2021年7月4日放送『仮面ライダーセイバー』第42章「はじまる、美しい終わり。」(監督:上堀内佳寿也 脚本:福田卓郎)
全知全能の力を手に入れようとするストリウスの魔の手がタッセルに迫る。
第42章をレビュー。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは第42章のキャストをご紹介する。
神山飛羽真/仮面ライダーセイバー:内藤秀一郎
新堂倫太郎:山口貴也
須藤芽依:川津明日香
富加宮賢人:青木 瞭
尾上 亮:生島勇輝
緋道 蓮/仮面ライダー剣斬:富樫慧士
大秦寺哲雄:岡 宏明
ユーリ:市川知宏
ストリウス:古屋呂敏
デザストの声:内山昂輝
ルナ:岡本望来
タッセル:レ・ロマネスクTOBI
ソフィア:知念里奈
消えるタッセル
カリュブディスの力で世界と世界の境界線に穴を開け、ワンダーワールドに乗り込んできたストリウスは、タッセルに襲いかかる。
目的はタッセルの持つ全知全能の書の一部。
これを奪ってしまえば、全知全能の書の力がストリウスの物となってしまうのだが、タッセルにストリウスと争う気持ちはまるでない様子。
傷だらけになりながらも、ひたすら言葉で説得を試みるタッセルだが、ストリウスは容赦がない。
こんなセリフはもちろんないが、なんとなく『ジョジョの奇妙な冒険』第二部のストレイツォのセリフが頭をよぎったので、落書きしてみたら、割と雰囲気が似ているような気も・・・。
タッセルは、「世界のため、共に”大いなる力”を探し求めた2000年前のことを思い出して欲しい」と情にも訴えるが、やはり無理。
最後は腹を刺し貫かれてシャボン玉となり消えてしまう。
本作のストーリーテラーだったはずなのに、こうもあっさりと。主要キャラがあっさりと命を落とすところは、富野由悠季さんの『ザンボット3』や『イデオン』などを彷彿とさせる。
タモリさんのポジションには程遠かったのだろうが、世にも奇妙な物語だ。
消えるデザスト
前章で、カリュブディスに半身を食われた際、コアとなる本を損傷させられてしまったデザストは、不死の身体ではなくなってしまった模様。
それをひた隠して、蓮を挑発し、剣を交えるデザスト。
何かを伝えたいのか、それともどうせ消滅するなら、蓮にトドメを刺されたいと願ったのか。
しかし、そんなデザストの状況も、心情もわからぬ蓮は、「お前は死なないから、戦う理由とか、生きる意味を考える必要がない。仲間もいないしな」と言い放つ。
「仲間とか、意味がなけりゃ生きてちゃダメなのか?」と問いかけるデザストがやけに哀しい。
そうして、蓮が固執する飛羽真に「お前が邪魔だ」と襲いかかる。
ただの”嫉妬”だ。
その場に居合わせたストリウスは、デザストは意味なく生まれ、意味なく消えていくただのメギドと罵る。
しかし飛羽真は、蓮のことを気にかけるデザストを見て、「お前にも感情がある。蓮と似ている」と人間のように扱う。
まるで厨二病のように、己の感情を持て余すデザストは、ヤケになって飛羽真に技を繰り出すが、カウンターを受け、負傷。再生能力がなくなってしまったことが、飛羽真にも、蓮にもバレてしまう。
次週はついに、蓮とデザストのエピソードに大きな進展がありそうだが、現代人がよく口にする「生きる意味」について考えさせられる、素晴らしい回であったと思う。
「つまらない」という評判も聞こえてくる『セイバー』だが、ヒーローとしてのツボは外しっぱなしではないのだ。
消えるルナ
前章のラストで、タッセルの前から姿を消したルナ。
15年もの長い間、もう一度会いたいと願っていた飛羽真だったが、ワンダーワールドそのものであるルナが飛羽真と一緒の時を過ごすためには、飛羽真をワンダーワールドに閉じ込めることになると知ったから、のようだ。
気を遣ったとはいえ、結果的には良かったのかもしれない。タッセルの持つ全知全能の書の力を奪いにきたストリウスと鉢合わせずに済んだからだ。
行くあてもなく、世界を彷徨い続けるルナは、偶然、須藤芽依に出会う。
このまま飛羽真と再会を果たすかと思われたルナだったが、芽依の隙をついて、また姿を消してしまう。
この物語の結末はどこへ向かっているのだろう。
ついに全知全能の書の力を集めたストリウスの次の手は?
そして、以前、生命を生み出す秘術によって創られたと思われる謎の女性の正体は?
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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