2022年1月30日放送『機界戦隊ゼンカイジャー』第45カイ「超大凶って運勢最下位?!」(監督:加藤弘之 脚本:香村純子)
神社に参拝しても、おみくじなどほとんど引かない私でさえ、出た運勢というのはどうしても気になってしまうもの。そして知らず知らずのうちに引っ張られてしまう。「大吉」が出れば、多少不運なことが起こっても、「おみくじが大吉だったということは、本当はもっと大きなダメージを負うところが、この程度で済んだ」などと思えてしまったり、逆に「大凶」が出れば、些細なことでも「大凶だったからな・・・」などと落ち込んでみたりする。
私だけに限らず、こういった方は意外と多いのではないだろうか?
今回は、そんなおみくじに振り回されるゼンカイジャー5人の姿と、ゲゲに操られているステイシーの口から、衝撃的な内容が告げられる注目カイ。それなりにネタバレもするが、最後までおつきあいいただければ幸いである。
キャスト
まずは今回のキャストをご紹介。本作初登場でウィキペディアに記載のある方についてはリンクを貼っておくので、他の参加作品なども是非チェックしていただきたい。「え? あの作品に出てた人?」といった発見があるかもしれない。
【キャスト】
五色田介人/ゼンカイザー:駒木根葵汰
ジュラン/ゼンカイジュラン(声):浅沼晋太郎
ガオーン/ゼンカイガオーン(声):梶 裕貴
マジーヌ/ゼンカイマジーヌ(声):宮本侑芽
ブルーン/ゼンカイブルーン(声):佐藤拓也
セッちゃん(声):福圓美里
ボッコワウス(声):中田譲治
バラシタラ(声):乃村健次
イジルデ(声):竹田雅則
ゲゲ(声):福西勝也
オミクジワルド(声):阪口大助
ステイシー:世古口 凌
子どもキカイノイド:黒岩竜乃介
五色田ヤツデ:榊原郁恵
オミクジワルド
オミクジトピアという並行世界の力を持つオミクジワルドが登場。マスクには大きく「大凶」の文字が刻まれており、顔の側面には結ばれたおみくじが並ぶ。左腕にはおみくじの入ったケース(正式名称はわからない)を模した銃を持つ。おみくじの世界というのが、どんな世界なのか、まるで想像がつかないけれど、その能力は独特にして、かなり強力。
「ムゲンミクジ」という技を喰らうと、凶運のおみくじが額に貼り付き、運が悪くなる。と言っても、最初はバナナの皮で滑ったり、看板が落ちてくる程度(看板は結構危ない)だが、この技の恐ろしいところは、一度喰らってしまうと、何かを開けたり出したりするたび、勝手におみくじを引いてしまうこと。それも引くたびに凶運のレベルが上がってしまい、やがて命に関わるほど運勢が悪くなる。
しかも、味方に幸運のおみくじを引かせることもできるところが、また面倒くさい。味方はグングン運が良くなり、敵は見る見る運が悪くなるので、戦力差は開く一方。それでいて、一度この技にかかってしまうと、打ち破ることはできない。
介人が『キュウレンジャー』のセンタイギアで幸運(ラッキー)を呼び寄せようとした際も、ギアトリンガーのカバーを開いた途端に凶運のおみくじを引いてしまうという悪循環。
「ムゲンミクジ」という技を喰らわなければ良いのだけれど、マシンガンのように連射されるおみくじ状の弾丸を全て避け切ることは果てしなく難しいだろう。現時点では最強のワルドと言って良いと思う。
超絶不運なパイセンたち
介人はゼンリョクゼンカイキャノンで起死回生を図る。
今回、ドリームチームとして召喚されたのは、『秘密戦隊ゴレンジャー』のキレンジャー、『バトルフィーバーJ』のバトルコサック、『超電子バイオマン』のイエローフォーという3人。セッちゃんが「取り返しのつかない不幸に見舞われたヒーロー」と言っていたけれど、『アキバレンジャー』でさえネタにしなかったレベルの不幸揃いである。
キレンジャー(2代目)は、自らが招いた失敗の責任を取ろうと、単身、敵怪人(カンキリ仮面)に戦いを挑むも、カンキリ仮面が放ったカンキリカッターが腹部に刺さって戦死するという悲しい結末を迎えたヒーローである。実はこの戦死は、初代キレンジャー役の畠山 麦さんが、『ゴレンジャー』放送中に他局のドラマでレギュラーが決まったため、急遽1クールだけの代役として2代目へバトンタッチしたことに起因する。要するに、当初から予定されていた戦死だ。
バトルコサックは、ドリルミサイル開発者である父をエゴスに殺害され、哀しみに暮れる幼い娘・まゆみを励まそうとした際、「血のにおいがする」と言われ、拒絶されたため、バトルスーツを持たずにまゆみに会いに行ったところをエゴスに殺されてしまう。こう書くと、なんともドラマチックだが、実は、白石謙作を演じる伊藤武史さんが、結婚を理由に降板を申し出たために作られたエピソード。子供たちには、あまり聞かせたくない類の話である。
そしてイエローフォーは、変身前のミカを演じていた矢島由紀さんが突如失踪してしまったことから、新たなキャスティングのため、一度戦死させられるという、スーパー戦隊ガッチガチの黒歴史。当時のスタッフと駆け落ちしたという噂もある。こちらは子どもたちには絶対に聞かせられないエピソードである。
そして召喚されたにも関わらず、いきなり消滅してしまう3人。単にネタのために現れただけ。ただし、キレンジャーは腹部におみくじが刺さっているし、バトルコサックはきちんとバトルスーツを脱いだ状態だったりと、とにかく原作の再現率が高い。元ネタを知らない人は何が起こっているのかキョトンとしてしまうだろうけれど、知っている人は笑わずにいられない。
ステイシーは何を想う?
一方、最近特に不穏な動きをしているのがゲゲだ。
時々バグッたような様子を見せたり、並行世界間ゲートをいじくったり、ラジバンダリ。その異変にうっすらと気づいているのがバラシタラ。ゲゲが、息子・ステイシーを操っていることには、まだ気づいていない様子だが、不信感はありありである。
操られているステイシーもあからさまにおかしい。キカイノイドを「あるべき場所にお帰り」と異空間に飛ばしたり、オミクジトジルギアを消し去ったりと、その力が、これまでのステイシーのものと比較にならないことは一目瞭然である。
特に、オミクジワルドについては、憎っくきゼンカイジャーを絶体絶命のところにまで追い詰めたところで、その力を消滅させてしまったのだ。ゼンカイジャーをわざわざ救い出す意味はどこにあるのか??
「実は僕、全ての世界を創った神様なんだよね」
ステイシーの超パワーを目にして、なんでそんなことができるのか? とジュランたちが問いかけた際の答えがコレ。もちろんステイシーの言葉ではなく、ゲゲのものだろう。とんでもないことを言い出したものである。果たしてゲゲとは何者なのか? 何をしようとしているのか? そしてステイシーの運命は? 注目ポイント満載の『ゼンカイジャー』。終焉の近さを予感させる展開である。
そして、もう一つの注目ポイントが、このタイミングで発表されたステイシーのオリジナル楽曲「STACY THOUGHT」だろう。劇中で、正気を失っていたステイシーが目覚めたカラオケボックスで流れていたあの曲である。このたび、TTFC(東映特撮ファンクラブ)でMVが独占公開された。
時には、いかにもゼンカイジャーっぽいギアの影が照射される中で、あるいは雨の中で歌い続ける世古口さん。ステイシーの衣装ではなく、普通のオシャレ着。しかも、雨と言っても、よくあるMVのように、本当に土砂降りの中でずぶ濡れにするのではなく、雨の映像を世古口さんに照射しているだけ、というチープなもので、プロジェクションマッピングなんて大層なものではないだろう。
セットも、スタジオに暗幕を張っただけのようなチープさが見てとれるが、とりあえず雨に濡れている風のイケメンが歌い踊る(踊りは最小限)130秒は眼福である。
先述した通り、このMVはTTFC限定配信となっているため、視聴するにはTTFCへの登録が必要だ。気になる方は、こちらの記事もご確認いただきたい。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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