2022年7月3日放送『仮面ライダーリバイス』第42話「激バトル!紅きベイルとデストリーム」(監督:杉原輝昭 脚本:木下半太)
ついに、長きに亘る因縁に決着をつける五十嵐元太とベイル。
そして、ついにヤツが姿を現す…
緊迫の第42話。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは第42章のキャストをご紹介する。
なお、以下で使用している画像は全て『仮面ライダーリバイス』より引用している。
五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ
前田拳太郎
バイス/仮面ライダーバイス(声)
木村 昴
五十嵐大二/仮面ライダーホーリーライブ
日向 亘
五十嵐さくら/仮面ライダージャンヌ
井本彩花
ジョージ・狩崎
濱尾ノリタカ
夏木 花 ※画像右
浅倉 唯
ベイル(声)
津田健次郎
狩崎真澄(声)
藤 真秀
狩崎真澄(過去)※画像左
高橋健介
赤石英雄
橋本じゅん
五十嵐幸実
映美くらら
五十嵐元太/仮面ライダーデストリーム
戸次重幸
嵐の前の静けさ
自らが生み出してしまった悪魔ベイルと、25年の時を経て決着をつけることを決めた五十嵐元太の元に、ジョージ・狩崎に依頼していた新たなドライバー・デストリームドライバーが届く。
覚悟を決める元太だが、自らの悪魔ベイルを倒すことは、自ら命を絶つこととイコール。
心配する一輝たちに「大丈夫」と強がって見せるが、実際には不安しかない。
これまでの家族との思い出をゆっくりと反芻しながら、その時を待つ。
最後の晩餐は、愛する妻・幸実と2人きりで、特製ギョーザ入りカレーを堪能する。幸せなひととき。
ふと我に返り、「普通の人生を送らせてあげられなくてごめん」と謝る元太に、精一杯の笑顔で応える幸実が眩しい。
「普通の人生なんてない。100人いたら、100通りの人生があるはず」
まさにその通りだ。
私たちは、誰かが言い出した「普通」なんていう、ありもしない基準に右往左往し続けている。
そんな幸実の精一杯の強がりに、再び微笑む元太。幸実のこの優しさが、元太を、そして家族を救ってきたことがわかる名シーンだ。
嵐の前の静けさ。
そんな言葉がしっくり来る。
この「静」なる時間が、やがて激しい「動」となりうねり始める。
一つになるもの、なれないもの
前回、絶体絶命の中、身体に異変が起こった赤石。これは進化の予兆か? と思って見ていたのだが、そんなことはなかったようで、一輝とバイスによって、あっさりと倒されてしまう。
ギフの力を得ることで数千年もの時を生きながらえてきた結末がこれである。
大二に対し「息子よ」と声をかけるも、「家族ごっこに付き合うつもりはない」と、バッサリ切り捨てられるシーンは見ものだ。子どもに受け入れられない父親の哀しさが光る。
そもそも実の親子ではないのだが、孤独というシンパシーによってさえ、一つ(家族)になれなかった赤石の絶望はどれほどのものか。
人間は他者に認められて初めて自らの存在価値を知ることができるものだ。
その存在を誰からも認められることなく、求められることもなく、たった一人で死んでいく虚しさというのは、想像を絶する。
また、一つになることができなかったのは、赤石と大二だけではない。
狩崎親子も、だ。
五十嵐元太と、新たなドライバー“デストリームドライバー”を仕上げたジョージ・狩崎の前に現れたのは、なんと、ベイルと狩崎真澄。
しかもベイルは、狩崎真澄が作り上げた“クリムゾンベイルバイスタンプ”を手にしていた。
バイスのローリングバイスタンプの色違い。これはまさかと思ったら、やっぱり(ほぼ)赤いジャックリバイスだった。
しかし、能力はジャックリバイスとは段違い。
クリムゾンベイル
身長:206.2cm
体重:92.9kg
パンチ力:77.1t /58.4t(ジャックリバイス)
キック力:154.8t /117.3t(ジャックリバイス)
ジャンプ力:89.5m(ひと跳び) /85.1m(ジャックリバイスのひと跳び)
走力:1.0秒(100m) /1.4秒(ジャックリバイス・100m)
必殺技:クリムゾンインパクト、ベイリングスタンピングフィニッシュ
対する五十嵐元太は、仮面ライダーベイルのカブトバイスタンプより見るからに強力そうなヘラクレスバイスタンプを使って変身する。
切腹をイメージしたという変身ポーズは、元太の覚悟を示しているのだろう。スピンオフ作品『仮面ライダーベイル』でも、ほぼ同様のポーズだったが、『ベイル』では最初の構えがない、もっとプリミティブなものだった。
そうして変身した新たなライダー・デストリームは、キックホッパーやパンチホッパーのような額の出っ張りがヘラクレスオオカブトのツノを模しており、さらに涙目のような複眼が同じくヘラクレスオオカブトの6本の脚を模している。
ひょっとしたら、自らが生み出してしまった悪魔ベイルとの戦いを嘆く涙の意味も込められているかもしれない。
仮面ライダーデストリーム
身長:205.9cm
体重:102.4kg
パンチ力:85.0t
キック力:167.0t
ジャンプ力:74.8m(ひと跳び)
走力:0.8秒(100m)
必殺技:デストリームフィニッシュ、デストリームノヴァ
クリムゾンベイルと比較すると、ジャンプ力以外の全ての能力において上回っている。
「これは私たちの戦いでもある」と、ジョージに宣戦布告した真澄だったが、技術的にはジョージの勝利、と考えて良さそうだ。しかし、本当に子は親を超えたのだろうか?
能力の差が勝敗を分けたのか、それとも覚悟の差だったのかはわからない。死闘を制したのは元太だった。
ベイルが消滅する刹那、元太はベイルの持っていたクリムゾンベイルバイスタンプにベイルを封じ込める。
真澄の作ったクリムゾンベイルバイスタンプは、単にベイルをパワーアップさせるための道具ではなかった。デモンズドライバーのようにベイルの依代となるアイテムだったのである。
なんとも回りくどいやり方に見えるが、そもそも弱っていたベイルが勝手に消滅してしまっては、元太の命も危うかったのだから、ベイルの生命は維持したまま、封印する方法しか残されていなかったのだろう。
ベイルの生命を維持するためにはパワーアップさせなければならないが、やりすぎてもいけない。
ジョージの作る新型ドライバーの性能を信じていたことは想像に難くないが、なおかつ、それを超えない程度を目指して調整したのではないだろうか。
ジョージの成長は目覚ましい。だが、それを超える深謀遠慮というものが、真澄からは感じられる。
ベイルを封印し、心の中で対話する二人。
ベイルを許し、再びひとつになる元太。
その横で、「私の戦いもこれで終わった・・・」とくず折れる真澄。
ジョージの悲痛な呼びかけだけが、岩船山に響き渡る。
ギフ、大地に立つ
呆然としている大二に、「いい男ってのは、どんな時でも自分を許せる男だぞ」と、声をかける元太。
その声に導かれるように、大二にそっと手を差し伸べる一輝とさくら。
やがて大二が、その手を掴もうとした途端に走る閃光。
ついにギフ降臨。
「こいつ、動くぞ!」とは誰も言わないが、悪魔ギフがついに大地を踏み締めた瞬間である。
これまでも、折に触れて、その圧倒的な力を見せつけてきたギフだが、こうして地上に降り立つのは初めて。
さて、どれほどの絶望を与えてくれるのだろう?
不謹慎ではあるが、楽しみである。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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