「春の声優祭り」第1弾!|『仮面ライダーリバイス』第30話感想

雷堂

2022年4月10日放送『仮面ライダーリバイス』第30話「声優!SAY ME!青春のあとしまつ」(監督:杉原輝昭 脚本:木下半太)

春の声優祭り!とも言えるお祭りムード。

前回の総集編に引き続いて、また箸休め的な展開かと思ったが、どうやら完全に勘違いだったようだ。

タイトルからは思いもよらないシリアスな展開。

第30話の見どころを中心にレビューする。ネタバレもあるが、最後までおつきあいいただければ幸いだ。

目次

キャスト

ここでは今回のキャストをご紹介。本作初登場でウィキペディアに記載のある方についてはリンクを貼っておくので、他の参加作品なども是非チェックしていただきたい。

なお、ここで掲載している画像は全て『仮面ライダーリバイス』より引用している。

五十嵐一輝

五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ

前田拳太郎

バイス

バイス/仮面ライダーバイス(声)

木村 昴

五十嵐大二

五十嵐大二

日向 亘

五十嵐さくら

五十嵐さくら

井本彩花

ジョージ・狩崎

ジョージ・狩崎

濱尾ノリタカ

アギレラ

アギレラ

浅倉 唯

玉置豪

玉置 豪

八条院蔵人

牛島光

牛島 光

奥 智哉

御子柴朱美

御子柴朱美

藤岡沙也香

狩崎真澄

狩崎真澄(声)

藤 真秀

木村昴

木村 昴

ジーコ

池山浩二

坂田秀晃

サーベルタイガー・デッドマン

サーベルタイガーデッドマン(声)

河合我聞

五十嵐幸実と五十嵐さくら

五十嵐幸実

映美くらら(画像左側)

赤石英雄

橋本じゅん

声優祭り

今回はタイトルからも明らかなように、声優祭りである。全員本人役というのが、ファンにはたまらないポイントだろう。

まずはバイスの声を演じる木村 昴さん。

一輝が高校生の頃、所属していたサッカー部のOBという役どころで、当時はコーチングもしていたらしい。とりあえず顔出しで出演させちゃいました、といった雰囲気ではなく、あからさまに今回のキーマンであることが窺える。

さらに、鈴村健一さんと神谷浩史さんが登場する。

おふたりは、10年も前から文化放送で『仮面ラジレンジャー』というラジオ番組をやっておられるが、今回はそのパロディーとして、『ごめんラジデンワ』という番組のパーソナリティーとして登場する。

リスナーの懺悔を聞くという、誰得な謎番組。東映公認の『ラジレンジャー』ではおなじみの「今夜もラジオの前で僕たちと握手!」という台詞は、「今夜もラジオの前で僕たちと懺悔!」という台詞に置き換えられている。どこかの宗教団体公認番組かもしれない。

そして今回は、リバイとバイスがゲストに登場するという謎展開。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

懺悔の番組に悪魔呼んじゃダメだろ、とも思うが、絵面がカオスすぎるので許す。

一輝とジーコ

画像引用元:仮面ライダーリバイス

一輝が高校時代に所属していたサッカー部の同窓会で、「ジーコ」というあだ名の同級生に遭遇する。

“池山浩二(イケヤマコウジ)→ コウジ → コージ → ジーコ”という変換がなされたものだろう。あまりにも偉大な人と同じ名で呼ばれることは、それだけで結構なプレッシャーであるが、このジーコはプロサッカー選手を目指すくらいには技量が高かったようである。

余談ではあるが、私の地元には、「真砂(まさご)ペレ集団」という、サッカーの王様・ペレの名を冠した小学生のサッカーチームがあった。ペレの名はあるものの、字面だけ見ると、何だかいかがわしい団体に見える。しかし、小学生当時、サッカーにほとんど興味のなかった私は噂で聞いたレベルでしかないが、結構強かったようだ。名前負けしたくない、という想いも働くのかもしれない。ジーコも同じかもしれない。

そのジーコに人懐っこく話しかける一輝だが、何だかジーコは微妙な空気感で返事もしない。それを木村 昴さんがフォローする。今は声優を目指しているらしい。

それを聞いた一輝の「サッカー辞めたのか?」の一言に逆上するジーコ。それまでワイワイと楽しそうだったパーティー会場も水を打ったように静まり返る。「アイツ、やっちゃったよ」みたいな空気も流れるが、当の一輝は、何故怒らせてしまったのか、全くわかっていない様子だ。

果たしてふたりの間に何があったのだろう?

ラフレシアとサーベルタイガー

ラジオ局に現れたラフレシア・デッドマン。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

ラフレシア・デッドマン

身長:214.6cm

体重:133.8kg

特技:幻覚作用を持つ悪臭

文化放送を舞台に大迫力のアクションが繰り広げられる。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

ラフレシア・デッドマンが発するとんでもない悪臭に苦戦する一輝とバイス。プウ〜ッというオナラのような効果音もあって、ただのお笑いネタだとばかり思っていたが、どうやらそうではないらしい。

物語後半で、一輝は倒したはずのサーベルタイガー・デッドマンに再会する。ギフが復活したためだろうか? しかし、何だかおかしい。

と、思っていたら、しあわせ湯で一輝が我を忘れて大暴れしていた。どうやら幻覚を見ているようだ。これこそがラフレシア・デッドマンの能力。あの悪臭の正体のようだ。

その一輝にぶっ飛ばされた玉置の「ぶったね!親父にも殴られたことないのに!」の一言は、『機動戦士ガンダム』のあの名台詞だが、子どもたちにはわかるまい。これは酸いも甘いも嗅ぎ分けた大人だけが味わえる楽しみである。

アギレラとさくら

当初は悪魔崇拝組織デッドマンズで、ギフの花嫁と盛り立てられていたにも関わらず、実は単なる操り人形でしかなかったアギレラ。ついには、ギフ本人にまで見限られてしまったことで、アギレラでいる意味を失ったのだろう。トレードマークの真っ赤なドレスを火に焚べる。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

そこには、過去への決別以上に強い意志が垣間見える。

それとは対称的に、正式にウィークエンドに参加したさくら。ショーパンが眩しい。コレは坂本浩一監督だろうと思ったら、まさかの杉原輝昭監督である。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

別れと出会い。

この対称的な2人は、これからどうなっていくのだろう?

大二もホーリーライブへと進化を果たした今、残されたのはジャンヌの新フォームであるが、登場するとすれば、ラブコフがパワーアップするか、アギレラと融合するか、くらいしか浮かばない(もちろん、狩崎親子のどちらかが開発する新バイスタンプありきだろうけれど)。

ドラマチックなのは、圧倒的に後者だろう。ただし、アギレラが悪魔としてラブコフと融合してしまうというのは、アギレラがこれから人として生きる道を失うということになる。さくらの中で生き続ける、という展開もアリだとは思うが、アギレラは悪魔と切り離され、ラブコフはさくらの精神的成長と共にパワーアップという展開が、一番平和な解決方法だろう。

アギレラが人としての名前を取り戻し、しあわせ湯の看板娘になる日も近いかもしれない。こんな予想は軽く裏切られるかもしれないが、いずれにしても今後に期待大である。

それと、赤石英雄だ。

狩崎真澄によってもたらされた1枚の写真。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

それはノアと呼ばれる組織で、数十年前に撮られた集合写真。その当時から歳をとっていないという赤石だが、誕生日を見ると。1964年である。

画像引用元:仮面ライダーリバイス

単なる老け顔の可能性もあるが、そういうことではないのだろう。ギフの末裔という可能性もあるらしい。それが事実かどうかは現時点では不明だが、五十嵐一家との因縁は深そうだ。そして、その赤石の前に現れたバイスそっくりな悪魔の正体は何だろう?

画像引用元:仮面ライダーリバイス

その赤石をフェニックス腐敗の元凶だと決めつけて、追い詰め、フェニックスを正しい組織にしたいと熱っぽく語る大二を諌める御子柴の「正しいっていう言葉を簡単に使うほうが危ない」という一言は、主題歌の「正しさで裁き合う」という一節を想起させる。

思えば、仮面ライダー(特に平成以降)は、それぞれが考える「正しさ」をぶつけ合うことの功罪を問う物語だ。

ヒーローたちは、常に「正義」を理由に戦うが、それぞれが信じる「正義」は異なるものだ。なのに、それぞれに「これこそが正義だ」と信じているから曲げられない。ゆえに一度ぶつかったら、どちらかが折れてしまうまでその衝突は止まらない。それによって救われる者もいれば、道を失う者もいるし、そもそも止まらぬ争いの原因のひとつでもあるだろう。

こういった根源的な問題を子どもたちにも理解しやすい英雄譚によって見せてきたのが仮面ライダーだ。そういった伝統は『リバイス』にもしっかり受け継がれている。

後半戦も目くるめく展開を見せてくれる『リバイス』には期待しかない。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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