2022年8月21日放送『仮面ライダーリバイス』第49話「戦いの果て・・・残ったのは悪魔だけ」(監督:柴﨑貴行 脚本:木下半太)
ついに最終回直前。
今回最も強く感じたのは、最後までどうなるかわからないというドキドキ感ではなく、やっぱりバイスは良いヤツだったんだ、という納得感。それと僅かなガッカリ感(これは最終回で少しは覆るかもしれないと勝手に期待しているけれど)。
少し辛口に第49話を振り返ってみたい。ネタバレも含むが、これから視聴する楽しみを奪うほどのものではない。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは第49話のキャストをご紹介する(ただし、役名のある方だけのご紹介とさせていただく)。
以下の画像は全て『仮面ライダーリバイス』より引用している。
五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ
前田拳太郎
バイス/仮面ライダーバイス(声)
木村 昴
五十嵐大二
日向 亘
五十嵐さくら
井本彩花
ジョージ・狩崎
濱尾ノリタカ
夏木 花
浅倉 唯
玉置 豪
八条院蔵人
門田ヒロミ
小松準弥
伊良部正造※画像中央
西郷 豊
ラブコフ(声)※画像左
伊藤美来
五十嵐幸実※画像右
映美くらら
五十嵐元太/仮面ライダーデストリーム
戸次重幸
始まった新生活
フェニックスの寮として使われていたアパート。
そこで一輝とバイス二人の新生活が始まる。
どうしてこんな展開になったのか? それは前回、ジョージ・狩崎が変身したジュウガを止めるために戦ったことで、一輝の中にあった家族全員の記憶が綺麗さっぱり無くなってしまったためだ。
周りの家族は、そんな一輝を精一杯気遣ってくれていたのだが、記憶のない一輝には、その優しさがむしろ重圧となってのしかかってしまったようだ。
バイスと共に新生活のための家具を揃え、食事の買い出しをする二人。仲睦まじい様子は、相棒というよりは新婚さんである。手料理をふるまうバイスには不安しか感じないが、一応カレーくらいは作れるらしい。
気がつけば、平然と実体化し続けているバイスに好奇心のかけらも示さない町の人たちには違和感を感じるが、ともかく二人きりの暮らしが幕を開ける。一輝の何気ない一言にバイスが引っかかりを覚えてしまうまでは・・・
終わらない契約
「俺たちは永遠に相棒だよな?」と問いかけたバイスに、「お前は相棒じゃない。家族だ」と答えた一輝。
その言葉がトリガーとなる。
何かに気づいたバイス。
実は、未だにバイスが存在していることはおかしなことらしい。
というのも、幼い頃に一輝とバイスが結んだ契約は、「バイスが力を貸す代償として、一輝は家族との思い出を失う」というものだったからだ。
つまり、家族のことをすっかり忘れてしまった一輝は、バイスとの契約の代償を支払うことができないわけである。支払う対価がないのに継続する契約があるはずもないし、ギフを倒した以上、バイスの力を必要とする場面も無いはずだからだ。
だとしたら、バイスと一輝の契約は満了ということで、これ以上一輝と一緒に行動する理由はない。しかし、何故かバイスは今まで通り。
その理由がコレだったのだ。
一輝はバイスのことも家族だと思っている。つまり、バイスに支払う対価がまだあるということである。そうなれば、バイスとしては家族の記憶を奪うべく、一輝に力を貸すのは自然な流れだ。
だからバイスは消えることなく、一輝に寄り添っていた。そのことに気づいたバイスは、一輝のために覚悟を決める。
終わりの始まり
ぶーさんからの電話で目覚めた一輝。
なんと、しあわせ湯がめちゃくちゃになっているらしい。
駆けつけた一輝の前には、怪我をした玉置が倒れていた。どうやらバイスがやったらしい。何故?
さらにバイスは町で暴れ回っている様子。元太が2回目となる仮面ライダーデストリームに変身してバイスを止めようと戦いを挑むが、まるで歯が立たない。
駆けつけた一輝に、他の家族は食ったと言い出すバイス。血まみれに見えるが、明らかにケチャップ。
もう嫌な予感しかしない。物語として暗い先行きを案じてのことではない。想像通りの展開を見せそうで怖いのだ。視聴者は騙されたがっている。自分の予想が当たれば嬉しいが、それと同じくらい自分の予想を覆して欲しくてたまらないのだ。
しかし、動転しているのか、そのフェイクに気づかない一輝はリバイに変身し、バイスとの一騎討ちが始まる。その様子を物陰に隠れて見守る家族と友人たち。さくらの手にはケチャップが握られている。やっぱりね。
この茶番はバイスが発案したものだった。いや、茶番と言ってもバイスにとっては命懸けの茶番であることは間違いないのだけれど。
一輝が再びリバイに変身するということは、悪魔の力を使うということであり、それはバイスとの契約の代償として家族の記憶を失うことにつながる。
現時点で一輝が家族だと認識しているのはバイスただ一人。つまり、この戦いによって一輝はバイスの記憶を失い、全ての家族の記憶を失った一輝はバイスとの契約が満了し、家族の記憶を取り戻す・・・???
ツッコミどころ満載。あくまで良い話風だが、疑問は尽きない。
悪魔が契約満了を目指して策を講じる、というのは理解できる。しかしその契約が終了したからと言って、悪魔が消滅するわけではなかろう。そもそも他の家族同様、バイスのことを忘れてしまうだけで、バイスの存在自体が消え去ってしまう理由はないように思える。
何より契約者本人の記憶が戻るわけがない。だとしたら、何故記憶を奪う必要があったのか?
もっと言えば、カゲロウやラブコフなどは未だに存在しているし、それに対してどういった対価を払ってきたのかについては全く触れられていない(カゲロウの対価は、まさかカレーなのか?)。
このバイスが悪魔っぽく振る舞うけれど、実は一輝のためでしたという展開はこれまでにも何度かあったが、正直なところ、それほど面白い展開だとは思えない。最初の1回目だけは多少ドキドキしたけれど、繰り返されている分、「ああ、またか」といった印象が強い。それをラストにまた持ってきたのには、流石に少しガッカリした。
確かに何度も繰り返すことで、バイスの愛すべき不器用さが浮き彫りになることは間違いない。ここまでの長い戦いの中で一輝との間に紡がれてきた絆の強さも窺える。だけれど、『リバイス』が始まった頃に熱狂した我々が期待していた結末がコレだったのか? といえば大いに疑問は残る。まだ完結はしていないけれど、やはり『リバイス』は失敗作ではなく、失速したという言い方が正しいように思えてしまう。
このまま予想の範疇で終わってしまうのか? それとも最後に華麗などんでん返しが待っているのか?
一応、第49話は冒頭でバイスが数日前のことを振り返る内容から始まったのだから、これがラストへの伏線になっているのかもしれない。少し期待して最終回を待ってみたい。総括はそれからでも遅くない。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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