『仮面ライダーリバイス』第2話・抑えられぬ本性【本音レビュー】

次のライダーは『リバイス』と情報解禁されてから、ファンはやきもきしていたはずだ。

見たこともないデザインテイスト。見たこともない設定。果たして面白いのかどうなのか。

『セイバー』でガッカリした人たちも多かっただけに、次こそなんとかしてくれ!という渇望と、次もダメかも…といった諦めとがちょうど半々くらいで、ごちゃ混ぜになっていたように思う。

TV本編よりも先に、劇場版やセイバー増刊号などでその姿を晒していたが、ギャグ多めのムダに明るい雰囲気ばかりが強調され、微妙な感じが漂っていた。

ところが第1話で、そんな疑心暗鬼になっていたファンの不安を見事に払拭。

本記事では、注目の第2話「悪魔はあくまで悪いやつ!?」(監督:柴﨑貴行 脚本:木下半太)を忖度なく本音でレビューする。第1話で感じた期待は本物だったのか?

最後までおつきあいいただければ幸いだ。

目次

キャスト

ここではキャストをご紹介する。本作初登場の方で、ウィキペディアに記載のある方についてはリンクを貼っておくので、是非、他の参加作品もチェックしていただきたい。

五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ:前田拳太郎

バイス/仮面ライダーバイス(声):木村 昴

五十嵐大二:日向 亘

五十嵐さくら:井本彩花

ジョージ・狩崎:濱尾ノリタカ

アギレラ:朝倉 唯

オルテカ:関 隼汰

フリオ:八条院蔵人

門田ヒロミ:小松準弥

荒木:林野健志

井端:篠山輝信

若林健次郎:田邊和也

五十嵐幸実:映美くらら

五十嵐元太:戸次重幸

主題歌解禁

第1話でも劇中BGMとして流れた主題歌「liveDevil」Da-iCE feat.木村昴が、ついにお披露目となった。

タイトルの「liveDevil」は右から読んでも左から読んでも「liveDevil」なんだそうな。

「人間の中に潜む悪魔」をテーマにした『リバイス』らしく、ダークでハードな楽曲。とてもカッコいい。映像もいい感じだ。特に個人的なお気に入りは、イントロで一輝の顔がクルクルと様々に変わるところである。ニヤリと笑った表情も、内に潜む狂気が上手く表現されている。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

前作『セイバー』の主題歌「ALMIGHTY〜仮面の約束〜」が、スカのリズムと川上さん(アレクサンドロスVo.)の伸びやかな高音ボイスが耳に残る明るい曲調だったこととは対照的だ。

「歌の上手いジャイアン」こと木村昴さんのラップも光る。

バトルシーンのクライマックスなどで流すには、今回の曲の方が相性は良さそう。

フルサイズだと結構長めの曲なのか、TVサイズでは、わりとバサッと切られた感があったので、早くフルサイズで聴いてみたいものである。

子供たちがカンタンに口ずさめるかどうかなんていうのは、平成ライダー以降、ほとんど意識はされていないのだろうから問題はない。そういったものはスーパー戦隊に任せれば良いのである。

ちなみに歌詞は藤林聖子さんが担当。『龍騎』以降のフォーマットどおり、「仮面ライダーリバイス〜♪」なんて直接的な言葉を使わなくとも、全体的には『リバイス』が浮かび上がるものとなっている。

No one can ever know

(悪魔の囁きが Calling)

手には負えない現実

追い詰められ Edge of a cliff

神にも見放されし

心のスキ狙われ 魔が差し

正しさで 裁き合うような この世界で

陰惨な闇を隠し(息づく liveDevil)

それでも光探し(抗い続け yo hang in there)

逃げないで 自分を Breaking through

Dealing with the devil

禁断の力さえも味方につけて

No one can ever know

(護りたい 今生きる時代)君のために 強くなる [ Wo-Oh Wo-Oh Just Revice]

真に戦うべきものは何? [Wo-Oh Wo-Oh Just Revice]

探し続け Dealing with the devil

引用元:「liveDevil」TVサイズ版より

既に「Apple Music」などで配信されているので、是非、チェックしていただきたい。

悪魔に魅入られる人々

今回は、プロゴルファーとそのキャディが悪魔に魅入られてしまう。

「プレイ態度が悪い」などとSNSで叩かれ、不調のプロゴルファー・荒木は、アドバイスをくれるキャディ・井端に八つ当たりをし、ついにはクビを宣告する。

そんな井端に近づくのはオルテカ。バイスタンプを手渡し、心のスキを突く。そうして誕生するのがカマキリ・デッドマン。

井端とカマキリ・デッドマン
画像引用元:仮面ライダーリバイス

そんな井端の悪意が伝染してしまったのか、自らデッドマンズのアジトであるデッドマンズベースへと赴き、バイスタンプを手に入れた荒木は、メガロドン・デッドマンを生み出してしまう。

荒木とメガロドン・デッドマン
画像引用元:仮面ライダーリバイス

今回はこの2体のデッドマンが相手だが、第1話でも2体のデッドマンが相手だった。ひょっとして今後も毎回2体ずつデッドマンが登場するのだろうか? リバイとバイスに対応するためとはいえ、なんだか贅沢である。『V3』を彷彿とさせる贅沢さだが、『V3』のようにあっけなく2体ともやられるといった展開になるのなら辞めて欲しい。

しかし、デッドマンズのアジトには誰でも簡単に行けてしまうのだろうか? そんな公民館みたいな場所なら、フェニックスは直ちに総攻撃をかけるべきだろう。

イーグルゲノム

映画では既に『ディケイド』をモチーフにしたメガロドンゲノム(フォームと同義)が公開されているが、TV本編初のゲノムチェンジは、『W』をモチーフにしたイーグルゲノムだった。

仮面ライダーリバイイーグルゲノムと仮面ライダーバイスイーグルゲノム
画像引用元:仮面ライダーリバイス

「荒ぶる!高ぶる!空駆け巡る!イーグル!」と変身した後で、「お前の羽を数えろ!」と『W』へのオマージュ。

頭部や肩、背中などに『W』をモチーフとしたデザインが施されているが、腰のロングコートは、まるで『ウィザード』。だが、『リバイス』のデフォルトである「レックスゲノム」よりも普通のライダーっぽさはある。悪くない。

いきなりイーグル形態へリミックスしてトドメを刺してしまうため、カマキリ・デッドマンとのバトルはあっという間だが、高速で飛行しながらも敵をしっかり捉えることのできる高性能スコープを持っていることは表現されている。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

とはいえ、やはりカマキリ・デッドマンとの戦いは雑すぎる感じもする。

大二、闇堕ちの兆候?

前回、リバイスドライバーの適合者であるにも関わらず、ビビって変身することができなかった大二は、若林司令官の命令で、兄・一輝とフェニックスとの契約を結びに向かうが、その心中は複雑。

そんな大二の気持ちも知らず、「俺はいいから、大二が使えよ」などと能天気に語りかけてくる一輝に、冷静を装いながらも悔しさを滲ませる大二。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

家族ならではの残酷さというのが滲み出ている。

これはやはり、一度闇堕ちしてからの覚醒という流れで間違いなさそうである。

ぶつかりながら、乗り越えながら共に生きていく。そんな「家族」の姿をも描こうとしているのだろう。

まるでモモタロス

隙あらば悪魔の本性を現し、人を襲い、甘い言葉でたぶらかそうとするバイスに一輝は怒りをたぎらせる。

自分がライダーに変身すると同時にバイスは実体化してしまう。そのせいで誰かを危険に晒すことになると考えた一輝は、変身することなく、素面でデッドマンズに立ち向かうが、やはり普通のホモサピエンスでは勝ち目がない。デッドマンどころか、ザコにもフルボッコにされてしまうが、ボロボロになりながらも決して変身しようとはしない。バイスの「俺を使え」という声はガン無視。大二の悲痛な叫びにも耳を貸そうとはしない。前田さんの迫真の演技が光る。ボコられた後、左目が開かないような見せ方が上手い。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

「お前(バイス)を道連れに、死ぬまでこのまま戦い続ける。」と決死の覚悟を示す一輝に、ついにバイスが折れる。

「もう人は襲わない。世界のために戦う。これからは一輝の言うことを聞く」とひざまずくバイスに「契約完了だ」と変身する一輝。契約によって人の魂を奪う悪魔のお株を奪うやり取りだ。

一輝にひざまずくバイス
画像引用元:仮面ライダーリバイス

これは『電王』の第4話「鬼は外!僕はマジ」を彷彿とさせる展開。主人公の性格はまるで異なるが、基本的な流れはほぼ一緒だ。

そこで改めて『電王』を見直してみたら、泥棒の片棒を担いだモモタロスに怒りをあらわにした良太郎が、「もう一緒には戦えない」と、イマジンに一人で戦いを挑み、フルボッコにされるところからの、モモタロスの「ごめんなさーい!」で仲直りして大逆転という流れは完璧。

腰が引けた弱っちい良太郎から、オラオラ系のモモタロスへとシフトする高岩成二さんの演技も最高だ。

それにしても「最初から最後までクライマックス」という一言は、ヒーローのセリフとしては抜きん出ている。モモタロスの声優・関さんの力量もあってのことだとは思うが、何度聞いても胸が熱くなる。

やっぱり微妙な“リミックス”

今回もリバイとバイスの二人がギフジュニア(ザコ)たちを相手に暴れ回る。

前回で見せてくれたようなコンビネーションアタックは見られなかったが、キック主体で戦うリバイと、パワーで押すバイスの格闘戦はやはり楽しい。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

バイスが「あたたたたた!ほあたあっ!」という、80年代あたりにどこかで聞いた雄叫びと共に敵を拳で連打。その名も「悪魔百烈恐竜拳(あくまひゃくレックス拳)」。おっさん歓喜。子供たちイミフ。元ネタは言うまでもなく『北斗の拳』だ。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

ただし、トドメとして使われる「リミックス」は微妙だ。

今回は先述した二体の怪人を相手に、イーグルのリミックスとレックスのリミックスを披露したが、ほぼCGで描かれた生物に姿を変えた二人の合体技は、カッコ良さとは程遠いと個人的には思う。対象年齢が一気に下がる気がする。そこはスーパー戦隊に任せたら良いのに・・・。

リミックスイーグル
画像引用元:仮面ライダーリバイス
リミックスレックス
画像引用元:仮面ライダーリバイス

だから、ゲノムチェンジは楽しみだが、最後のリミックスは見なくて良い。前回使われた二人同時のスタンピング・フィニッシュ(ダブルライダーキック)が最高すぎたのも、リミックスが見劣りする原因だろう。

とはいえ、スポンサーの意向は裏切れないわけだから今後も続々と子供騙しのリミックスが登場することは想像に難くないが、せめてバトルシーンだけは二人のキレの良いアクション満載でお願いしたいと心から思う。

次回は『電王』モチーフのマンモスゲノムが登場の予定。『ゼロワン』ではこれでもかと気合の入った映像を見せてくれた杉原監督回のようだし、本当に楽しみである。

マンモスゲノム
画像引用元:仮面ライダーリバイス
雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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