『仮面ライダーエグゼイド』のBlu-ray COLLECTIONの特典映像だった「仮面ライダーエグゼイド【裏技】仮面ライダースナイプ エピソードZERO」が、TTFC(東映特撮ファンクラブ)で会員見放題となった。
全部で4つのエピソードで構成されているが、全て視聴しても45分程度というショートムービーだ。
『エグゼイド』本編で人気の高かったライダーの一人、スナイプの前日譚。
結論から言えば、観なくても『エグゼイド』の面白さは変わらないが、観ればもっと楽しめる。特典映像で終わらせるのは、もったいない。そんな作品だった。
最後までおつきあいいただければ幸いだ。
『エグゼイド』の魅力
『仮面ライダーエグゼイド』は、初めてそのデザインを見て「えっ?」と絶句し、しかし物語を見て「え?」と我が目を疑った。
最初の「え?」は、「正気か?」と言い換えても良い。
目玉の描かれたコミカルなデザインに、蛍光カラーをふんだんに使ったポップなカラーリングに、「仮面ライダー」っぽさはゼロだった。
正直、それだけでそっと離れようかとも思ったが、視聴し始めると、今度は最初とは違った「え?」が口をついた。
良い意味で裏切られたのだ。
デザインのせいでマイナスイメージからのスタートだったのに、医療をテーマにした「命」を扱う重厚なテーマと、息をもつかせぬスピーディーな展開に圧倒され、気づけば、個人的には歴代仮面ライダーの中でも3本指に入る作品となった。
そんな『エグゼイド』への想いは、また別記事に改めるが、この作品の魅力の一つは、登場人物が乗り越えるべき過去を抱えて生きていることである。
本編の中でもそれらはきちんと消化されていたのだが、本作「仮面ライダースナイプ エピソードZERO」を見れば、スナイプ/花家大我(ハナヤタイガ)がどのようにしてバグスターウイルスと戦う最初のライダーになったのか? 何故、『ブラックジャック』のように白髪混じりなのか? といった部分にも触れられている。
ブレイブ/鏡飛彩(カガミヒイロ)やゲンム/壇黎斗(ダンクロト)といった他のライダーとの馴れ初めも興味深い。
それにしても、『エグゼイド』の悪役は魅力的だ。
特に壇黎斗。
父・壇正宗役の貴水博之の怪演も印象的だった。流石、元・アクセス。
しかし、黎斗の存在感はそれを上回る。本作でも徹底的にいやらしい。だが、それがいいのだ。
悪役が魅力的な作品は、ほぼ例外なく面白い。
歴代ライダーの個人的ベストは『仮面ライダーW』だが、あの作品も悪役がとにかく魅力的だった。
しかしここで『W』を語り出すとキリがないので、それはまた別の記事に譲る。
まずは本編を観てから
先ほども触れたが、本作は『エグゼイド』本編で語られた花家大我の過去にスポットを当て、本編では語られなかった、仮面ライダースナイプになる前のエピソードを描いた作品だ。
”天才”と言われた、若き放射線科医師・花家大我がどうして仮面ライダーになったのか?
そのきっかけはもちろん、仮面ライダーという力に溺れかけた日々、患者を助けられず、大切な友をも失った苦悩といったものが、短い時間の中で濃厚に描かれている。
『エグゼイド』に多少なりともハマった経験のある人にはもれなくオススメ。
本編を知らずに見たら、面白さは半分以下である。何より、本作だけでは登場人物の相関図がわからない。
それはそうだ。だって、ファンが購入するBlu-rayの特典映像だもの。
だからこそ、この作品を観るなら、必ず本編を観てからにして欲しい。前日譚を表す”ZERO”という表現にはいい加減飽きたが・・・。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
\ 僕と握手! /