2022年12月4日放送『仮面ライダーギーツ』第13話「謀略Ⅳ:ドライバーを奪還せよ!」(監督:坂本浩一 脚本:高橋悠也)をレビュー
ギーツをどうにかして排除しようと躍起になるデザイアグランプリ運営を描く「謀略」シリーズも第4話。
物語も一気に盛り上がってきたが、今回はそれよりも、ドライバーを奪われたことで繰り広げられる素面アクションが見どころだ。
坂本監督らしいアクションシーンが堪能できる。
ネタバレも含むが、最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは第13話のキャストをご紹介。
本作初登場でウィキペディアに記載のある方についてはリンクを貼っておくので、他にどういった作品に参加されているかなど、ご興味があれば是非チェックしていただきたい。
浮世英寿/仮面ライダーギーツ
簡 秀吉
桜井景和/仮面ライダータイクーン
佐藤瑠雅
鞍馬袮音/仮面ライダーナーゴ
星乃夢奈
吾妻道長
杢代和人
ツムリ
青島 心
晴家ウィン/仮面ライダーパンクジャック
崎山つばさ
桜井沙羅
志田音々
鞍馬光聖
笠原紳司
アルキメデル
春海四方
ニラム
北村 諒
サマス
安田聖愛
福岡福男
ミスターちん
ベン※画面左
マイケル・K
ジョン※画面右
トム・コンスタンタイン
赤帽少女
佐原杏奈
ギロリ
忍成修吾
ゲームマスターの思惑
「これまで何度も世界を救ってきた俺を、何故ゲームマスターは排除しようとしている?」
そんな疑問を抱く英寿。
デザイアグランプリが運営の言う通り「ジャマトから世界を守る戦い」であり、その勝者が「理想の世界を叶えることができる」のは命がけで世界を守ったことの代償だとすれば、一人の参加者が勝ち続けようが、何を望もうが目くじらを立てる必要はなさそうだ。
そんなことよりもジャマトをいかにして殲滅するかが重要だろう。
しかし、どうやら運営の本音は違うようだ。
明らかに公正さを欠いていると疑問をぶつけるツムリに対し、「デザイアグランプリを存続させるためだ」と口にするゲームマスター。
まだまだ謎だらけで、その目的はわからないが、とにかくデザイアグランプリを続けることを目的としているらしい。つまり、ジャマトを殲滅する気はさらさら無いということだろう。
さらに、英寿が負ければデザイアグランプリの記憶を消すことができる。それこそがゲームマスターの狙いらしい。
そうして新たなゲームが仕掛けられる。
赤い帽子を被った謎の少女が、デザイアグランプリ参加者たちの前に次々と現れる。すると、まるで魔法のようにデザイアドライバーが消えてしまう。運営側の崎山つばさも例外ではない。
全員のドライバーが奪われた状態で始まったのは、椅子取りゲーム。
ここで言う椅子とは、デザイアドライバーのこと。現在、5人の参加者がいるわけだが、既に1本のドライバーはポーンジャマトがジャマトライダーに変身するのに使ってしまったので、残るドライバーはあと4本。エリア内に潜伏する“かくれんぼジャマト(正式名称はビショップジャマト)”を倒す前にドライバーを手に入れた4人が勝ち抜けできる。
真っ先にドライバーを奪還することに成功したのは、鞍馬袮音と桜井景和の二人。
袮音は人気インフルエンサーという立場を使って動画配信で赤い帽子の女の子の目撃情報を集め、景和は姉・沙羅の目撃談を基にドライバーを奪還することに成功する。
アルキメデルの思惑
前々回から登場した新キャラ・アルキメデル。
彼はジャマトを育て、研究している様子だ。
植物園のような場所で、木々の枝からたわわに実った果実のように無数のジャマトが垂れ下がる様子は、かなり気味が悪い。
そんな彼の元に、ゲームマスターから1本の電話が入る。
ゲームマスターと名乗るからには、当然、このゲーム内で起こり得る全ての事象について知り尽くしていて当然だ。
それなのに、ジャマトがドライバーを使ってライダーに変身するという予期せぬことが起こっている。
それが腹立たしくて仕方ないのだろう。電話口で珍しく声を荒げるギロリ。
一方のアルキメデルは、悪びれる様子もなく、「進化した個体もある」と涼しい顔でその言葉を受け流している。
ちなみに、本作『ギーツ』に登場するデザイアグランプリの運営として登場するキャラの名前を見ていると、後述する新キャラを含めても、このアルキメデルだけが異端である。
他は全て目に関する言葉が名前になっている(ツムリ=目を瞑る、ギロリ=ギロリと睨みつける等)のに、アルキメデルだけは異なる(アルキ目デルでは無いはず)。
研究者というポジションも、ライダーシリーズでは重要な役どころであることが多いため、このアルキメデルが今後の戦いにおいて、かなり注目度が高いことは間違いないだろう。
新キャラの思惑
今回から登場した新キャラが、ニラム(睨む)とサマス(目を覚ます)の二人。
社長と秘書(部下?)のような関係に見えるが、どことなく『ゼロワン』の天津 垓と刃 唯阿を彷彿とさせるのは、本作のメインライターである高橋悠也さんが『ゼロワン』でもメインライターであったことが頭の片隅にあるから、なのかも知れない。
ゲームマスターの思惑によって窮地を迎えた浮世英寿に、新たなバックル「コマンドツインバックル」を提供。サマスが英寿に接近し、「支援したい」と言っていたのは、こういうことだろう。
具体的な立場は不明だが、ゲームマスターに正面切ってモノを言える存在であることは確か。彼の思惑もまた、今後の戦いに彩りを与えてくれることだろう。
ところで、このニラムが提供したコマンドツインバックルによって、ギーツは新たな姿を手に入れる。
それがレイジングフォーム。
頭部にコマンドグラスと呼ばれるゴーグルが装着されただけのシンプルなフォームだが、キモとなるのは手にした剣である。そこにはコマンドツインバックルの片割れがセットされているが、何故か外すことができない。
まるでイチロー選手のような構えの後、襲い来るジャマトたちを連続で切り刻むギーツ。スピード感あふれる立ち回りが最高だ。
そうして敵を倒していくと、剣にセットされたツインバックルの片割れが輝き、ようやく取り外すことができるようになる。エネルギーをチャージしていく仕様のようだ。
それをドライバーにセットすることで、もう一つの新フォーム・コマンドフォームキャノンモードへと変身。
両肩のキャノン砲でジャマトライダーを撃ち砕く。ワイヤーを使ったアクションといい、その見た目といい、『フォーゼ』のマグネットステイツを思い出すが、デザインとしてはこちらの方が遥かにスマートでカッコいい。
崎山つばさの思惑
「次でギーツを退場させろ」とゲームマスターから指示を受けた崎山つばさは、景和と袮音がデザイアドライバーを奪還し、さらに英寿が新たなバックルの力でジャマトライダーを圧倒する様子を目にして気が気でない吾妻道長に、「ドライバーを手に入れる方法はある」と焚きつける。
これまでであれば、そんな誘いには決して乗らず、己の力だけを信じて突き進む道長だったはずだが、焦りが大きかったのか、つばさの言葉に従い、英寿が倒したジャマトライダーのドライバーを横から掻っ攫ってしまう。
いつも通り、涼しい顔を崩さない英寿だが、内心穏やかでは無いはずだ。
残りの椅子はあと1つ。
だが、赤い帽子の少女によって奪われた2本のドライバーは、2体のジャマトが手にしていた。
二人のジャマトライダーを相手に、最後の椅子を手にするのは、英寿か、それともつばさか。
それともう一つ。
袮音の父・光聖もまたデザイアグランプリを知る一人のようだ。彼がどんな立場なのか、今後の展開にどう絡んでくるのか要注目である。
いよいよ盛り上がってきた『ギーツ』。次回はギロリ自らが牙を剥く様子。第1クールの終盤戦に向けて、そして本作のメインライターである高橋悠也さんが手がけた『仮面ライダーエグゼイド』で話題となったクリスマス回(今年は12月25日が放送日)も近づいている。第2クールに向けて、どんなタスキリレーが行われるのか、興味は尽きない。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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