2022年2月13日放送『機界戦隊ゼンカイジャー』第47カイ「パレス突入!ボスの前でも頭が高い!」(監督:中澤祥次郎 脚本:香村純子)
自称「神様」の力を借りて、ついにトジテンドパレスに突入する5人。しかし、今回の見どころは、決戦だけにとどまらない。「サトシ」という偽名を名乗り、駄菓子カフェ・カラフルにたびたび出入りしていたステイシーがついに・・・。
泣きの神カイを多少のネタバレ込みでレビュー。視聴する楽しみは奪わない程度にとどめているので、最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは今回のキャストをご紹介。
【キャスト】
五色田介人/ゼンカイザー:駒木根葵汰
ジュラン/ゼンカイジュラン(声):浅沼晋太郎
ガオーン/ゼンカイガオーン(声):梶 裕貴
マジーヌ/ゼンカイマジーヌ(声):宮本侑芽
ブルーン/ゼンカイブルーン(声):佐藤拓也
ゾックス・ゴールドツイカー/ツーカイザー:増子敦貴
セッちゃん(声):福圓美里
カッタナー(声):鈴木峻汰
リッキー(声):松田颯水
ボッコワウス(声):中田譲治
バラシタラ(声):乃村健次
イジルデ(声):竹田雅則
ゲゲ(声):福西勝也
クダイター(声):上石直行
ステイシー:世古口 凌
フリント・ゴールドツイカー:森 日菜美
スーさん:喜多川2tom
五色田ヤツデ:榊原郁恵
ステイシー涙の告白
「あなたに・・・謝らなくてはいけないことがあります」
ここからが今回最大の見どころ。
駄菓子カフェ・カラフルにふらりと現れたステイシーが、ヤツデにこれまでのこと全てを告白する。自分の名は、サトシではなくステイシーであること。トジテンドの一員で、介人の命を狙っていたこと。その理由は、憎い父親(トジテンド幹部・バラシタラ)より偉くなるため手柄を立てたかったから。ところがいつの間にか、温かい居場所があって、真っ直ぐに親を信じている介人に嫉妬していたこと。伏し目がちに、今まで言えなかった言葉をとつとつと紡ぐ。ステイシーの誠実さが滲む。
そんなステイシーを強く抱きしめるヤツデ。
最初は、ステイシーの告白に驚きもしたし、孫の命を狙っていたという件では怒りを滲ませてもいた。しかし、恥も外聞もなく、己の全てを曝け出し、深々と頭を下げるステイシーのその優しさと誠実さ、そして、現在の辛い境遇が痛いほど伝わったのだろう。
「優しいから、辛いところで辛いまんま頑張っちゃったんだろう?」そう言って、ステイシーのこれまでを受け止め、「あったかい場所なんて、これからいくらでも作れる。もちろん、ウチはいつでも大歓迎だけどね!」と、ステイシーのこれからを受け止めようとする。
こんなことを白状すれば、憎まれるだろう、もう会えなくもなるだろう、そんなネガティブな感情に押しつぶされそうになりながらも、大好きな人に嘘をつき続ける自分が許せず、カラフルの暖簾をくぐったステイシー。その重い足取りからも、心中は察して余りある。ヤツデに会うのはこれが最後という覚悟だったにも関わらず、ありのままの自分を優しく受け止めてくれるヤツデの大きさに号泣するステイシー。この圧倒的な母性こそ、ステイシーが求め続けていたものだったのだろう。何度見たって泣く。涙なくしては見られない名シーンである。
帰ってきた界賊
キカイトピアでジュランたちとはぐれてしまった介人とブルーンの前にバラシタラが現れる。
その圧倒的な戦闘力の前に窮地に追い込まれる二人だったが、そのピンチを救ったのは、セッちゃんとステイシー。相変わらず介人に対してはツンなステイシーだが、「今度は胸を張ってカラフルに行く」という決意を胸に、介人たちのためにバラシタラを足止めしようとする。やっぱり根はいいヤツで、ツンデレ気質なだけなのだ。ヤツデにはデレしか見せないけれど。
たった一人でバラシタラに立ち向かおうとするステイシーを止める介人とブルーン。緊迫した空気の中、あの歌が響き渡る。
界賊ゾックスたちである。
ゾックスに続いてフリント、リッキー、カッタナーの3人も歌うバージョン。こうして、ステイシーザーとツーカイザーのコンビ対バラシタラのバトルが幕を開ける。
イジルデの最期
ゼンカイジャーたちを倒すため、巨大ロボ・イジルデストロイヤー4世に乗り込んだイジルデは、ゼンカイジャーを探し出そうとキカイトピアを練り歩く。なんだかキカイトピアを破壊しているだけの気もするが、汚名返上のため、待ったなしの状況なのだろう。
「いつも邪魔ばかりしおって〜」とイラつきを隠せないイジルデに対し、介人も怒りをあらわにする。
「父ちゃん母ちゃんさらって!ギアの技術奪って!他の世界閉じ込めて!その力酷いことに使って!父ちゃん改造して、洗脳して!みんなの平和を邪魔しまくってるだろう!」
それに追い討ちをかけるように、ジュランたち4人も怒りをぶつける。ラストは「ゼンカイオーゼンリョクフルブレイク」でとどめ。イジルデが「我輩の発明が貴様らに負けるわけには・・・」と最後のあがきを見せるシーンでは、「父ちゃん母ちゃんの発明は、お前なんかに負けない!」と、両親のことをまっすぐに信じる介人が眩しい。
こうして、イジルデは散った。だからと言って、改造されてしまった父・功が元に戻るわけでもないのだが、それでも一応の仇討ちはできたと言って良いだろう。
ちなみに今回、最終カイ手前にして初めての出来事があった。それは、いつもの5人にセッちゃんを加えての名乗り。「6人そろって、機界戦隊ゼンカイジャー!」というのは、これまでなかったことである。第1カイの頃から司令官ポジションとして活躍してきたセッちゃんは、今さら言うまでもなく、『ゼンカイジャー』の一員である。しかし、こうして名乗りにまで加わるというのは、ありそうでなかった出来事。
『ゼンカイジャー』も残り2カイ。自称「神様」に乗っ取られたフリントはどうなってしまうのか?
クライマックスまで全開で楽しもう。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
\ 僕と握手! /