『仮面ライダーリバイス』第20話|ヒロミ、最後の死亡フラグ?【ネタバレ注意】

雷堂

2022年1月30日放送『仮面ライダーリバイス』第20話「非情で無情な、変身の代償」(監督:坂本浩一 脚本:毛利亘宏)

生命を喰らう「デモンズドライバー」によって、身体はボロボロ。しかも、フェニックス同期のかわいこちゃん・千草に裏切られて精神的にもボロボロの門田ヒロミ。

もう一度変身したら、命の補償は無い。しかし、目の前にはオルテカとギフテリアン。そんな絶体絶命の状況で、「変身しろ」と嘲笑うデモンズドライバー。自分の命を喰いつくそうと大きく口を開ける悪魔を前に、ヒロミの選択は?

ヒロミに迫る最期の時を、視聴する楽しみは奪わない程度のネタバレ込みでレビュー。最後までおつきあいいただければ幸いだ。

目次

キャスト

五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ:前田拳太郎

バイス/仮面ライダーバイス(声):木村 昴

五十嵐大二/仮面ライダーライブ:日向 亘

五十嵐さくら/仮面ライダージャンヌ:井本彩花

ジョージ・狩崎:濱尾ノリタカ

アギレラ:浅倉 唯

オルテカ:関 隼汰

玉置 豪:八条院蔵人

門田ヒロミ/仮面ライダーデモンズ:小松準弥

デモンズドライバー(声):津田健次郎

山桐千草:奥山かずさ

田淵竜彦:宇治清高

御子柴朱美:藤岡沙也香

幼いオルテカ:石田偉琉(イシダ タケル)

赤石英雄:橋本じゅん

若林優次郎:田邊和也

五十嵐幸実:映美くらら

五十嵐元太:戸次重幸

ギフとは?

あなたが、真に倒すべき敵は誰なのか? を教えてくれた、とオルテカに忠誠を誓う千草。信じていたフェニックスへの不信感は相当なもののようで、どうやら赤石長官と狩崎の会話を偶然聞いてしまったことが、そのきっかけとなったようだ。会話の内容までは明らかにされなかったが、話を聞いてショックを受けた時の回想シーンは流された。

赤石長官と狩崎の話を聞く千草
画像引用元:仮面ライダーリバイス

「デモンズドライバー」に並々ならぬ執着を見せるオルテカのため、共に青春をかけてきたフェニックスの仲間たちとの因縁にピリオドを打つことを決意する。

フェニックス同期入隊の3人
画像引用元:仮面ライダーリバイス

その際、オルテカの幼少期の思い出も語られた。

幼少期のオルテカ
画像引用元:仮面ライダーリバイス

幼い頃から、誰よりも優秀な知能を持っていた(自称)にも関わらず、理解してくれる者はなく、悶々としていたところをデッドマンズ創設者という謎の男にスカウトされたらしい。そこで見たのがギフ。それが人類を進化させる存在だと聞き、愚かな人類を次のステージへと押し上げようと、デッドマンズに魂を売ったのだと言う。

要するに厨二病である。しかし、常に他者を見下しているオルテカの根本は理解できた。「自分は他人より優秀だ」という妄想である。そういった差別意識が、ナチスの選民思想をはじめとする様々な人種差別を生んでいるのは事実。そして、理解されない状況を打破するためにオカルトに走ろうとするのは、ヒトラーを例に挙げるまでもなく、そういった妄想に取り憑かれた人たちに共通する行動なのかもしれない。

一方、ギフとは一体、何者なのか? と問いかけた玉置(元フリオ)にアギレラは、「人間とは異なる進化を遂げた存在」だとうっとりした表情で語る。

ギフのことを語るアギレラ
画像引用元:仮面ライダーリバイス

いずれにせよ、「進化」が、今後の物語においては重要なキーワードとなりそうだ。さらに、デッドマンズ創設者の正体もまた興味深い。

謎のデッドマンズ創設者
画像引用元:仮面ライダーリバイス

悪魔を宿したドライバー

「俺は悪魔だ・・・」と囁くデモンズドライバー。ヒロミの生命を喰らい、ギフの鼓動に反応し、ついに覚醒したらしい。

事実を知ったヒロミは「俺はただの実験台だったと言うわけか?」と狩崎に詰め寄るが、狩崎はまるで悪びれる様子もなく、「世界を守る力が欲しかった」ヒロミと、「最高の仮面ライダーを作りたかった(デモンズドライバーを覚醒させたかった)」狩崎の思惑は一致しており、いわゆるWin-Winの関係だったと開き直る。

それどころか、ヒロミが変身前に口にする「我が生命をかけて、世界を守る!」という決め台詞を茶化す始末だ。

ヒロミを茶化す狩崎
画像引用元:仮面ライダーリバイス

その頃、一輝は、ヒロミを診察した医師・御子柴から「もう一度変身したら生命の補償はない」というヒロミの容体を聞き、驚愕する。それでもヒロミには「戦いたいなら戦って、ヒーローになってください」と声をかける。「生命をかけてヒロミを守る」とも。

ヒロミを励ます一輝
画像引用元:仮面ライダーリバイス

一輝のその言葉と、生前の若林優次郎が遺した「これはお前の戦いだ」という言葉に背中を押され、千草を救うために覚悟を決める。

喰われた千草

「フェニックスは信用できない」と言う千草は、「ヒロミ君もわかっているでしょう? いいように使われて!」と、耳の痛いことを投げかける。

しかしヒロミは動じない。「俺は自分の夢のため、ヒーローとして、仮面ライダーとして戦う」と、自分がフェニックスに利用されていたことを知りながらも、誰かに救ってもらうのではなく、自らの信じる道を行くことを宣言する。これはヒロミを演じる小松さんの想いそのものでもあっただろう。

覚悟を語るヒロミ
画像引用元:仮面ライダーリバイス

以前にも書いたが、『仮面ライダー』の原作者・石ノ森章太郎先生と同郷に生まれ、『仮面ライダー』になりたいと願い続けてきたという小松さんは、過去作のオーディションには落選したものの、その後、芝居の経験を積み、再び挑戦した『リバイス』のオーディションで「命をかけて演じます」と語った覚悟が、そのままヒロミの決め台詞になったというのは有名なエピソードだ。胸熱だが、ここでこんな台詞が出てくることに、ヒロミの死亡フラグが立った気がする。いや、ヒロミの場合、毎週死亡フラグは立ち続けているので、今週の死亡フラグはコレ、というのが正しい。

と、それまで横で黙って会話を聞いていたオルテカが、不意に動き出す。手にはギフスタンプ。「逃げろ!」というヒロミの叫びも虚しく、ギフスタンプを押されてしまう。「嘘でしょ・・・」苦悶の表情を浮かべながら、悪魔に喰われ、ギフテリアンへと変貌を遂げる千草。オルテカはニヤけている。

ギフスタンプを千草に向けるオルテカ
画像引用元:仮面ライダーリバイス

「許さんぞ!」怒りに燃えるヒロミは、これが最後と知りながら、ついにデモンズへと変身してしまう。生命を喰われる痛みなのか、全身に激痛が走るようなそぶりを見せるが、「俺の生命をくれてやる!」とデモンズドライバーをねじ伏せ、ギフテリアンに向かって駆け出す。

喰われなかったヒロミ

千草の魂を救うため、デモンズフィニッシュでギフテリアンを倒すヒロミ。その胸は張り裂けんばかりだったはずだ。

ギフテリアンを倒すデモンズ
画像引用元:仮面ライダーリバイス

そのヒロミを援護するため、オルテカたちと戦う一輝とバイス、そしてさくら。一輝を演じる前田さんの素面アクションが光るシーンである。

その後、どうやって言いくるめたのかは不明だが、アギレラ様も合流し、オルテカからギフスタンプを取り返すことに成功。

ギフスタンプを取り返したアギレラと玉置
画像引用元:仮面ライダーリバイス

ヒロミは、もう最期だと確信したのだろう。オルテカから悪魔を分離しようとする一輝たちのため、「俺ごと貫け!」とオルテカを羽交締めにする。

オルテカを羽交締めにするデモンズ
画像引用元:仮面ライダーリバイス

「わかってるな?」とバイスとアイコンタクトし、スタンピングフィニッシュを決める一輝とバイス。思惑どおり、悪魔と分離するオルテカ。そして、デモンズドライバーが外れて変身解除するヒロミ。これは一輝とバイスがキックの衝撃を調整したらしく、とりあえずヒロミは無事。オルテカもフェニックスに拘束され、めでたしめでたし、と思ったが、やはりそうカンタンにはいかないようだ。拘束されながらもオルテカは不敵に微笑んでいる。

拘束されながらも不敵な笑いを浮かべるオルテカ
画像引用元:仮面ライダーリバイス

これで、ギフ像が保管されているスカイベースに入り込める、といったところだろうか。それを裏付けるように、次回予告ではデモンズドライバーを手にするオルテカが映し出される。

デモンズドライバーを手にするオルテカ
画像引用元:仮面ライダーリバイス

みんなのヒロミを差し置いて、お前がデモンズ気取りか? と、ファンの怒りを買いそうな雰囲気ではあるが、さて、本当にそのままの展開となるのだろうか? 次回予告をそのまま信じちゃいけない、のが『リバイス』だ。

次回はいよいよ牛島一家の正体も明らかになりそうだし、様々なことが、これまでとはガラッと変わりそうな気配である。組織の名称は「WEEKEND(ウィークエンド)」と読み取れる。

牛島一家の所属組織
画像引用元:仮面ライダーリバイス

ただ、アギレラと玉置の二人がやけに影が薄くなってしまっているのは残念。というより、今回に限っては、五十嵐兄妹さえもパッとしない雰囲気がある。全てヒロミのせいだ(良い意味で)。存在感がハンパない。消える間際がもっとも明るい花火のようなものなのかもしれない。次回で本当にさよならなのかはわからないけれど、既に記憶に残るキャラクターとなっているのは確実だ。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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