『仮面ライダージオウ』のスピンオフ作品『RIDER TIME 仮面ライダーシノビ』をレビューする。
その名のとおり、忍者をモチーフにした仮面ライダーである。
忍者と聞くと、闇に隠れて生きる、シリアスな設定を想像する方もいらっしゃるだろうが、かなりコメディタッチである。
別記事でレビューした、同じく『ジオウ』のスピンオフ作品『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』のようなシリアスさは微塵もない。
正体は明かしていないが、忍法を使って戦うこと以外に忍者らしさは感じられず、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』の「忍ぶどころか、暴れるぜ!」にも通じる開き直り感がある。
それもそのはず(?)。主演の多和田任益(タワダヒデヤ)さんは、『ニンニンジャー』のスターニンジャー役の人だ。あえてこういうキャスティングをするのが面白い。わかる人にはわかる、という、こういうネタは大好きだ。
全3話で約50分ほど。作風も含めて、かなり気軽に視聴できる。現在はTTFC(東映特撮ファンクラブ)、TELASA(テラサ)で視聴できるので、これを読んで気になったなら観て欲しい。
最後までおつきあいいただければ幸いだ。
ストーリー
2022年の近未来。
環境破壊の進む地球を守るため、炎や風、水といった自然エネルギーを生み出す忍者に注目が集まる中、日本政府は「忍者法」を交付し、全国民に忍術の修行を義務付ける。そうして世の中は忍者社会となった・・・というトンデモストーリー。
主人公の神蔵蓮太郎(カグラレンタロウ/演:多和田任益)は、普段は安月給のポンコツサラリーマンだが、その正体は伝説の忍者・仮面ライダーシノビであるという、『特命係長 只野仁』的な設定だ。フンフンフンフン・・・。
共に暮らす紅芭(イロハ/演:華村あすか)という17歳の妹は、実は虹蛇(ニジノヘビ)という闇の忍者集団の姫君。しかし、そのことは本人も気づいていない。
紅芭は、ピンチになるといつも助けに来てくれるシノビに恋焦がれているが、その正体が、まさか蓮太郎だとは思っていない。
そんな紅芭に想いを寄せるのが、大企業「今生カンパニー」の御曹司・今生勇道(キンジョウイサミチ)。蓮太郎とは幼馴染みで、あだ名は「イッチー」。その正体は、仮面ライダーハッタリだが、シノビの正体が蓮太郎だとは気づいていない。
ある日、今生カンパニー主催の忍術大会に出場した紅芭の前に、虹蛇の闇忍が現れる。シノビとハッタリは、紅芭を救うことができるのか?
徹底的にコメディ
シノビとハッタリは、瓢箪型のアイテムを所持している(シノビは銀、ハッタリは金)。この瓢箪の中の液体(?)を腰のあたりにこぼすことで、ドライバーが出現する。そこに「メンキョカイデンプレート」をセットすることで変身する。
そして変身後のライダーの造形も決して悪くない。
変身時の音声も話題になる仮面ライダーシリーズだが、今回は以下のとおり。
仮面ライダーシノビ:「誰じゃ?俺じゃ?忍者!シノービ!見・参!『忍(シノビ)』と書いて、『刃(ヤイバ)』の『心』!仮面ライダーシノビ!!」
仮面ライダーハッタリ:「踏んだり!蹴ったり!ハッタリ!仮面ライダーハッターリ!お前を片腕5秒で倒す!ハッタリじゃなくて、マジでな」
さらに、3つあるエピソードは、「FIRST 忍POW、NEXT 忍POW、LAST 忍POW」と銘打たれており、それぞれのタイトルにも「ハッタリの恋はイッポウ通行の巻」「闇忍の暗殺忍ポウの巻」「八ポウ塞がり 危機一髪の巻」と、必ず”ポウ”という言葉が含まれている。次回予告でも、マイケルジャクソンばりにハイテンションの「ポウ!」を聞くことができる。
このように、全体の雰囲気としては、仮面ライダーというよりも、かなりスーパー戦隊寄りである。孤独な戦士という意味合いにおいては、仮面ライダーの系譜ではあるが、作品のノリそのものの対象年齢が低いのだ。
そのため、大人が見ても楽しめるか? と聞かれたら、結構微妙である。
その代わりに、子供たちなら普通に楽しめるだろうし、子供と一緒に見られる作品を探しているなら、全然アリだ。目を覆うような残酷なシーンも無いし。
本作を視聴するには、Blu-rayなどでも楽しめるが、正直、ここまで出す必要はないと思う↓
むしろ、冒頭で紹介したとおり、TTFCやTELASAといった動画配信を利用した方がずっと手軽でずっと良い。
それではここまでお読みいただきありがとうございました。