2022年7月17日放送『仮面ライダーリバイス』第44話「全身全霊をかけて、決断の行方」(監督:柴﨑貴行 脚本:木下半太)
人類を救うため、ギフと契約を結ぼうとする五十嵐大二。
暴走し続ける正義感の向かう先は自己破滅の道しかないのか?
大二の暴走を止められるのは、誰だ?
緊迫の第44話をレビュー。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは第44話のキャストをご紹介する。
なお、以下の画像は全て『仮面ライダーリバイス』より引用している。
五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ
前田拳太郎
バイス/仮面ライダーバイス(声)
木村 昴
五十嵐大二/仮面ライダーホーリーライブ
日向 亘
五十嵐さくら/仮面ライダージャンヌ
井本彩花
ジョージ・狩崎
濱尾ノリタカ
夏木 花
浅倉 唯
玉置 豪
八条院蔵人
オルテカ
関 隼汰
牛島 光
奥 智哉
門田ヒロミ
小松準弥
ギフ(声)
井上和彦
ラブコフ(声)
伊藤美来
狩崎真澄(声)
藤 真秀
五十嵐幸実
映美くらら
語るギフ
ついに、ギフが口を開く。CVは井上和彦さん。やっぱりいい声。先週の『ドンブラ』出演に続いて『リバイス』も出演とは、驚きである。
という余談は置いておいて。我々が言う「悪魔」とは、生物が放つ悪性のエネルギーのことらしい。ギフはそれを食糧にしていると言う。やはり、ギフ自体は悪魔ではなく、地球外生命体なのだ。ただ、ギフの恐ろしげな容姿や脅威的な力を目にした人類が、畏怖を込めて呼んだのだろう。「悪魔」と。
人類は、素晴らしい悪魔を生み出す種族だと言う。
ギフにとって、そんな人類が生きる地球は「楽園」だった。座っているだけで次々と絶品料理が運ばれてくる5つ星レストランのようなものなのかもしれない。
しかし、そんな人類をギフは滅ぼそうとしている。それは何故か?
「進化すればするほど人間の闇は極まった。このままでは自ら破滅に向かい絶滅する。だから調整が必要だ」
??????
先述した「素晴らしい悪魔」とは、人間の闇深さが生むものではないのか? だとしたら、闇が極まった方が、より素晴らしい悪魔が生まれるということではないのか?
それとも、闇が深いのは良いけれど、それにしたって程がある、ということなのか? 味が濃いのは好きだけど、流石にこれ以上濃くなったら食べられないよ、みたいなものか? よくわからない。
それに、人間が生み出す悪魔を食糧にする、というわりには、人々から生まれるギフジュニアやギフデモスらは配下のように従えているだけで食べた様子はない。
なんだか全てが取ってつけたような展開になっていることに不安を感じる。最近、別記事に書いたのだが、あれだけ面白かった『リバイス』が失速している理由はこういったところにありそうだ。
ところで、今回ギフは五十嵐一家の特殊性を面白がっていた。普通は、体外に排出した悪魔を制御することなどできないらしい。それを可能にしているのは、自らの遺伝子を持っていることが原因だろうと予想し、そんな五十嵐一家を「家族」と呼ぶギフ。ここでも本作のテーマ「家族」が登場する。つまり、ギフと五十嵐一家との戦いは、仮面ライダーが根源的に抱えているテーマ「同族殺し」そのものとなるわけだ。
50周年記念作品だけあって、原点へのオマージュを忘れないのは流石である。
全身全霊をかけて・・・デモンズ復活!
復帰後は最前線で戦うことのできなかった門田ヒロミがついに、その禁を破る時が来た。
デモンズドライバーに生命エネルギーを吸収され、体内年齢が80歳オーバーになっているというのだから、仮面ライダーになることが難しいのは誰にでもわかるだろう。言ってみれば、御年80歳のスーツアクターが、門田ヒロミという着ぐるみの中に入っているのと同じ状態なのだから。
そんな身体に鞭打って、ヒロミが変身したのは、ひとえに大二のためである。
かつての後輩であり、同志だった男のため、ヒロミは全身全霊をかけてデモンズへと変身する。
「我が命をかけて!」という以前の決め台詞は大好きだったが、今回は意気込みではなく、本当に命懸けのミッションだ。「その台詞は二度と口にするな」と静かに凄むジョージ・狩崎の想いが画面越しに伝わる。
満身創痍のヒロミが、大二の全てを赦すように寄り添うシーンは今回一番の見どころだ。
泣き崩れる大二。
自らの悪魔・カゲロウを葬り去ったことが、間違いでなかったと信じたい気持ちに縛られていたのだろう。最後にあんな優しさを見せられたら、誰だってきっとそうなる。自らの歩いてきた道が間違いだった、などと信じたくないのは誰でも一緒だ。
そんな誰にも言えなかった想いが溢れる。
一粒の涙がホーリーウイングバイスタンプに零れた時、真っ白だったバイスタンプが白と黒に染まる。
エビリティライブ爆誕!
カゲロウ復活。
なんとなく予想はしていたが、やはり正しさだけでは生きていけない。人間は清濁併せ持ってこそ、なのだ。
正しさだけで真っ白に染まっていたホーリーウイングは、闇をも飲み込んだ「パーフェクトウイング」へと姿を変えた。
大二とカゲロウが並んで変身する様に胸が熱くなる。というか、二役を演じる日向さんの成長ぶりに、ただただ驚く。
「Wings for the future!・・・Fly high! パーフェクトアップ!仮面ライダーエビリティライブ! I’m Perfect!」
変身音は、ホーリーライブをアレンジしたものとなっている。
仮面ライダーエビリティライブ
身長:197.9cm
体重:110.0kg
パンチ力:77.3t
キック力:141.6t
ジャンプ力:154.4m(ひと跳び)
走力:1.0秒(100m)
必殺技:エビリティパーフェクトフィニッシュ・エビリティパーフェクトフィナーレ
白と黒のコントラストが美しい。パーフェクトウイングと名乗るだけあって、こちらこそが真の姿であることは一目瞭然。ただしパワーに関しては、ホーリーライブを上回る程度(パンチ力:66.2t→77.3t、キック力:121.3t→141.6t、ジャンプ力:97.5m→154.4m、走力:1.3秒/100m→1.0秒/100m)で、相変わらずギファードレックス(※リバイの場合 パンチ力:83.7t、キック力:308.1t、ジャンプ力:270.7m、走力:0.8秒/100m)には遠く及ばない。
しかし、今回はエビリティライブ初登場回でもあるゆえ、とどめは大二が担当する。
大二の発案で、一輝とバイスが持つギフの力でゲートを開き、そこにギフを封印しようと言うのだが、そんな作戦で大丈夫なのか? 例えるなら、ギフが住んでいる家の合鍵を手に入れて、ギフを閉じ込める、といった作戦に聞こえるのだが・・・。ギフがその家の鍵を持っている限り、いつでも自由に出入りできそうだが違うのだろうか?
違和感は消えないけれど、底なしの力を持つギフの息の根を止めるよりは、封印する方が現実的というのは理解できる。『ドラゴンボール』でピッコロ大魔王を魔封波で・・・というのにちょっと似ている。
一輝とバイスによって開いたゲートに、大二がギフを蹴り込んで封印に成功・・・したかに見えた。あまりにもあっけない。とはいえ、まだ1ヶ月ほど放送期間もあるし、これで終わりということは絶対にないことはわかっているが、いくらエビリティライブ初登場回だからと言っても、下駄を履かせ過ぎに見えてしまうが、ようやく大二が笑顔を取り戻したのは朗報だ。
カゲロウは相変わらず「カレー食わせろ」とキレンジャー属性剥き出しだったが。
さよなら真澄。オルテカは再び?
前回、少年時代に父・狩崎真澄から悪魔を体内に移植されたと衝撃の告白を受けたジョージは、真澄への反発を強める。
真澄が生死の瀬戸際を彷徨っている時も、デモンズドライバーの調整を優先する始末。夏木 花に「後悔する前に・・・」とたしなめられても、だ。
そうしてようやく真澄の元へと向かったジョージの前には、静かに眠る真澄の遺体があった。
後悔先に立たず、である。
哀しみに暮れる狩崎親子とは対照的に、大二が戻り、ギフをも倒した五十嵐親子の表情は明るい。
その影で、ひっそりと現世へと戻ってきたかに見えたオルテカ。オールアップしたはずだが、ここに来て異例の再抜擢。最終盤でどのような姿を見せるのだろう?
残り5〜6話。
既に倒したかに見えたギフがこのまま終わったはずもない。
次回はバイスが悪魔として覚醒? 最終盤に向けて、さらにもう一段のシフトチェンジがされるようだ。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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