めたことを意識させる。
正義とは
以前、赤石が行った演説の際、ギフのことを「地球外生命体」と呼んでいたことを覚えているだろうか? 第35話のことである。
あの時は、「悪魔」という呼び方では胡散臭くて大衆には響かないと判断したのかも? などと思っていたのだが、どうやらそうではなく、文字通りの「地球外生命体」らしい。太古の昔、地球に降り立った地球外生命体ギフは、人類との共存を望み、その仲介役として選ばれたのが、赤石だった。
ところが、人類はそのギフを悪魔とののしり、拒絶。人智を超えた力に怯えたのかもしれない。得体の知れない力を畏れ、そういった力を使うものを「悪魔」と呼んで排斥する。これは「魔女裁判」のようではないか。荒唐無稽なことでは決してない。そんな人類に失望したギフは、やがて永き眠りにつく。赤石に目覚めの時の選択を託して。
そして赤石は、現代をギフの目覚めの時として選択した。何故か? それは、人類を危険視したからである。自分たちでは制御できないほどの科学力を手に入れてしまった人類は、もはや地球にとっても、宇宙にとっても脅威でしかないと判断したのだ。赤石は人類をこう呼ぶ。「真の悪魔」と。その「真の悪魔」たる人類の危険性を排除するため、ギフを抑止力とし、「戦略的退化」を提言していることになる。それはすなわち、地球を守るということだ。
こうなると、赤石も、それに抗う人類も、いずれも自分たちが信じる正義のために力を振るっていることになる。少なくとも、赤石が私欲を満たすためだけに動いているのでないことだけは確かだ。主題歌「liveDevil」の「正しさで裁き合うような」という一節を思い出す。
正しさといえば、大二の暴走もひどい。カゲロウを失って以来、正義感ばかりを振りかざすようになってしまった。これではヒーロー症候群と変わらない。
復活したヒロミもそうだった。第1話で変身に失敗してから、内に潜んでいた悪魔は消失。そのおかげ(?)で、「我が命をかけて・・・」という、いかにもヒーロー然とした態度と決め台詞を手に入れたとも言えるが、自分の身を顧みず、正義感だけに振り回される生き方は、危険この上もないことを証明してくれたのは彼である。
過去の自分と同じような生き方をしている大二を見つめるヒロミの目は、悲しげである。悪魔に身体を乗っ取られている、というなら話はカンタンなのだろうが、大二を突き動かしているのが正義感というのが、なんとも厄介なのだろう。
ヒロミの声は、家族の声は、大二に届くのだろうか?
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
\ 僕と握手! /