チョコボールなのに「きなこ玉」。
チョコボール「きなこ味」ではなく、きなこ玉。
そもそもチョコ玉だからチョコボールなのであって、それなのにきなこ玉とは??
考えれば考えるほどにワケがわからなくなるこの商品。
数あるチョコボールのバリエーションの中でも、「あんこ玉」と並んで異彩を放つ「きなこ玉」。
なぜ、チョコボールのバリエーションにこれを加えたのか?
パッケージを眺めていても疑問しか湧きませんでしたが、食べたらすぐにわかりました。
どうぞ最後までお付き合いください。
パッケージ
同じ和風の「あんこ玉」とは色違いのパッケージ。『ドラゴンクエスト』ならスライムとスライムベスのような関係。どちらが強いスライムベスなのかは、きなこ派とあんこ派の争いになってしまうので、それぞれの脳内で完結してもらえたら、と思いますが、どちらかといえば、私はあんこ派。
しかし、キョロちゃんのイラストがなければ、まさかこれがチョコボールだとは思わないでしょう。そのくらい、パッケージから感じるチョコボール感はゼロ。
それにしても着物姿のキョロちゃんのイラストは、なんだか違和感があります。見れば見るほど感じるのは”妖怪”感。いや、かわいいのは間違いないけれど、どこか引っかかる・・・と思って見ていたら、普段は存在しない”腕”があります。さらに正座していることで、首から下が人間のように感じるのかも知れません。
鳥人間? キョロちゃんの被り物をしている人間? どちらにせよ、想像するとなかなかのホラーテイスト。ちなみに鳥人間コンテストをディスっているわけではありません。
普段見えない腕(羽?)が見え、普段見えている足が見えないだけで、これだけの違和感。デザインひとつでここまで印象が変わるというのは面白いですね。
ちなみにパッケージは、箱ではなく、ジップロックタイプになっています。食べたいときに食べたいだけ食べて保管しやすい形。箱売りの通常サイズよりは、チョコボールのサイズは大きく、封入された個数も多くなっています。価格的にも大人に向けられた商品と言って良いでしょう。
チョコボールではなく「きなこ玉」
「手軽につまめる和菓子風」を標榜する変わり種なだけに、見た目もやっぱりチョコボール感は薄いです。和菓子には疎いので、こんな形の和菓子があるのかはわかりませんけれども、パッと見は、まるで粉菓子です。
そもそも、どこにチョコを使っているのかが全然わかりません。
同じく和風なチョコボール「あんこ玉」と比べると、より粉っぽく(指に粉が付着するようなことはありません。あくまでも雰囲気)、和菓子感は上。
パッケージに描かれた断面には他のチョコボールのように素材の表記がないため、詳しいことはわかりませんが、ピーナッツなどが入っていないことだけは確か。
それもあって、ほろほろと口の中でほどけていく感覚は、まさに粉菓子のそれ。加えて、中心部のきなこ味のチョコはちょっと硬めで、カリッとした食感も楽しめます。それがチョコボールっぽさを感じられる唯一の部分と言えます。
きなこをたっぷりふりかけた、よもぎ餅のような味ですが、当然”餅感”はゼロ。個人的には、この味付けなら、その餅感こそが欲しかったのですが、だとしたら、チョコボールでなくて良いのでしょうから、この食感の作り方はチョコボールを名乗る上では必然だったと言えるでしょう。
正直に言えば、粉菓子があまり得意ではない私からすると、再度購入するのは躊躇われるほどの和菓子感がありました。裏を返せば、和菓子好きにはたまらない一品となるはず。
要するに、チョコボール購入層を拡げるための商品なんですね。「チョコボールのなかみ」と一緒。従来の路線では取り込めなかった、大人たちをも取り込むための戦略がこれらの新しいラインなのでしょう。
想像でしかありませんが、洋菓子の重さが気になり始めた40代より上の年齢層に向けた優しい甘さの和菓子っぽい「きなこ玉」と「あんこ玉」。
甘いものには興味がない男性陣、特にお酒が好きな人たちにアピールするための「チョコボールのなかみ」といった具合。
こういった弛まぬ歩みこそが、チョコボールという商品が誕生から半世紀を超えてなお、愛されている理由に違いありません。
購入するには
私は2021年1月にファミリーマートで購入しましたが、その時は期間もしくは数量限定で、いつの間にか店頭から姿を消していました。
しかし、2021年6月からファミリーマートで先行発売となっており、実際、私の住むエリアでは、どこのファミリーマートに行っても置いてあるようです。価格は税込173円。
「先行発売」ということは、今後レギュラー化していくのかもしれませんが、確かに「あんこ玉」同様、従来のチョコボールでは拾えなかった層を取り込むことができそうなシリーズではあります。
和菓子好きな方は、見かけたら是非、一度は手に取っていただきたいと思います。
それではここまでお読みいただきありがとうございました。