2022年3月6日放送『仮面ライダーリバイス』第25話「よみがえる!ベイル!?五十嵐家の記憶」(監督:上堀内佳寿也 脚本:木下半太)
デモンズドライバーに潜んでいた悪魔・ベイルがついにその正体を現す。
五十嵐家の隠された過去と、狩崎家の隠された過去が絡み合う衝撃の展開。
重大なネタバレを含むので、未視聴の方はご注意を。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは今回のキャストをご紹介。
五十嵐一輝/仮面ライダージャックリバイス
前田拳太郎
バイス/仮面ライダージャックリバイス(声)
木村 昴
五十嵐大二/仮面ライダーライブ
日向 亘
五十嵐さくら/仮面ライダージャンヌ
井本彩花
ジョージ・狩崎
濱尾ノリタカ
アギレラ
浅倉 唯
オルテカ
関 隼汰
ベイル(声)
津田健次郎
ラブコフ(声)
伊藤美来
狩崎真澄(声)
藤 真秀
伊良部正造
西郷 豊
牛島太助
矢柴俊博
五十嵐幸実
映美くらら
赤石英雄
橋本じゅん
五十嵐元太
戸次重幸
その名はベイル
ジョージ・狩崎によってリミッターを解除されたはずのデモンズドライバーだったが、何故か思ったほどの力を発揮できず、一輝とさくらに惨敗してしまう。狩崎が何か小細工をしたと憤るオルテカにデモンズドライバーに宿った悪魔は「自分の意志だ」と語りかける。悪魔は自らを「ベイル」と名乗り、「わが家へ戻る」と言い残し、どこかへ飛び去ってしまう。
そのオルテカの前に、フェニックス長官・赤石英雄が現れる。赤石は「ギフ様の復活は目前」と、完全にギフに心酔している様子。しかも、両の手でオルテカの頬を包みこみ、「キミはやればできる子だ」と声をかける。成人男性にかける言葉としてはどこかおかしい。やはりオルテカは赤石の息子で決まりだろう。
オルテカは鬱憤を晴らすように信者たちを次々とギフテリアンへと変えていく。その様子を見るのに耐えきれず、オルテカを止めようとするアギレラに、「なら、お前が俺に従うか?」と容赦がない。屈辱に塗れながらも、それに従うアギレラ。
強大な力を持つギフテリアンを増やすということは、敵であるリバイスたちを倒せる確率が増えるというだけでなく、例え倒されたとしてもギフへの供物となるわけで、つまりギフを復活させるためには非常に有効な手段であるはずだ。デッドマンズベース崩壊後も、ギフの奪還と復活だけを望んできたはずのアギレラにとって、それは喜ばしいことではないのか?
しかし、この表情からは、とてもそう見えない。果たして、今のアギレラは何を望んでいるのだろう? いつになったら、あの笑顔が取り戻せるのだろう? 悪魔の力を失った玉置の「アギレラ様、スマーイル」の言葉が懐かしい。今回、いつもはしあわせ湯にいるはずの玉置の姿がなかった。前々回、アギレラが自分を突き放したのは「大切だったから」とさくらに聞かされたことが原因だろうか? 今度は玉置が、アギレラの心を救う番かもしれない。
狩崎真澄の過去
ウィークエンド代表・狩崎真澄が肌身離さず持っている何かの欠片は、少年時代のジョージ・狩崎が手に入れたもののようだ。
その真澄の前に「久しぶりだな」とベイルが現れる。前回のラスト、ウィークエンドに保管されていたデモンズドライバーに酷似したドライバーに憑依している。真澄とベイルは既知の間柄のようだし、ベイルの所有者というのも、真澄はわかっているようだが、牛島は何も知らない様子。真澄はその牛島に、自らの昔語りを始める。
50年前に南米で発見されたギフの棺とギフスタンプ。押印された人間を悪魔へと変えてしまうギフスタンプはオーパーツとして研究されるが、そのうち、軍事目的で利用されるようになったらしい。ありがちな話ではあるが、妙なリアリティがある。平和が一番だとわかってはいても、結局のところ人間は闘争本能にも欲望にも抗えないのだ。悲しいことに、科学は戦争のために進化していくという側面があることは否めない。
ギフスタンプの力を応用して悪魔の力を引き出し、その力を制御するために生み出されたのが、ご存じ「バイスタンプ」と「ドライバー」であり、それを開発したのが狩崎真澄だった。真澄は30年前、そのプロジェクトの責任者となる。しかし、この頃のドライバーには大きな欠点があった。それはデモンズドライバーのように、装着者の寿命が悪魔に奪われるということで、それを回避するためには、ギフの遺伝子を装着者の体内に移植するしかなかったらしい。
ある日、真澄の元に、瀕死の青年が運ばれてきた。真澄はその青年を生かすため、ギフの棺の修復能力を利用しようと、心臓にギフの体組織を移植したらしい。それによって青年は蘇生したが、世界初の事例に興味津々の研究者たちによって、モルモットにされ、ありとあらゆる人体実験をされたようだ。その青年とは・・・
五十嵐元太
それが、五十嵐元太。
オルテカに狙われた狩崎を救おうと戦う一輝たちの前に、ベイルドライバーを装着した元太が現れる。声はベイル。完全に乗っ取られている様子だ。
開いた右手を胸にかざす。ただそれだけのポーズだからこそ伝わる迫力というものがある。右手を開いて見せているのは、一輝たちが変身時に見せる“五十嵐ポーズ”に少し寄せているのかもしれない。失われていた心臓が蘇る。しかも、黒く。
カブトムシの能力を持つカブトバイスタンプを使って変身。デモンズドライバー同様、ドライバー上面に押印後、前面に押印。「破壊!(Break)世界!(Broke)奇々怪々!(Broken)仮面ライダーベイル」という変身音声が流れて変身完了。マスクの左側にあるパーツが、『仮面ライダーカブト』で、カブトがキャストオフした際にツノのパーツが起き上がるような動きを見せるのは狙っているとしか思えない。
軍事利用されていただけあって、その佇まいは他の仮面ライダーとはだいぶ趣が異なる。ガスマスクのようなマスクは、いかにもミリタリー系を想起させるが、ミリタリー系ライダーである「仮面ライダー4号」ともまた異なり、右肩の羽根などは、昔の陸軍将校のようなイメージを醸し出している。アトラスのゲームに登場した葛葉ライドウにも見える。最新型ではなく、最初期のプロトタイプといったイメージなのだろう。
そして、その力は異次元レベル。これまで圧倒的だったジャックリバイスでもまるで歯が立たないレベル(今回、両者は直接戦ってはいないが)だ。手も触れずに一撃でアギレラの変身を解き、2体のギフテリアンをも瞬殺してしまう。もちろん自身はノーダメージ。最後に見せた、ギフテリアンをガラス張りの建造物に叩きつけて動きを封じ、そのまま北斗百裂拳のような連打でトドメを刺すシーンは圧巻。降り注ぐガラス片の中、微動だにしないベイルの威圧感に震える。
あまりの出来事を前に呆然とする五十嵐三兄妹をも手にかけようとするが、一瞬蘇った元太の意志が、それを制する。そこには、いつもの頼りない元太は微塵もない。ここまでのひたすらコミカルな演技が、このベイルの凶暴性をグッと引き立てている。半年をかけて張られた伏線の効果は絶大である。
さらに、これによって、番組開始前から自分も変身してみたい、と語っていた戸次さんの夢は実現したワケだ。しかもこの仮面ライダーベイルの物語『リバイスレガシー 仮面ライダーベイル』がスピンオフとしてTTFC(東映特撮ファンクラブ)で配信されることも決まった。3月27日10時からということで、今から楽しみで仕方ない。
明かされた五十嵐三兄妹の秘密
そして今回、五十嵐家の過去も明らかにされた。18年前にしあわせ湯で起こった火災。
原因は、ベイル。自分を裏切った元太の幸せを奪おうとした、というから、おそらくは戦いの日々、もしくは実験動物にされる毎日に疲れた元太が、ベイルへの変身を拒み、逃げ出したのだろう。それを逆恨みしたベイルが巻き起こした事件であるようだ。
燃え盛る炎の中、恐怖に立ちすくむ一輝を救ったのがバイスだったことも明らかとなった。具体的にどうやって救ったのかは不明だが、絶体絶命の少年を救うために登場するとは、およそ悪魔らしくない所業である。ただし、「契約すれば助けてやる」と言ったバイスの「契約」に対し、一輝が何かを差し出さなければならなかったのでは? という疑問は残っている。その時の記憶もバイスによって消されていたらしい。今後、それについての説明がされるのか、「契約」というフワッとした話のまま終わるのかはわからない。
そして、なんと言っても、三人揃って仮面ライダーに変身できる(悪魔を使役できる)五十嵐三兄妹の秘密が、その出生にあることが判明したのは大きい。
絵に描いたような好青年である一輝がバイスを宿していたのは、心に闇を抱えていたからではなく、生まれついての才能だったというワケだ。家族のために、プロのサッカー選手になりたいという夢を捨てたことが心の中にしこりとして残っていて、それが闇を生んだのでは? なんて予想をしていたのだが、蓋を開けてみれば至ってシンプルな理由だった。ただし、ギフの遺伝子を持つ元太の子である兄妹三人がギフの末裔である、というのは、かなりショックな真実だ。多感なさくらなどは、このままグレてもおかしくない。やはりこのままウィークエンドに合流、となるのだろうか?
もう一つ、過去の火災の中で倒れていた女性は、若き日の妻の幸実だろうか? さくらそっくり(というか、井本さんの二役?)に見える。うろ覚えだが、以前、さくらは若い頃のママにそっくり、みたいなセリフがあった気がする。
とすれば、今回、さくらを見たベイルが「ようやく殺せる」と口にしたのは、若き日の幸実と見間違ったからではないのか。18年前、歯牙にかけようとした元太の家族をようやく殺せる、とも取れそうだが、18年目にはさくらはまだ生まれていない。そのさくらを見て「ようやく」と口にしたのには必ず意味がある。番組開始当初、バイスが幸実に「美味そう」と異常な執着を見せたのも気にかかっていたし、幸実にも何かしらの秘密がありそうではある。
次回は、大二がカゲロウと決着をつけるようだ。新たなフォーム、ホーリーライブ爆誕に期待しよう。
そして、今回の大二の言葉「ラブコフにも何か異変が起きてるんじゃないのか?」は、ラブコフ成長のフラグだろう。こちらも楽しみである。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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