動画配信サービス「TELASA」で限定配信されている『仮面ライダーセイバー』のスピンオフ作品、剣士列伝「仮面ライダーブレイズ」をレビュー。
「Chapter 15.5」と銘打たれており、第15章「覚悟を超えた、その先に。」の後の物語となっている。
賢人を失い、失意の底にいる倫太郎の苦悩と、彼の過去に関することが描かれている。
忖度なしに感じたまま書いているけれど、最後までおつきあいいただければ幸いだ。
スタッフ・キャスト
ここでは主要スタッフとキャストをご紹介する。ウィキペディアに記載のある方はリンクを貼っておくので、是非、他の参加作品もチェックしていただきたい。
【スタッフ】
監督:坂本浩一
脚本:金子香緒里
アクション監督:渡辺 淳
特撮監督:佛田 洋
音楽:山下康介
【キャスト】
新堂倫太郎/仮面ライダーブレイズ:山口貴也
須藤芽依:川津明日香
長嶺謙信:三上真史
幼い倫太郎:大野遥斗
ズオスの声:才川コージ
タッセル:レ・ロマネスクTOBI
倫太郎の半生

本編でも語られてきたが、倫太郎には両親がいない。
そこをソードオブロゴスに拾われ、水の剣士に弟子入りしてこれまで過ごしてきたらしい。
しかし、詳細は一切不明である。両親に捨てられたのか、それとも両親は不慮の事故などで命を落としてしまったのか、そういったことは本編では全く触れられていない。どういった経緯で、謎の異次元組織ソードオブロゴスに拾われたのか、何故、剣士への道を歩ことになったのかといったことがまるでわからない。だから同情も共感も中途半端にしかできない。こういった事情こそが視聴者の共感を呼ぶポイントだと思うのだが・・・。
とりあえずそこには目をつぶるとして、両親がいない倫太郎にとって、組織ソードオブロゴスは家であり、そこにいるみんなは家族である。
その家族の一人である賢人が闇に飲み込まれて消えてしまった。
倫太郎のメンタルは完全にドン底である。
その倫太郎を励まそうと、芽依は倫太郎に関するこれまでの思い出を語り聞かせる。なんだかスピンオフというよりは、ここまでの総集編的でもある。
家族写真

しかし本作は、剣士列伝の中ではベストエピソードである。
前話となる「仮面ライダーエスパーダ」とセットで見なければ意味がわからないという煩わしさはあるものの、仲間を想う倫太郎の気持ちは伝わってくるし、それを「家族写真」というキーワードで締め括ったラストはなかなか良かった。
商店街の福引きで引き当てた「チェキ」を嬉しそうに抱え、「みんなで家族写真を撮りたい」と語る倫太郎の姿にはちょっと泣ける。
しかし、組織での生活しか知らないから、カメラのこともよく知らないし、写真を撮ったこともない、みたいな話をしていたところには違和感しかなかった。
少し前に、上條と賢人の父・隼人とソフィアの3人で撮った写真が登場していることからも、ソードオブロゴスにカメラがないということはなかろう。スマホを使いこなす剣士たちの言葉とも思えない。

とはいえ、前話「仮面ライダーエスパーダ」から繋がるラストの写真は悪くなかった。親しい仲でも知らない顔があったことに気づく瞬間。本人がこの世にいなくなってから、それに気づいた時の悲しさと、それでも知ることができた嬉しさとが混ぜこぜになったやるせなさを、倫太郎役の山口さんは上手く表現している。それを見守る芽依の優しい眼差しもまた印象的である。
物語序盤からヒロインというより、コメディエンヌとして扱われている感のある芽依だが、こうして物語を見てくると、この娘ナシではあり得ないくらいの存在感を発揮しているのが面白い。
本作を視聴するには
冒頭にも書いたとおり、本作は「TELASA」で限定配信されているため、視聴するには「TELASA」への登録が必須である。しかし、このスピンオフだけを視聴するために登録することは心からオススメしない。
私はとりあえず全ての作品を見たいという理由で登録したが、こうしてレビューをまとめたらすぐに退会する予定だ。また独占作品が配信されれば、そのタイミングで再度登録するとは思うが、ひとまず「TELASA」で他に見たい番組はない。
もしもご興味があるのなら、「TELASA」には初回登録時に、15日間の無料お試し期間が設けられているので、とりあえずその期間内に見てみることは悪くないとは思う。しかし、これだけでは欲求不満になるはずなので、どうせなら同じく「TELASA」で限定配信されている『RIDER TIME 仮面ライダージオウVSディケイド〜7人のジオウ!〜』も視聴することをオススメしたい。
こちらは「奥野壮がいっぱい」「ディケイドの新フォーム」といったキーワードに反応する方にはオススメである。少なくとも剣士列伝よりは絶対に面白い。

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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