2022年3月20日放送『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』ドン3話「あかりどろぼう」(監督:中澤祥次郎 脚本:井上敏樹)
ついに5人が揃い踏みしたドンブラザーズ(劇中では、まだ正式にドンブラザーズと名乗ったワケではない)と、3人目の脳人が登場したドン3話の見どころを中心にレビュー。
多少のネタバレは含むものの、これから視聴する楽しみも奪わない程度に抑えているので、最後までおつきあいいただければ幸いである。
キャスト
今回のキャストをご紹介。本作初登場でウィキペディアに記載のある方についてはリンクを貼っておくのでチェックしていただきたい。
ちなみに、介人が手にしている文庫本の表紙に「全開」という文字が見えるところにこだわりを感じる。それにしても、「全開」から始まる本のタイトルとは何だろう。気になる・・・。
桃井タロウ/ドンモモタロウ
樋口幸平
猿原真一/サルブラザー
別府由来
鬼頭はるか/オニシスター
志田こはく
犬塚 翼/イヌブラザー
柊太朗
雉野つよし/キジブラザー
鈴木浩文
五色田介人
駒木根葵汰
ソノニ
宮崎あみさ
鬼頭ゆり子
三輪ひとみ
クロクマ
門下秀太郎
中年の女:三木美加子
若い男:橋本悟志
女性:新川千華
住人:黒木俊穂
サルブラザー
「教授」
それが彼の呼び名らしい。彼の名は、猿原真一。豊富な知識と深い洞察力を持っているところが「教授」たる所以のようだが、職にもつかず、金にも執着がない。その知識で困っている人たちを助け、お礼にもらったお裾分けで食い繋いでいるような、いわゆる変わり者だ。しかし、自然を愛し、人を愛し、人生をあるがままに受け入れる姿勢は、どこか粋でもある。
前回に引き続き披露された俳句は、「もう春か まだ春こぬか それが春」というもの。暖かくなったり、また寒さが戻ったりするこの時期には、なんともふさわしい。「こぬか」という一言に「春が来ない」という意味と「こぬか雨(春に降る霧雨のこと)」が掛け言葉となっているところもニクい。
そして、なんと言っても彼は、サルブラザーの変身者である。頭脳派の彼が、何故サルブラザーなどというパワーファイターに変身するのかは非常に興味深いところだ。パッと見、完全にゴリラだが、一応ニホンザルがモチーフらしい。おしりもしっかり赤い。かつて、おしりの赤いヒーローなんて存在したことがあるだろうか?
前回は、ほんのさわりの顔見せ程度だったが、今回は初の変身シーンを披露し、他の4人と合流もする。
しかし、これまでのスーパー戦隊とまるで違うのは、5人がいつも揃って行動するのではなく、ただ目の前に現れた脅威(ヒトツ鬼)を倒すためだけに共闘する、というところ。
もちろん、今はまだ変身前のリアルでの接点がほとんどないから、というだけで、今後は一緒に集まって行動するようになるのかもしれないが、5人それぞれに職を持っていることもあり、いつでも秘密基地に集まる、なんてことは現実的に考えたら無理だろう。猿原は無職だから可能かもしれないが、サラリーマンの雉野は「大事なアポがあるから・・・」みたいな理由で参加できないこともありそうだ。
単純にコロナ対策ということもあり得るが、本作は“アバター”を題材にしているだけあって、オンラインゲームで強敵を倒すために仲間を集めているような雰囲気もあり、これはこれで面白い。
快盗鬼
「クロクマ」と呼ばれる宅配業者を装った泥棒が世間を騒がせる。
このクロクマが盗むのは照明器具。まさに「あかりどろぼう」である。
その目的は「灯りを奪って、人々に闇を運ぶ」というもので、それがそのまま彼の欲望となっている。何故こんなことをしているのか、その理由は最後まで明らかにはされなかったが、猿原は「以前、配達中に嫌な目に遭ったことが原因で、家族団欒の象徴である灯りを盗んでいるのかもしれない」と推理する。
劇中では、宅配業者であるタロウが、居留守を使われたり、邪険に扱われたり、果ては理不尽な暴力を受けたりする場面を見せられるが、これは大袈裟だとしても、実際の宅配業者がさまざまな嫌な想いをしていることは事実の様子。このクロクマのように、逆恨みしたって、何の不思議もないのだ。
この欲望に駆られたクロクマが取り憑かれたのが「快盗鬼」。『ルパンレンジャー』をモチーフにしたヒトツ鬼である。
快盗鬼
身長:194cm
体重:233kg
スキン:アルセーヌマント
設定では、「華麗に舞いながら頭部のモノクル(片眼鏡のこと)に映った敵を攻撃する」とあるが、実際はドンモモタロウにボコられていただけ。途中、ダンボール箱をぶつけられたりもしていたので、なんだか華麗という表現が似つかわしくない。
そして、いつもならトドメを刺されたところで巨大化するのがデフォのはずだが、今回は後述するソノニに倒されてしまうことで存在自体が消滅してしまう。
この“脳人に倒されると消滅する”という設定はきっと重要なことで、本世界においては、ドンブラザーズがプレイヤーなら、脳人はプログラマーみたいなものなのだろうか? 謎は多いが、その答え合わせが楽しみでもある。
ソノニ
脳人の3人目、ソノニが登場。セクシーなお姉さんである。
誕生したヒトツ鬼を「かわいい」と表現するところは、なんでも「かわいい」か「かわいくない」で表現する今の若い子っぽいが、ヒトツ鬼とみれば容赦なく斬りかかるソノイなどとは、考え方に若干の違いがあるようだ。
武器は、剣としても使えるコンドルアローという弓で、快盗鬼に放ったドンモモタロウの必殺奥義モモタロ斬の一撃を難なく受け止めてしまうほどの戦闘力を持つ。最近は『仮面ライダーリバイス』もそうだったが、女性キャラもかなり強い。
この必殺技だが、お供たちが大きなギアを回して舞台を立ち上げるところは、冗談みたいな雰囲気が漂うものの、お供たちが援護射撃をする中、光を帯びたザングラソードの切っ先だけが暗闇を切り裂く演出はかなりカッコいい。
快盗鬼を射抜くと、クロクマはそのまま消滅。ルパンレンジャーのギアをドロップするが、いつもとは違い、喫茶どんぶらにいた介人の手元にコロンと落ちる。ギアを集めているはずの介人からすれば、現場に出張らずともギアが手に入ったのだから、めでたしなのかと思ったが、「これは・・・よくないな」と一言。こういった設定にも、何かしら隠されているのかもしれない。
一方、ドンモモタロウは「クロクマの罪が重いとはいえ、勝手に消すとは許さん!」と怒りに燃えて斬りかかるが、軽くあしらわれてしまう。
ラストでは、ついに出逢った桃井タロウに忠誠を誓うはるかだったが、これまで通り足蹴にされておしまい。ソノイ、ソノザ、ドンモモタロウという3段落ちの完成である。
今回は、サブキャラとしてはるかが同居する叔母のゆり子も登場した。おばさんというには若すぎる気もするが、現役の刑事ということでこれからどのようにストーリーに絡んでくるのか、雉野の妻・みほと並んで楽しみである。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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