『仮面ライダーゼロワン』第4話「バスガイドは見た!アンナ真実」(監督:中澤祥次郎 脚本:高橋悠也)
12年前に起こったヒューマギア工場の爆発事故「デイブレイク」の真実とは?
デイブレイクによって人生を変えられた3人の男たちが真実を探る姿が描かれる第4話をレビュー。
最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここではキャストをご紹介する。
本作初登場でウィキペディアに記載のある方はリンクを貼っておくので、他の参加作品なども是非チェックしていただきたい。
飛電或人/仮面ライダーゼロワン:髙橋文哉
不破 諌/仮面ライダーバルカン:岡田龍太郎
イズ:鶴嶋乃愛
刃 唯阿/仮面ライダーバルキリー:井桁弘恵
迅:中川大輔
滅:砂川脩弥
ザット(声):日高のり子
ナレーション:山寺宏一
アンナ:大久保聡美
桜井 郷:山田日向
桜井 聡:鈴木秀人
マギアナ:島本真衣(テレビ朝日)
バース:金光真輝
男子学生:奥 悠輔 ・ 林 一太朗 ・ 二川修栄
副添 准:児嶋一哉(アンジャッシュ)
12年前の事故
バスガイド型ヒューマギア・アンナを視察するため、或人とイズは、中学生たちと共に観光バスに乗り込んでいた。
行先は「デイブレイクタウン」。12年前、日本政府主導のもと、飛電インテリジェンスやザイア・エンタープライズといった数々の先進企業によってつくられた実験都市があったのだが、その街に設置されていた複数の動力炉が、ヒューマギア工場内で起こった爆発事故をきっかけに次々と誘爆し、ついには消し飛んでしまうという事故があった。後に、「デイブレイク」と呼ばれたその事故が起こった街、それがデイブレイクタウンである。
或人は、当時のヒューマギア工場で工場長を任されていた桜井 聡の息子・桜井 郷が、そのバスに偶々乗り合わせていたことを知る。桜井 聡はその事故で命を落としているが、デイブレイクが起こったのは父が原因だと、周囲から揶揄される郷は、事故の真実を知りたいと思っていた。
デイブレイクで、父・其雄を失った或人も、胸中は複雑だ。
そして、もう一人、A.I.M.Sの不破 諌もまた、デイブレイクの犠牲者であった。彼はデイブレイクの際、暴走したヒューマギアに襲われたと主張している。
或人は事故の真実を知りたいと、副社長の副添に問いただすが、「記憶にございません」と繰り返すばかり。飛電インテリジェンス内にさえ、当時の記録が残されていないことに、或人は疑問を抱く。
「自分の仕事は土地の歴史を正しく伝えること」だというバスガイド型ヒューマギアのアンナもまた、真実を知りたいと考える。
こうして、郷は不破と、或人はアンナと、それぞれに事故の真実を探るため、デイブレイクタウンへと向かう。
空を舞うオニコマギア
或人たちを乗せた観光バスの運転手型ヒューマギア・バースが、迅によってマギア化させられてしまったのが、オニコマギアだ。
パッと見、コウモリだが、これは「オニコニクテリス」という、約5250万年前に絶滅したコウモリ目の哺乳類をモチーフにしたもの。目のあたりの造形は『仮面ライダーキバ』を彷彿とさせる。
そこに現れたのは、不破と唯阿の二人。バルカン、バルキリーに変身して戦うが、自由自在に空を飛ぶオニコマギアに苦しめられ、結局逃げられてしまう。
それにしても、ショットライザーを使う二人の変身はカッコいい。不破の力ずくな感じも、唯阿のプログライズキーをクルクル回すスマートな感じも、何度見ても最高だ。
パンチングコングとフライングファルコン
今回は2つの新たなプログライズキーが登場する。
デイブレイクタウンに向かう不破に唯阿が手渡した新たなプログライズキーが「パンチングコング」。その名のとおり、ゴリラの能力を持つ。
以前、不破が勝手に持ち出したシューティングウルフとは異なり、今回のパンチングコングは唯阿が自ら手渡したものだというのに、なぜかロックを解除していない。嫌がらせもいいところだが、不破はそのことに文句も言わず、力ずくでこじ開ける。この”こじ開け”こそが不破の魅力の一つであることは間違いない。
唯阿が「お前には使いこなせないヤバい性能」と言っていたパンチングコングは、シューティングウルフに比べたら格段に鈍重なイメージだが、その弱点を補って余りあるほどのパワーでマギアたちをあっという間に蹴散らしてしまう。
もうひとつが「フライングファルコン」。こちらはゼロワンの新フォームだ。ハヤブサの能力を持ち、自由に空を駆けることができる。
バルカン、バルキリー同様に飛行能力を持たないゼロワンでは、オニコマギアに対抗できないと判断したイズが、衛星ゼアに用意させたものだ。自在に空を飛び、オニコマギアを追い詰める。蛍光イエローに蛍光ピンクと、なかなか目に眩しい配色である。
12年前の真実
デイブレイクタウン内で不破たちが戦っている間に、郷は1枚のメモリーキーを発見する。
そのデータを読み込もうとしたアンナに、オニコマギアの触手が伸びて、アンナはマギア化。郷に襲いかかろうとするものの、アンナの意思が残っているのか、攻撃を中断し、メモリーキーに記憶されていた映像を映し出す。
そこには、郷の父・聡が映っていた。ヒューマギア工場内でヒューマギアが暴走したらしいのだが、その主犯は滅亡迅雷.netであることがわかる。
全ての隔壁を閉ざし、工場の自爆スイッチを押す聡。工場長として責任を取り、暴走した全てのヒューマギアと共に自決したのだ。
爆発の瞬間、「郷・・・」と、息子の名を呟く聡。現在、中学生で、12年前というのだから、まだまだ幼い頃のこと。父親からすれば、かわいい盛りだったろうし、息子はひょっとしたら、はっきりとした父親の記憶は無いかもしれない。
真実を知り、涙を流す郷。その姿を見て、ヒューマギアへのさらなる怒りをたぎらせる不破。
そんな彼らの目の前で、突然アンナが消滅してしまう。
それは新たなライダー・滅(ホロビ)の仕業だった。A.I.M.Sによって回収されそうになっていたアンナを消し去り、滅亡迅雷.netの痕跡を辿らせないためであった。
滅は本編初登場(オープニングでは既に登場している)だが、紫のカラーリングがカッコいい。中の人は、前作『ジオウ』まで平成の主役ライダー18名を演じてきた高岩成二さんである。ひとつひとつの所作がたまらなくカッコいい。
今回はほんの一瞬の出演でしかなかったが、次回以降の登場が待ち遠しい。
さらに今回は、これまで自分がゼロワンであることを隠してきた或人が、不破の目の前で「隠し事なんてしない!」とゼロワンに変身してみせた。
これによって、これまではバチバチの対立ムードだった両者が歩み寄り、共闘といった流れになるのだと思うが、そちらもまた楽しみである。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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