2021年6月27日放送『仮面ライダーセイバー』第41章「二千年、綴られた願い。」(監督:石田秀範 脚本:長谷川圭一)
物語の根幹である「はじまりの5人」の物語がついに明らかにされる。第41章をレビュー。
最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは第41章のキャストをご紹介する。
神山飛羽真/仮面ライダーセイバー:内藤秀一郎
新堂倫太郎:山口貴也
須藤芽依:川津明日香
富加宮賢人:青木 瞭
尾上 亮/仮面ライダーバスター:生島勇輝
緋道 蓮:富樫慧士
大秦寺哲雄/仮面ライダースラッシュ:岡 宏明
ユーリ:市川知宏
ストリウス:古屋呂敏
レジエル:高野海琉
ズオス:才川コージ
マスターロゴス:相馬圭祐
デザストの声:内山昂輝
カリュブディスの声:岩崎諒太
ルナ:岡本望来
尾上そら:番家天嵩
タッセル:レ・ロマネスクTOBI
ソフィア:知念里奈
はじまりの5人の物語
飛羽真たちの前に姿を現したタッセル(本作のストーリーテラーで、本名はヴィクトール)が語る2,000年前の真実。
タッセル、初代マスターロゴスとなる男(名前は不明)、ストリウス、レジエル、ズオス。彼らが本編で以前語られた”はじまりの5人”。
彼らが求めたのは”知識の源”。天の啓示、文明の礎。そういったフワッとした何かを求めて世界を旅していたらしい。
それを探すことで、世界をもっと豊かにしたい、と考えていたようだ。
「より良い世界をつくりたい」と、夢を語り合う5人は、眩しいほど輝いていた。
長い旅を続ける中でタッセルが出会ったのが一人の女性(姿はソフィア)。
彼女に出会えたことで、タッセルは”全知全能の書”を手にする。
そこに触れた時、ワンダーワールドという知識の源が生まれたのだという。
しかし、ストリウス、レジエル、ズオスの3人はその力に魅せられ、”全知全能の書”の一部を奪い、それを取り込み、”メギド”になってしまう。
大いなる力をめぐる争いがはじまる。それに胸を痛めた彼女は、自らを犠牲にして”全知全能の書”をバラバラにするが、それでも争いは止まらない。
そこで、タッセルと初代マスターロゴスの二人は、残された”全知全能の書”を二分割し、世界の均衡を保とうとしたのだとか。
初代マスターロゴスは、こちら側の世界で。
タッセルはワンダーワールドで。
ちなみにワンダーワールドに最初に踏み込んだタッセルは、ワンダーワールドそのものとなってしまったのか、こちら側の世界を見ることはできても直接干渉することはできない・・・ということを、こちら側の世界の飛羽真たちに伝えている時点で、十分干渉していると言えると思うのだが。
なんだかイマイチしっくり来ない部分もあるが、これでようやく物語の根幹が明かされたわけである。
デザスト
消滅したレジエル、ズオス、マスターロゴスが所有していた”全知全能の書”の一部である本を手に入れたストリウス。
これらに自らの持つ本を加えると、はじまりの5人が分割してしまった”全知全能の書”の4冊が揃ったことになる。
あと1冊。タッセルの持つ本を手に入れれば、”全知全能の書”が復活する。
ビンゴで言えば「リーチ」。麻雀で言っても「リーチ」。
大いなる力にもう少しで手が届く状態のストリウスに立ち塞がるのは、飛羽真たちではなく、何とデザスト。
ストリウスによって生み出された存在であるデザストは、先代炎の剣士・上條大地から、自らを束縛していた本を奪い取ったことで、手に入れた自由を満喫するためには、世界を滅ぼされてはたまらないと、ストリウスに挑みかかる。
手には2本の剣。
1本は自らが元々所持していた剣。トゲトゲが目につく禍々しいもの。
そしてもう1本は、まさかの聖剣。以前、さらっと姿を消した仮面ライダーファルシオンの「無銘剣虚無(ムメイケン・キョム)」だ。
なんの躊躇いもなくファルシオンに変身するデザスト。
え。聖剣て、変身者を選ばないの? と、一瞬疑問は湧くけれど、猫背なのがちょっとかわいい。
ストリウスと互角の戦いを見せるが、途中、ストリウスに召喚されたカリュブディスに不意をつかれて半身を食われてしまい、その際、デザストのコアとも呼べる本の一部を損傷してしまう。
デザストが何度でも甦ることは、以前、尾上も語っていたが、それはこの本の力によるもの。
損傷した本では、デザストの修復機能もこれまで通りとはいかないのだろう。
本章ラストで覚悟を決めたように見えるデザストは、蓮に「本気でかかってこい。でなけりゃ先代・風の剣士と同じことになるぞ」と挑発。
蓮の師匠を倒したのは、デザストだということだろうか? 次週はそういった因縁にも触れてくれそうな雰囲気ではある。
豹変のストリウス
前回、クロスセイバーにボコられ、弱りきったマスターロゴスにとどめを刺したストリウスだが、そこからの豹変ぶりが凄い。
コスチュームとメイクが変わっただけではない。
これまでは常にクールな雰囲気を崩さなかったが、いきなりデスボイスとか、いったい何があったのか心配になるほどの変わりよう。『ドラえもん』の出来杉くんが、マキシマム・ザ・ホルモンのメンバーになったくらいの衝撃だ。
「物語は結末があるから美しい」という持論は、わからなくはない。なんとなく『仮面ライダーオーズ』に登場したドクター真木を彷彿とさせるが、彷彿とさせるだけで、同じことを言っているわけではない。
人の”死に際”に興奮するといったサイコパスっぷりは、理解はできないけれど、キャラとしては、突き抜けていて面白いと思う。俄然、悪役としての風格が出てきた。
それと、今回の流れからすると、心配していた「死んだ人たち(レジエル、ズオス、マスターロゴス)があっさり生き返る」という展開がなさそうなのにはホッとした。
「人を殺さない」ことを子供たちに見せることも大切だが、「人は死んだら蘇らない」ことを見せることも同じくらい大切だと思うからだ。
『ドラゴンボール』は面白かったが、『ドラゴンボール』みたいな展開がいつも面白いわけではない。ハッピーエンドは良いと思うけれど。
しかし、ここに来て盛り上がりを見せてきた感のある『セイバー』。
ルナに選ばれた飛羽魔は、タッセル同様、この世界から消えてしまう運命を仲間たちと変えて見せると意気込んでいるが、次回予告でタッセルがストリウスに殺されてしまいそうにもなっているし、まだまだ暗雲が立ち込めているようだ。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
\ 僕と握手! /