雑すぎる!巨匠ダ・ヴィンチの取り扱い|『快傑ズバット』第3話感想

雷堂

1977年2月16日放送『快傑ズバット』第3話「悲しき純金の天使」(監督:奥中惇夫、脚本:長坂秀佳)

ここで描かれるのは、哀しき兄妹の物語。

今回もイロモノ感をたぎらせた悪党たちが跋扈し、早川 健がとっちめる。

視聴する楽しみは奪わない程度にネタバレも含めレビューする。最後までおつきあいいただければ幸いだ。

目次

キャスト

ここでは今回のキャストをご紹介。本作初登場でウィキペディアに記載のある方についてはリンクを貼っておくので、他の参加作品なども是非チェックしていただきたい。なにしろ40年以上前の作品なので、「え? あの人が出てたの?」といった発見があるかもしれない。

【キャスト】

快傑ズバット/早川 健:宮内 洋

飛鳥みどり:大城信子

寺田オサム:中野宣之

しずか:大関優子

山根:水村泰三

殺し屋ジョー:森 裕介

チンピラ:藤本伸仁

一郎:鵜川貴範

金仮面:橋本春彦

声:島田 彰

首領L:はやみ竜次

ナレーター:青森 伸

東條進吾:斉藤 真

用心棒・殺し屋ジョー

まるで『世界の車窓から』のように、ローカル線でゆったりとした電車の旅を楽しむ早川健が、劇団ひとりのコントに登場するような典型的ヤンキーに絡まれている女性を助けるところから物語は始まる。

画像引用元:快傑ズバット

電車を降りると、どこからともなく湧いてきた黒服の男たちが、さっきの女性に襲いかかる。安定のパターンである。

画像引用元:快傑ズバット

次々と早川にボコられる黒服たちの前に、怪しげな男が姿を現す。

「YOUたちのかなう相手じゃねぇ!」

画像引用元:快傑ズバット

故・ジャニさんのような口調。いや、ジャニさんは「じゃねぇ!」とか言わないのか? 知らんけど。

ヤツは「金バッジ連合」の用心棒・殺し屋ジョー。ナイフ投げの達人だ。ジョーのことを既に知っている様子の早川に、「ミーを知ってる?」と上機嫌の殺し屋ジョー。なんだか「ジョー」というより、「ルー」みたいだ。トゥゲザーしようぜ。

一瞬、和んだ空気になるも、「(ジョーは)日本じゃ2番目のナイフ投げの名人」と煽る早川。台無しだ。

画像引用元:快傑ズバット

日本一は自分だとアピールする早川に、殺し屋ジョーは、ポケットから取り出した一揃いのトランプカードを空に放り、投げナイフで4枚のエースだけを貫くという凄腕を見せつける。

画像引用元:快傑ズバット

それに対する早川は、「金バッジ連合」のザコ(黒服)どもの胸からもぎ取った金バッジを放り投げ、投げたナイフで串刺しにしてみせる。串焼き片手にビールでも飲んでいるような画である。

画像引用元:快傑ズバット

それを見て、すごすごと引き下がる金バッジ連合の面々だが、ジョーの方が凄腕のような気もするのは気のせいだろうか。

助けた女性は「しずか」と名乗った。新聞記者だった兄が殺された謎を追っていると言う。金バッジ連合のことを色々と嗅ぎ回っていたらしい。自分も親友・飛鳥五郎を殺した犯人を追っている早川は、しずかにシンパシーを覚える。

金バッジ連合ボス・金仮面

画像引用元:快傑ズバット

今回のボス、金バッジ連合の「金仮面」。カネカメンではない。キンカメンと読む。キンカクシでは絶対にない。そういう間違いは冗談でもやめるべきだ。

ネーミングほど仮面感はないものの、「金髪」に「金歯」と金色にこだわりはあるようだ。

しかし、前回のブラックスターといい、金仮面といい、この世界の悪党たちは、顔半分を隠すことが流行りなのか。『POPEYE(ポパイ)』で特集組まれたりしてたのだろうか。

画像引用元:快傑ズバット

金が大好きな金仮面が狙っていたのは「純金の天使」。その名のとおり、純金でできた天使像だ。

香港でそれを手に入れたという親子を襲撃し、それを寄越せと容赦なく子供をボコる。なかなかのサディストだ。

そこに現れたのは、ギターを抱えた早川。指の動きと奏でる曲がまるで合っていないように見えるが、テクが超絶すぎて“スローハンド”に見えるのかもしれない。

白いギターを持つ早川健
画像引用元:快傑ズバット

しかし、バイオレンスに関してはキレッキレだ。金仮面をボコり、「金は金でも、貴様に似合うのは“バイキン”だ!」とドヤる早川。最高だ。

悲しき兄妹

純金の天使
画像引用元:快傑ズバット

早川が救ったバイヤーの名は「山根」。山根は「純金の天使像」を顧客の元へ空輸するため、羽田空港に向かっていたらしい。

この「純金の天使像」は、“レオナルド・ダ・ヴィンチ作と言われている”というトンデモ設定。ダ・ヴィンチ財団なんかがあったら訴えられるんじゃないかと心配になる。時価はなんと300億円!!というのも設定だ。

山根に道中の護衛を依頼された早川は一計を案じる。山根親子としずかを偽名でホテルへ宿泊させ、パトカーの護衛をつけたクルマをスケープゴートにして、自らの手で「純金の天使像」を羽田へ運んでしまおうという作戦だったのだが、何故かこの計画が金仮面にバレてしまう。

実は、早川が悪党から救ったしずかこそが金仮面の送り込んだスパイだったのだ。早川に銃を向けるしずかだったが、その弾倉から銃弾は抜き取られていた。早川は、すっかり見抜いていたらしい。

自分の正体がバレていたことに驚くしずかに、「あなたに人が殺せるのか確かめたかった」と語りかける早川。そこで早川を殺すことを躊躇ったしずかは、そのまま金仮面たちに殺されてしまう。

画像引用元:快傑ズバット

怒りに燃え、金バッジ連合本部に殴り込みをかける早川に、しずかを殺したのも、しずかの兄を殺したのも自分だと告げる金仮面。しかし、兄を殺したのが金仮面であることは、しずかも知っていたような口ぶりだったが、何故しずかは金仮面の下で働いていたのだろうか? 死人に口なし。全ては闇の中である。

ズバット参上!

突如、外からロケットエンジンのような轟音が鳴り響く。

窓ガラスを蹴り破ってズバット参上。

ガラスを蹴り破るズバット
画像引用元:快傑ズバット

「ズバット参上。ズバット解決。人呼んで、さすらいのヒーロー!!快傑・・・ズッバァァァァット!!」

ズバット
画像引用元:快傑ズバット

今回も特に誰も呼んでない。なんなら「ズバット」なんて名前さえみんな知らない。

「純金を盗み集め、証拠を掴んだ新聞記者を殺し、あまつさえ、罪もない親子を傷つけ、しずかさんまで殺した金仮面・・・許さん!!」

しずかさんだけは固有名詞。もう、のび太さんのエッチ。

武器のムチを振るい、敵をなぎ倒すズバット。

最後はボスの金仮面をボコって、「飛鳥五郎という男を殺したのは貴様だな?」とお約束の詰問。

「俺じゃない」「そんな男は知らない」と政治家みたいな言い訳を続ける金仮面。ズバットのタイムリミットが迫る。ズバットは、変身後5分を経過すると、身体がバラバラに吹き飛ぶというトンデモ設定なのだ。

ズバットアタック
画像引用元:快傑ズバット

「ズバット・アッタァァァック!!」

今回も股間にもんまりの時間がやってきた。これで金仮面も行動不能。ここまでできっかり5分。変身を解除するズバット。

現場に駆け付けた警察の前には、気を失い倒れている金仮面と、残された1枚のカード。

画像引用元:快傑ズバット

カードのデザインが前回までと変わっている。ただの「Z」になってしまった。

『快傑ズバット』を視聴するには

「早川さーーーーーん!!」

駅のホームで、たった今発車してしまった電車に向かって声を上げる、早川の今は亡き親友・飛鳥五郎の妹みどりと、早川の助手になりたいという謎の少年オサム。

やはり、どうしてもオサムが気になる。ただの家出少年だ。そして、第1話のウサギはどうした?

そんな『快傑ズバット』全32話を見るなら、「TTFC(東映特撮ファンクラブ)」がオススメ。月額960円(税込)で、東映の特撮作品のほとんどを視聴することが可能。他の動画配信サービスで、1話100円のレンタルをするよりも断然おトクだ。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

\ 僕と握手! /

Recommend

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

僕と握手!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

特撮ヒーローのレビュー(旧作から最新作まで)が中心ですが、ガジェットやゲームなど、好きなものを思いつくままに書いています。僕と握手!
※当サイトではアフィリエイトに参加しています。

WordPressテーマ「SWELL」

目次