あの日の少年|『ウルトラマンデッカー』第17話感想

雷堂

2022年11月5日放送『ウルトラマンデッカー』第17話「過去よりの調べ」(監督:中川和博 脚本:継田 淳)をレビュー

GUTS-SELECT隊長のムラホシは裏切り者??

突如、ムラホシ隊長に向けられたTPU上層部からの嫌疑。

そこには、過去にムラホシが起こした問題行動が深く関係していた・・・

ネタバレも含むが、最後までおつきあいいただければ幸いだ。

目次

キャスト

ここでは第17話のキャストをご紹介する。

なお、以下で使用している画像は全て『ウルトラマンデッカー』より引用している。

アスミカナタ(松本大輝)

アスミ カナタ

松本大輝

キリノイチカ(村山優香)

キリノ イチカ

村山優香

リュウモンソウマ(大地伸永)

リュウモン ソウマ

大地伸永

カイザキサワ(宮澤佐江)

カイザキ サワ

宮澤佐江

ムラホシタイジ(黄川田雅哉)

ムラホシ タイジ

黄川田雅哉

ハネジロー

ハネジローの声

土田 大

ナイゲルのお付き:山本修夢

少年時代のリュウモン:高杉侑希

TPU特殊部隊員:松田じゅん

TPU隊員:田中光輔

消防団員:越 知靖

ウルトラマンデッカー:岩田栄慶

メトロン星人ナイゲル:新井宏幸

ゴメス(S):梶川賢司

メツオロチ:石川真之介

ヒュドラム:永地悠斗

メトロン星人ナイゲルの声:甲斐田裕子

疑われたムラホシ

「アガムス(偽名:アサカゲ ユウイチロウ)の協力者ではないのか?」

それがムラホシ隊長にかけられた嫌疑だった。

もちろん、真っ向から否定する隊員たちだったが、冷静に眺めてみれば、疑われても仕方のないことかもしれない。精鋭部隊の中枢に異星人が潜り込んでいたのだ。無根拠に単独犯などと考えるのは流石に能天気に過ぎるだろう。その時、隊の責任者であるムラホシが疑われるのは無理もない。元々、地球人だろうと宇宙人だろうと、困っている人に手を差し伸べようとするムラホシの性格も、周囲からは“宇宙人贔屓”しているように見えてしまっていたようだ。

さらにムラホシにはもう一つの嫌疑があった。それは今から10年前のこと。

闇の巨人・ヒュドラムとメツオロチの襲撃を受け、TPU隊員たちが迎撃していた時、突然姿を消してしまったムラホシ。そのせいで作戦は失敗。ヒュドラムは逃げおおせてしまったのだという。「逃げ遅れた少年を助けた」と言うムラホシだったが、現場にその少年の姿はなく、それによって1ヶ月の謹慎処分を受けていた。それが今になって、「やはり怪しい」という評判に結びついてしまったというわけである。

調査にやって来たのは、ナイゲルという名のメトロン星人だった。

画像引用元:ウルトラマンデッカー

しかも、内部調査局・局長というポジションである。結構な要職である。マルゥルといい、ナイゲルといい、TPUには他に何人のメトロン星人が在籍しているのだろう? もはやメトロン星人に乗っ取られているのじゃないか? なんてことを考えてしまう。

現れた怪獣

ナイゲル局長の尋問が続く中、怪獣が現れる。

画像引用元:ウルトラマンデッカー

古代怪獣ゴメス(S)。初出は『ウルトラQ』。記念すべきウルトラ怪獣・第1弾のゴメスだが、今回は名前の後に(S)がつくので、『ウルトラマンX』などに登場した個体だと思われる。『ウルトラQ』では10mだった身長が40mにもなった巨大な個体だ。

この緊急事態にGUTS-SELECTを出撃させようとするムラホシだったが、「立場がわかっていない」と嗜めるナイゲル局長。怪獣が出現したというのに、なんとも呑気に見えるが、これには理由があった。ゴメス(S)が向かった先のコミエシティーは怪獣防衛モデル都市であるため、余裕で撃退できるという目論見だったのだ。

しかし、過去に出現したゴメスよりも遥かに巨大なゴメス(S)に対し、危機感を抱いたカイザキはナイゲルに執拗に出撃の要請をするが受け入れられない。

そんな中、ムラホシにかけられた嫌疑の根本が10年前に姿を消した少年だと知ったリュウモンは、必死で何かを検索し始める。

あの日の少年

カイザキの嫌な予感は的中する。

ゴメス(S)は、コミエシティーの防衛力を上回る破壊力をもって、進撃を続ける。もはや、GUTS-SELECTが出張る以外に解決策は見当たらないのだが、それでもナイゲルは疑わしきムラホシを解放することを拒み続ける。

そんな状況に風穴を開けたのがリュウモンである。

リュウモンが探していたのは、10年前のデータ。ムラホシがいつ、どこで作戦に参加していたのか? そんなことを今さら掘り返すことの意味。それはこれまで『ウルトラマンデッカー』を視聴してきた方ならとっくにピンと来ているはずである。

ムラホシが救った少年。それこそがリュウモンだったのだ。

以前リュウモンは、10年前の怪獣災害時にTPU隊員に救われ、自分もあの人のように誰かを救える人になりたい、と思ったからGUTS-SELECT入隊を志したと言っていた。

あの日、逃げ遅れてクルマの中で一人膝を抱えて泣いていたリュウモン少年を発見したムラホシは、TPUのワッペンを手渡すことで勇気づけて戦場から逃したのである。

画像引用元:ウルトラマンデッカー

その時のワッペンを、水戸黄門の印籠のようにナイゲルに突きつけるリュウモン。あの時、その存在すら疑われていた少年は実在していたどころか、時を経て人々を守るための力となっていたのだ。流石のナイゲルも、何も言い返すことはできない。

改めて出撃するGUTS-SELECTの面々の士気は高い。

最後はいつも通り、デッカーに美味しいところを持って行かれてしまうが、後味は悪くない。

10年前の行動が引き金となって、かけられた疑いだったが、その疑いを晴らしたのも10年前の行動だった。その時は誰にも理解してもらえなくとも、それが良い行いならば、いつか誰かが理解してくれるという教訓である。

無実の罪だったとはいえ、上層部から疑いをかけられたことで「自分は隊長失格なのではないか?」と、やや落ち込み気味なムラホシを、「あなたに憧れた者もいる」と鼓舞するリュウモンの姿が清々しい。名も知らぬヒーローの背中を追い続けた男の背中を、また追いかける誰かが現れるかもしれない。オワコンだとか、マンネリだとか言われながらも消えて無くならない特撮ヒーローの歴史を彷彿とさせる。『ウルトラマンデッカー』もまた、誰かの背中を押す1作となっていくのだろう。今後の展開も楽しみである。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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