2021年12月12日放送。『仮面ライダーリバイス』第14話「司令官は・・・デッドマン!?」(監督:上堀内佳寿也 脚本:木下半太)
政府特務機関フェニックスの本拠地・スカイベース内に現れたカメレオン・デッドマンの正体は? そして、ギフ復活を間近に控え、婚礼の準備をするアギレラにも衝撃が・・・!
物語が加速度的に転がり出した『仮面ライダーリバイス』をネタバレも含めてレビュー。最後までおつきあいいただければ幸いです。
キャスト
ここでは今回のキャストをご紹介。本作初登場でウィキペディアに記載のある方はリンクを貼っておくので、他の参加作品も是非チェックしていただきたい。「え? あの作品に出てた人?」といった発見があるかもしれない。
【キャスト】
五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ:前田拳太郎
バイス/仮面ライダーバイス(声):木村 昴
五十嵐大二:日向 亘
五十嵐さくら/仮面ライダージャンヌ:井本彩花
ジョージ・狩崎:濱尾ノリタカ
アギレラ:浅倉 唯
オルテカ:関 隼汰
フリオ:八条院蔵人
門田ヒロミ:小松準弥
ラブコフ(声):伊藤美来
工藤 康/サーベルタイガー・デッドマン:河相我聞
灰谷天彦/プラナリア・デッドマン:柏原収史
幼いアギレラ:金子莉菜
信者:つついきえ ・ 江見ひかる
生徒:石川涼楓 ・ 平澤由理 ・ Angelina D
若林優次郎:田邊和也
五十嵐幸実:映美くらら
五十嵐元太:戸次重幸
アギレラ様の花嫁衣装
本作『仮面ライダーリバイス』という物語の最初から語られてきたとおり、悪魔崇拝組織デッドマンズの目的は、悪魔ギフを復活させること。そのために6体の生贄を探し求めているのだが、生贄には「ギフテクスでなければならない」という条件がある。ギフテクスとは、フェーズ2の悪魔を超える存在。アギレラ、オルテカ、フリオの3人と同等の存在であり、かなり強力な悪魔であることが求められる。
その候補として、灰谷天彦、工藤 康、さらにカメレオン・デッドマン フェーズ2の3人が集められた。これからこの3人がギフテクスになれるかの選別をするらしい。なれたら生贄、なれなければ消滅だという。いずれにしても、もはや自分の意志で生きていくことはできないのだろう(ギフの姿が、『アマゾン』の十面鬼のようだったなら話は別だが)。
エゴの塊であるはずの悪魔が、大いなる存在の一部となるために自己犠牲を厭わないというのは、なんだか皮肉である。
彼ら3人がギフテクスとして選ばれれば、オルテカとフリオを含め、5人となる。幼い頃から、ギフの花嫁となることを待ち望んでいたアギレラ。こうして幼い頃のアギレラが登場するのは今回が初。
「最後の1人は、さくらちゃんがいいな〜」と、弾けるような笑顔でウェディングドレスにお着替え。イメージカラーそのままの赤のウェディングドレスが美しい。
灰谷vsジャンヌ
前回から急にキャラ変した灰谷の変貌ぶりが止まらない。
自らの作戦を易々と打ち砕いたさくらに復讐しようと、さくらの通う高校にプラナリア・デッドマンと共に姿を現し、さくらの友達を複製したスタンプでフェーズ2にしようとする灰谷だったが、「お前が行け」とフリオによって自らがフェーズ2にされてしまう。完全にネタキャラ化している。
友達を狙われたさくらは、周りに正体がバレるのも構わず変身。3度目の変身にして、圧倒的な貫禄。何度聞いても、ジャンヌ変身時の待機音はカッコいい。
最後はあっさりライダーキックでトドメ。プラナリア・デッドマンの弱体化が激しい気がするが、単に灰谷が弱いだけ(頭脳派とも言える)かもしれない。前にフェーズ2にされていた大森聖子は、空手の師範代という設定だったし、強かったのは当たり前なのかもしれない。倒れた灰谷は、フリオの手で連れ去られてしまう。
工藤vsリバイ&バイス
前回、フェニックスの更生施設から連れ出された弁護士・工藤は、一輝に復讐心を燃やす。
以前、どうしてちゃんと努力しない? とたしなめられたことを根に持っているらしい。努力して弁護士になったのに、裁判で勝つことができなかった工藤にとって、努力とは虚しいだけのものだったようだ。
今回は「カンガルー」ではなく、「サーベルタイガー・バイスタンプ」を与えられ、フェーズ2となって一輝に襲いかかり、バリッドレックス・ゲノムになったリバイとバイスの2人をものともしない強さを見せる。
「他人の気持ちがわからない日本一のエゴイスト」とディスられた一輝は、思いの外、精神的ダメージを受ける。あれ? 第4話ですっかり解決したと思っていたのに、まだ引きずっていたの? と、ちょっと違和感。
しかし、バイスの言葉とハンマーで立ち直り、こちらもライダーキックでトドメ。回を重ねるごとに2人の絆が固く結ばれていく様子がわかる。
倒れた工藤はオルテカの手で連れ去られてしまう。
若林司令官の真実
前回登場したカメレオン・デッドマンの正体は、やはり若林司令官だった。というのは、ある意味正しいが、実際には少し違っていた。
ジョージ・狩崎は、以前、どこからか「マンモス・バイスタンプ」を回収してきたのが若林だったことと、前回、フェニックス隊員に化けていたカメレオン・デッドマンが、自分と若林しか知らない「バリッドレックス・バイスタンプ」の正式名称を知っていたことの2つを理由に、カメレオン・デッドマンの正体は若林だと推理。その若林を誘き出すため、原初のスタンプ「ギフスタンプ」をエサにする。
狩崎の狙いどおり、ギフスタンプを奪いに来たのは若林。大二とヒロミが銃を向ける中、憧れだった若林がデッドマンズだったことに動揺を隠せないヒロミは、一瞬の隙を突かれ、盾にされる。そこで語られたのは若林の真実。本物の若林は既にカメレオン・デッドマンによって殺害されていた。
一輝がリバイスドライバーを初めて使ったあの日から、若林だと思っていたのは、若林に擬態したカメレオン・デッドマンだったのだ。カメレオン・デッドマンの顔に寄せたのか、元々若林に寄せたデザインだったのかわからなくなるほど両者の顔つきが重なる狂気的な笑顔。
ヒロミを人質に取られた狩崎は、カメレオン・デッドマンの要求に従い、ギフスタンプを渡す。
人目も憚らず、慟哭するヒロミが悲しい。
カメレオン・デッドマンの正体は?
ギフスタンプを持ち帰ったカメレオン・デッドマンはもちろんとして、リバイ&バイスの2人を相手に善戦はしながらも敗れてしまった工藤も、ジャンヌにあっさり敗れた灰谷も、無事にギフの選別を潜り抜け、ギフテクスへと進化する。
カメレオン・デッドマンは一瞬、本来の人間態へと戻るが、「自分の姿は好きじゃない」と、再び若林優次郎へと姿を変える。
それにしても、この一瞬現れた元の姿。いったい誰なのか? ネット上では、2人の登場人物の名が挙げられている。
1人は、銭湯の常連客“ぶーさん”こと伊良部正造。
確かに年齢や体型などは近いようにも見えるが、頭部には違和感。後ろ姿しか見せてはいないが、髪の毛が頭頂部まで生えている。
もう1人は、最近あからさまに怪しい動きをしている牛島太助。
先ほどのぶーさんよりは、かなりそれっぽい。ちなみに下の画像は、襟足のあたりなど、なかなか似ているように思うのだがどうだろう??
今回、若林優次郎が仕掛けていた盗聴器が第8話で牛島家が使っていたものと酷似しているのも気になった。いや、盗聴器なんてみんな同じようなデザインなのだろうか? 単に分かりやすくするために同じデザインにしただけだろうか? これについては、めちゃくちゃ的外れなことを書いているかもしれない。
ただし、仮に牛島太助だとしても、謎は残る。第1話でデッドマンズが襲撃してきた際、会場に一緒にいたのは間違いない。
ただし、周りと比べると明らかに動揺していないように見えるのは偶然だろうか? いや、そんな偶然てある??
また、妻と息子との関係性がよくわからない。父親がデッドマンだとして、妻と息子は普通の人間なのだろうか? 今回、幼い頃のアギレラとデッドマンズの信者たちの会話シーンがあったが、牛島家とは、普通の家族を演じているデッドマンズの信者たち(赤の他人同士)なのだろうか?
これまでの動きを見ていても、牛島家が只者であるはずはないのだが、あからさまに怪しすぎるが故に、違和感がある。しかし、これまでの木下半太さんの脚本からすると、ここで全く新しいキャラ投入というのもなさそうなんだよなあ・・・。この1クールの中で、牛島一家に謎しか残らんというのも変。ミステリにおいては、犯人は最初から姿を現しているというのも定石だし。
というわけで、現段階での私の予想は、牛島太助。これで犯人が全くの新キャラだとしたら凄すぎる。ここまでの流れで木下半太さんの脚本に目が慣れてきた視聴者に対するブラフだったら・・・と考えると、それはそれでワクワクする。むしろそっちの方が楽しいくらい。ストレートで目を慣らしておいて、ここぞというところでフォークを投げられたような感じ。なんて例えてはみたが、野球は「ファミスタ」くらいしか知らないのだ。とりあえず、犯人探しだけでこれだけ盛り上がれるのは間違いなく脚本の力だろう。ここに来て展開のスピードが3段階くらい一気に上がった感はあるけれど、次の展開が気になって仕方ない。
さらにラストに驚愕の展開が待つ。
第1話からずっと、「ギフ様の花嫁になる」と語っていたアギレラも、実はギフの生贄候補の1人に過ぎなかったという冷酷な事実が突きつけられる。
次回予告では、「ギフ様のためなら…」というセリフがピックアップされてはいたが、これはいよいよ、さくらからアギレラに向けて「家族になろうよ」と言葉をかけるフラグではないのか? これだけ悪役として人気を獲得してきたアギレラをあっさり退場させるワケがない。アギレラに密かな想いを寄せるように見えるフリオや、何かしら画策しているような節のあるオルテカの今後も見ていきたい。特に、本作における「イカデビル」枠であるオルテカは今後の暗躍が楽しみだ。
しかも、そろそろクリスマスが近い。ライダーファンならソワソワする季節である。『エグゼイド』で見たような悲劇がまた起こるのか? 起こらないのか? そんなところもまた見どころだろう。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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