2020年10月25日放送『仮面ライダーセイバー』第8章「封印されしは、アーサー。」(監督:石田秀範 脚本:長谷川圭一)
強大な力「キングオブアーサー」を使いこなそうと空回りする飛羽真をかばい、石にされてしまう尾上。その尾上を救うために戦う仲間たちの姿を描く。
最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは第8章のキャストをご紹介する。
本作初登場でウィキペディアに記載のある方はリンクを貼っておくので、是非、他の参加作品などもチェックしていただきたい。
神山飛羽真/仮面ライダーセイバー:内藤秀一郎
新堂倫太郎/仮面ライダーブレイズ:山口貴也
須藤芽依:川津明日香
富加宮賢人/仮面ライダーエスパーダ:青木 瞭
尾上 亮/仮面ライダーバスター:生島勇輝
緋道 蓮/仮面ライダー剣斬:富樫慧士
大秦寺哲雄:岡 宏明
ストリウス:古屋呂敏
レジエル:高野海琉
ズオスの声:才川コージ
尾上そら:番家天嵩
デザストの声:内山昂輝
メデューサメギドの声:斉藤貴美子
タッセル:レ・ロマネスクTOBI
ソフィア:知念里奈
3カ所同時テロの意味
前回、3カ所同時に街が本にされるという事態になったわけだが、その理由はギリシア神話に基づく。
今回の敵・メデューサメギドの元になった「メデューサ」は、ゴルゴーン三姉妹の一人とされている。
神話ではステンノー、エウリュアレー、メデューサという三姉妹だった。
『セイバー』では三人とも「メデューサメギド」で統一されているが、それはそうだろう。
「ステンノーメギド」なんて名前を聞いて、ピンと来る人の方が少ないだろうから。
いずれにしても、前回一人倒されているので、あと二人。
見た目は一緒。声音で差別化。
声優さんの腕の見せ所である。
番宣??
途中、『仮面ライダー鎧武』でおなじみの、あの二人組が、何の脈絡もなく登場する。
別に名乗るわけでもなく、いきなりメデューサメギドに石にされ、最後は元に戻って去っていくという、ただそれだけの出演。
TTFC(東映特撮ファンクラブ)で、『仮面ライダーグリドンVS仮面ライダーブラーボ』を配信するタイミングと重なるため、単なる番宣に近いものだと思うが、なんともわかりづらい。
と言っても、これはバカにしているわけではなく、褒め言葉。
この二人にはこのくらい、ちょっと意味不明な登場の仕方が”らしく”て良いと思う。
まさかの巨大ロボ(?)
冒頭から、ワンダーライドブック「キングオブアーサー」の真の力が引き出せないと悩む飛羽真だったが、仲間たちを信じて戦う中で、その真の力が発動する。
まさかの巨大ロボ。
これだけでも相当萎えるのに、さらにはセイバーを剣として振るうというとんでもない展開が待っていた。
これ、笑うところなんだよね? 笑えないけど。
コイツに斬られるためだけに、唐突に巨大化したメデューサメギドが不憫である。
『ゼロワン』でもそうだったが、子供ウケを狙ってなのか、仮面ライダーなのに巨大ロボ出し過ぎである。スーパー戦隊に任せておいちゃダメなのか?
ちょっとだけ腑に落ちる展開
前章のレビューにも書いたが、物語序盤なのに、「アーサー王」「エクスカリバー」「アヴァロン」など、ファンタジーとしては重要そうなキーワードを惜しげもなく出してきた『仮面ライダーセイバー』。
このペースで1年も持つのか? と、不安に駆られたのだが、今回の展開を見て、ちょっとだけ腑に落ちた。
自分が強くなることばかり考えていた飛羽真が、ふと、自分には既に心強い仲間たちがいることに気づく。
自分一人で世界を救うことは難しくとも、仲間たちと一緒に世界を救うことならできそうだとも気づく。
それらの気づきを序盤で明らかにすることで、『セイバー』はチーム戦であることを強調する。
立場の違うライダー同士が、一つの目的のために共闘することが多い中で、同じチームの一員として敵に立ち向かう姿は『仮面ライダー響鬼』に通ずるところがある。
この立ち位置を明らかにするためには、確かに早い段階でわかりやすく宣言する必要があったのだろうし、「円卓の騎士」といった伝わりやすい言葉を使う前提としても、「アーサー王」というキーワードが重要だったのだろう。
そもそも、エンディングの冒頭で3人の剣士が剣を合わせるシーンからも、「一人はみんなのために」というデュマの「三銃士」の影響はゼロではないはずで、こういったチーム戦重視の姿勢を、今後は、より強く押し出していくのだろうと思う。
ただし、巨大ロボ的なキングオブアーサーは「いらない」と思うし、チーム戦が行きすぎると、スーパー戦隊みたいになってしまうので、さじ加減は大切だが、この物語がどんな結末を迎えるのか? 今から興味津々ではある。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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