2021年4月18日放送『機界戦隊ゼンカイジャー』第7カイ「魔界の王子は気がみじかい!」(監督:山口恭平 脚本:香村純子)
前回顔見せした謎のイケメン・ステイシーの本格登場回。主人公・介人のライバル登場とはわかっていたけれど、まさかあんな力を使うとは・・・!驚愕の第7カイを多少のネタバレも込みでレビュー。最後までお付き合いいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは今回のキャストをご紹介。
【キャスト】
五色田介人/ゼンカイザー:駒木根葵汰
ジュラン/ゼンカイジュラン(声):浅沼晋太郎
ガオーン/ゼンカイガオーン(声):梶 裕貴
マジーヌ/ゼンカイマジーヌ(声):宮本侑芽
ブルーン/ゼンカイブルーン(声):佐藤拓也
セッちゃん(声):福圓美里
ボッコワウス(声):中田譲治
イジルデ(声):竹田雅則
バラシタラ(声):乃村健次
ゲゲ(声):鈴木達央
ステイシー:世古口 凌
スーさん:喜多川2tom
五色田ヤツデ:榊原郁恵
悪用されるスーパー戦隊の力
今回はステイシーの特殊能力・・・というより、ステイシーの持つ「ギアトジンガー」の力をお披露目するために、いつもの怪人・◯◯ワルドが登場しないという特殊な回となっている。
「ギアトジンガー」とは、介人たちの持つギアトリンガーを参考にして、イジルデが作り上げた武器である。トリの部分にゲゲがあしらわれている。
ギアトリンガー同様、ガトリングガンとして使えるだけでなく、ギアを使うことも可能。それも、ダークセンタイギアという、まさかのスーパー戦隊の力を悪用したギアを使って、スーパー戦隊を召喚し、操ることができるのだ。
一部のスーパー戦隊ファンには、これが不評らしい。スーパー戦隊を悪の手先にするなんて・・・ということらしいのだが、この手の話は、ニセウルトラマンやショッカーライダーなど、それこそ50年以上も前から特撮のお約束になっている気がするのだけれど・・・。
だから個人的には全然問題ないけれど、ジュランたちから歴代戦隊ヒーローへの気遣いがきちんと表現されているのは、製作陣がこうした批判に備えてのことだったのだろうか? ジュランの「パイセン」という呼び方に「リスペクトが感じられない」「バカにしてる」なんて過剰に反応する人もいるのかもしれないけれど、これはジュランの個性として素直に受け入れるべきだろう。そもそも様々な個性を持つ人たちが一丸となって巨悪と戦うというのがスーパー戦隊だったはずだ。
今のスーパー戦隊のフォーマットになったと言われている『バトルフィーバーJ』の主題歌で「一人一人は小さいけれど ひとつになれば ごらん無敵だ」と歌われているが、これこそがスーパー戦隊の魂であるように思うのだ。そこからすれば、『ゼンカイジャー』はきちんとその伝統を踏襲しているように見える。
ガオーンの優しさ
ステイシーによって召喚されたスーパー戦隊が、偽物なのか、それとも操られているだけなのかがわからず、本気で戦うことができない介人たち。
それでは、その力を操るステイシーを倒せばいいのでは? と、斬りかかったジュランの剣を遮るガオーン。
吹っ飛ばしたその剣が、マジーヌとブルーンを傷つけてしまう。
普段から「キカイノイドは嫌い。人間、動物は大好き」と公言しているガオーンなだけに、こんな時まで、と、ジュランは怒り心頭だが、ガオーンの真意は、ただ誰も傷つけたくないだけ、というものだった。人間や動物はキカイノイドほど頑丈ではないから、優先して守らなければならないという認識だったのだ。
ただ、圧倒的に言葉が足りなかった。ジュランたちを共に戦う同士と思っていながらも、照れくさいのか、それを口に出すことをしなかったことも大きかったのだろう。ガオーンの真意は他のメンバーには伝わっていなかったのだ。ヤツデと介人は、どことなく察していたようだが、やはり言わなきゃわからないことというのは存外に多いものだ。家族だからとか、友達だからわかるだろう、なんていうのは、独りよがりも良いところなのである。大切なことはきちんと伝えなければならないという教訓がここにはある。
とはいえ、ガオーンの気持ちも理解できる。どんなに仲間たちのことを考えていたとしても、それを口に出すのは照れ臭いし、あまり言い過ぎると嘘っぽくなったりもする。そのあたりのさじ加減というのは、大人になればなるほど難しいものかも知れない。
ステイシーザー初変身
ステイシーと戦う覚悟ができないままに、「人間なの? キカイノイドなの?」と訪ねる介人に、「人間かもね。半分は」と答えるステイシー。この時点で介人たちは、ステイシーの父親がバラシタラであることは知らない。混乱するのはよくわかる。
「暗黒チェンジ」の掛け声と共に、自らにギアトジンガーを撃ち込むと、ステイシーザーへと変身する。ギアトリンガー同様、ハンドルを回した時にドラミングの音が鳴るのだが、個人的にはこちらの方が好みだ。
このステイシーの出生の件は、今後より深く掘り下げられていくことになるだろうから、要注目のポイントである。
今回のバトルは、ダークセンタイギアで召喚されたゴレンジャーと、センタイギアでゴレンジャーの力を身に纏ったゼンカイジャーとの「ゴレンジャーハリケーン」同士の勝負で、いつもの怪人とのバトルパートは終了となる。
巨大ロボ揃い踏み
ゴレンジャーハリケーン対決に負けたステイシーだったが、挫けることなく、次の召喚を始める。あれ? 次はお約束の巨大ロボ戦パートだけれど、今回はそれも割愛? と思いきや・・・
まさかのスーパー戦隊の巨大ロボを召喚。ジュウレンジャーの大獣神、ガオレンジャーのガオキング、マジレンジャーのマジキング、ボウケンジャーのダイボウケンと、つまりゼンカイジャーのデザインモチーフとなった巨大ロボたちである。
ジュランたちも巨大化し、戦いを挑むが、流石に歴戦を戦い抜いてきた巨大ロボの揃い踏みである。あっという間にピンチに陥ってしまう。
そこで、さらに巨大化しようというブルーンのアイデアで、再度、ギアトリンガーを操作すると、「ビッグバーン!」の掛け声と共にどデカいギアトリンガーバズーカが出現。
スーパー戦隊名物の必殺バズーカがこんなところで見られるとは思わなかった。
とりあえずの危機は脱したものの、ステイシーの攻撃はまだ終わらない。さらに12体もの巨大ロボを召喚して今回はエンド。デンジロボとか、今見てもカッコよくて震えるが、絶対絶命のピンチとはこのことだろう。
次回はどうなってしまうのだろうか? 見逃し配信はTTFC(東映特撮ファンクラブ)がオススメだ。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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