2022年8月7日放送『仮面ライダーリバイス』第47話「狩崎の反乱、変身の代償」(監督:上堀内佳寿也 脚本:木下半太)
父・狩崎真澄を失ったジョージ・狩崎は、果てしない闇へと転がり落ちているようだった。
ジョージの身体を心配する門田ヒロミの心配をよそに、ついに新たなドライバーを完成させる。
ジョージ・狩崎を演じる濱尾ノリタカさんは、生粋のライダーファンとして名を馳せてきたにも関わらず、ここまでの物語の中で変身できたのは1回だけ。しかも変身した仮面ライダーデモンズは、ヒロミとオルテカの着回しだ。
最近のライダーでよく見られる、キャストの思い出作りのような新ライダーへの変身には正直うんざりするところもあるのだが、濱尾さんほどガチだと、流石に誰かの着回しではかわいそうな気もしていたので、ここでついにオリジナルライダーに変身することには感動すら覚えるし、心から祝福したいと思う。
ネタバレはあるが、これから視聴する楽しみを奪うほどではないはずだ。最後までおつきあいいただければ幸いである。
キャスト
ここでは第47話のキャストをご紹介する。
なお、以下の画像は全て『仮面ライダーリバイス』より引用している。
五十嵐一輝
前田拳太郎
バイス/仮面ライダーバイス(声)
木村 昴
五十嵐大二/カゲロウ/仮面ライダーエビリティライブ
日向 亘
五十嵐さくら/仮面ライダージャンヌ
井本彩花
ジョージ・狩崎/仮面ライダージュウガ
濱尾ノリタカ
夏木 花
玉置 豪/仮面ライダーオーバーデモンズ※画像左
八条院蔵人
牛島 光
奥 智哉
門田ヒロミ
小松準弥
ラブコフ(声)
伊藤美来
ボン
宇佐卓真
コメンテーター
三島ゆたか
アナウンサー※TV画面右
安藤聡海
五十嵐幸実
映美くらら
五十嵐元太
戸次重幸
ジュウガ
今度こそギフを倒した五十嵐三兄妹。
これで本当に全て終わったのか? ということについては疑問を持つ者もいないわけではなかったが、それでもみんなが以前のように笑顔を取り戻し、平凡で、しかし平和な毎日を送っているように見えた。
しかし、どうやら全ての問題が片付いたわけではなかったようだ。
ギフが消滅し、いよいよ自らの罪滅ぼしの時と覚悟を決めた夏木 花と玉置 豪が何者かに襲われる。
それは、新たなライダー。
ジュウガと名乗るそのライダーは、ジョージ・狩崎が完成させた、悪魔の力を必要としない全く新たなジュウガドライバー(劇場版バトルファミリアに登場したキメラドライバーを基に完成させたもの)とジュウガバイスタンプで変身する究極のライダーだった。
仮面ライダージュウガ
身長:204.9cm
体重:120.8kg
パンチ力:92.5t
キック力:240.6t
ジャンプ力:188.6m(ひと飛び)
走力:0.6秒(100m)
必殺技:インパルスゲノムフィニッシュ、クラッシュゲノムフィニッシュ、パワードゲノムフィニッシュ、ジュウガアメイジングフィニッシュ
リバイスシステムで使われた10の生物種(レックス、イーグル、マンモス、プテラ、ライオン、ジャッカル、コング、カマキリ、ブラキオ、メガロドン)の力を使うということに加え、ジョージ役の濱尾さんが生粋の『クウガ』好きということで「9(クウ)を超えるもの」として10(ジュウ)と名付けられたのではないか? ネット上でも同様の意見が多数見受けられる。
実際、黒と金のカラーリング、肩などの尖ったデザインに、クウガアルティメットフォームの雰囲気が漂う。『仮面ライダーリバイス』WEBサイトに掲載されているジュウガの説明ページには、「変身者を10種の生物の力を従える凄まじき戦士とする」という一文がある(「胸部装甲ティターンブロッカー」の部分)が、その力はクウガどころか、本作最強のアルティメットリバイをもキック力以外の全ての項目で上回るという驚異的なもの。まさに「凄まじき戦士」である。
このジュウガ、かなりカッコいい。ラスボスにありがちな、あれもこれもついてます、といったゴテゴテ感が少ないところに、むしろ凄みを感じる。『ドラゴンボール』におけるフリーザの最終形態みたいなものだろう。シンプルになるほど、物事も強さも研ぎ澄まされるのだ。
変身音は、「スクランブル! 十種の遺伝子 強き志 爆ぜろ 吠えろ 超越せよ 仮面ライダージュウガ Go Over…!」。
両手をクロスさせ、「十」の字をかたどる。五十嵐ポーズに酷似しているが、ジュウガの十なのだろう。アギレラ、オーバーデモンズをあっさり倒し、アルティメットバイスをも手玉に取るその強さは異常とも言える。
狩崎の目的は、現存する全てのライダーシステムを破壊することらしい。それは悪魔の力を用いる兵器の根絶を意味する。これまでの騒動の根幹にギフと悪魔の存在があることは確かだ。ギフが消滅したにも関わらず、今なお残る悪魔の力をも抹消することで将来の不安を解消しようという狙いはわかる。
しかし、これまで生死を共にしてきた仲間たちに躊躇なく襲いかかる狩崎には、狂気しか感じない。何が彼を突き動かしているのか? 父・真澄を狂わせ、そしてついにはその命まで奪い去ったギフや悪魔への復讐だろうか?
全ては忘却の彼方へ…
バイスの力を使うたびに記憶が失われていくという厄介な状況にある一輝は前回、しあわせ湯での作戦会議の際「風呂に入ってスッキリしよう!」と言ったバイスに「どこの風呂に入るんだよ?」と、そこが銭湯であることさえ忘れてしまっているような様子を見せた。その時は大二の勘違いで事なきを得たが、バイスだけはその違和感に気づいている様子だった。
ところが今回は、帰宅した両親に「お客さん」と呼びかけてしまう。ついに家族の顔さえわからなくなってしまったのか・・・
絶句する五十嵐家の面々。元太は必死に平静を装うが、幸実は珍しく取り乱してしまう。大二もさくらもショックを隠せない。というか、大二とさくらはこれまで一輝の症状に気づいてさえいなかったようだ。
大二は、これ以上一輝が記憶を失うことのないよう、狩崎に自分たちの持つドライバーを渡して終わりにしようと目論むが、「それじゃ意味がない」と謎の言葉を呟き、殴りかかる狩崎。
エビリティライブとインビンシブルジャンヌの二人がかりでも止めることができない。圧巻の強さだ。
欲しかったもの
「手加減できないけど、いい?」と問いかけるさくらに「嬉しいよ。その方が証明できる」と答える狩崎は過去に「ダディ、あんたを超えてみせる」と言っていた。彼が欲しかったのは「証明」だった。それは父を超えること。自らの中に潜む悪魔・シックを幼いジョージに移植し、家族を捨てた身勝手な男は、ジョージを科学の道へと誘った偉大な科学者でもあった。その父を超えることは、ある意味で復讐であり、もう一方では、成長した自分を認めて欲しいという承認欲求だった。ここにもしっかりと「家族」の問題が浮き彫りとなる。
それを証明するためにジョージが開発を進めていたのが、悪魔の力に頼らないジュウガシステムだった。悪魔の力に頼らなければ作動しない真澄の作り上げたシステムの欠点を見事に解消するものである。ところが、そのシステムが完成する前に真澄は死んでしまった。思い返せば、真澄の容態が危険なことを伝える花を無視してまで研究に没頭していたのは、真澄が生きているうちにこのシステムを完成させたい、という必死さの現れだったようにも見える。
花と玉置を倒して手に入れたウィークエンドライバーとデモンズドライバーを真澄の墓標に放り投げる様子からは、真澄を超えたと実感できなかったことに対する苛立ちが見てとれる。だからこそ、悪魔の力を持つライダーたちを駆逐し、自らの開発したジュウガの性能を証明しようとしているのだろう。
暴走する狩崎を止めようと一輝が立ち上がる。しかし、これ以上戦えば間違いなく大二やさくらのことも忘れてしまうだろう。
必死で止めようとするバイスの制止を振り切る一輝。
狩崎の真の狙いもわからぬまま、物語は最終局面へとなだれ込む。いい感じで盛り上がってきた。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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