紛れ込んだスパイ|『仮面ライダーギーツ』第17話感想

雷堂

2023年1月8日放送『仮面ライダーギーツ』第17話「乖離Ⅰ:ようこそ!新しいシーズンへ!」(監督:中澤祥次郎 脚本:高橋悠也)をレビュー

ゲームマスター・ギロリの資格剥奪という衝撃的な終わりを迎えたデザイアグランプリが新展開を見せる。

ネタバレも含むが、最後までおつきあいいただければ幸いだ。

※本記事で使用している画像は、引用元の記載のないものを除く全てを『仮面ライダーギーツ』より引用している。

目次

新装開店

ついに明かされたデザイアグランプリの真実の一端。それは、観客もスポンサーも存在するエンターテインメント(リアリティライダーショー)であったことである。恋愛リアリティーショーと銘打たれた『テラスハウス』などを思い浮かべるが、こちらは命懸けの戦いを見せるということで、本気度はまるで違う。ローマ時代のコロッセオのような雰囲気に近いのかもしれない。

これが明かされた途端にショーの雰囲気がまるで変わるのには違和感もあるけれど、ライブ配信のYouTubeを見ているような気分になる。これがニコニコ動画なら、“88888・・・”という弾幕が踊っていたはずだ。

参加者はいつもの3人に、2人のニューカマーが加わる。

浮世英寿/仮面ライダーギーツ

簡 秀吉

桜井景和/仮面ライダータイクーン

佐藤瑠雅

鞍馬袮音/仮面ライダーナーゴ

星乃夢奈

五十鈴大智/仮面ライダーナッジスパロウ

後藤 大

我那覇 冴/仮面ライダーロポ

小貫莉奈

ナッジスパロウはスズメ、ロポは狼のライダーである。昔、シートンの著書に『オオカミ王ロボ』というのがあったことを思い出すが、ロポ? 何か意味があるのだろうか?

そして、ギロリの後釜として、新たなゲームマスターが姿を現す。

チラミ

山崎樹範

こちらは普通に顔出しでの登場。お笑い番組などでよく描かれていた、ステレオタイプなTVプロデューサーみたいな感じである。キャラの濃さが頭抜けている。

ちなみにゲームナビゲーターは、これまでと変わりなくツムリである。

ツムリ

青島 心

さて、今回のゲームは「学園ゲーム」という謎のゲームである。

学校にたむろする不良ジャマトたち

わかりやすくヤンキーっぽい出立ちのジャマトたちが待ち受ける学校の中から校長ジャマトを見つけ出し、倒した者が勝利となる。みんな学生服なので、流行りの『東京リベンジャーズ』ではなく、『ビーバップハイスクール』とか『スクールウォーズ』といった古の作品が頭をよぎる。

冬映画に登場したパワードビルダーバックルが早速登場したのも興味深い。それを手にした英寿によって校長ジャマトは粉砕されてしまうが、いつもと様子が違う。

パワードビルダーブーストフォーム

というのも、これまでの戦いでは、目標を達成、もしくはボスを倒した者が勝利となっていたが、今回は観客の支持率によって判断される模様だ。そのため、隠しミッションに気づいた五十鈴と、学校で校長ジャマトの居場所を校長室だといち早く特定した我那覇が、なんと英寿よりも高い支持を集めていた。

ゲーム後の支持率

結果ではなく、過程も評価されるというのは、サッカーなどに近いかもしれない。エースストライカーだけが主役になれるわけではない、というのは少々面倒臭い気もするが、考えようによっては下克上ができるということでもある。戦闘力だけで見れば英寿の一人勝ちなのだろうが、そこまで戦闘に慣れていない他のメンバーにも平等にチャンスが与えられた新ルールと言って良いのではなかろうか。

スパイは誰だ?

今回のキモは、なんと言っても5人の参加者の中に紛れ込んだ“デザスター”と呼ばれるスパイが誰か? といったところだろう。少なくとも、わざわざババ抜きで手元に残ったジョーカーが映し出された景和ではないはずだ。あからさまに過ぎる。

桜井沙羅

志田音々

景和たちの願いをズバリと言い当てた五十鈴大智も露骨に怪しく見えてしまうが、個人的な予想は我那覇 冴だ。

何故なら狼のライダーだから。というのも、本作のデザイアグランプリでは、世の中に存在するさまざまなゲームをアレンジして、それをもってライダー同士で競わせている。そして今回のゲームでは、共同生活を送るライダーたちの中に紛れ込んだデザスターを探し出さなくてはならないというルールが敷かれている。これは「人狼ゲーム」に近い。

ご存知ない方のために説明すると、「人狼ゲーム」とは、とある村の中に紛れ込んだ人狼を会話と推理で暴き出すゲームである。人狼とは、昼間は普通の村人だが、夜になると狼となり、村人を1人食い殺してしまうという恐ろしい存在。村人たちは、その恐怖から逃れるため、1日に1人を処刑できるのだが、頼れるのは各人が語る情報のみ。しかし、その中には人狼も潜んでいるため、情報自体が正しいかどうかは不明だ。おまけに、人狼を見破ることのできる“占い師”や、人狼の味方をする“狂人”などといった特殊な役割を加えることで、さらにゲームの難易度は跳ね上がっていく。人狼を見破るのが先か、村が全滅(人狼と村人の人数が一致したら、人狼の勝ちとなる)するのが先かを競うというのがざっくりとした内容である。

本作では、最終戦までデザスターがバレなかった場合、逆転してデザ神になれるというルールとなっている。この逆転というところに着目すれば、今回、観客の支持をほとんど得られなかった景和が、先述したジョーカーの件と併せて、いかにもそれっぽいということにはなるのだが、次回予告で景和が疑われているところを見れば、まず違うだろう。

今のところ、我那覇は取り立てて怪しい動きはしていないようにも見えるが、この普通っぽいところが怪しいとも言えるし、単純に狼のライダーであることは人狼を意識しているのではないか? という程度の推理でもある。こんなどうでもいい予想を信じるか信じないかは、あなた次第だ。

世界のコトワリ

前回、袮音の告発によりギロリをゲームマスターの地位から引き摺り下ろしたプロデューサーのニラムと、その秘書(?)サマスもまた、英寿を危険視し始めていた。

ニラム

北村 諒

サマス

安田聖愛

その理由は、英寿が語った母の名が「ミツメ」だったためだ。物語の根幹となる情報のため、詳しいことは今のところ全くわからないが、ニラムはそれを「ありえないこと」だと言う。しかし、それが真実だとするならば、英寿は世界のコトワリを脅かす存在なのだとか。

前回のラストで登場し、今回は「英寿のサポーター」と称して英寿の前に姿を見せたジーンもまた何事かを知っているようなそぶりだし、浮世英寿という人は、その存在自体が特別のようだ。

ジーン

鈴木 福

もう一方、ジャマトサイドでも大きな動きがあった。

まずは息も絶え絶えだった道長が復活。

吾妻道長

杢代和人

その道長の目の前で、アルキメデルに寵愛され“ルーク”と呼ばれていた個体が、なんと人の姿になってしまったのだ。しかもその姿は、第1話で瞬殺された豪徳寺 武そのもの。『獣電戦隊キョウリュウジャー』を経て登場した、いわゆるレジェンド枠での参加だったにも関わらず、たった1話だけの登場とは東映の無茶振りに翻弄されてしまったな、と思っていたが、どうやらそうではなかったらしい。

アルキメデル

春海四方

豪徳寺 武

金城大和

第1話とまるで同じセリフを口にし、ニヤリと微笑む姿が不気味だ。次回以降、どのように物語に絡んでくるのか、そしていつまで絡み続けるのかにも注目である。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

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