短編3D映画『仮面ライダーワールド』感想|辛口レビュー【ネタバレあり】

雷堂

残念。

それが、1994年に東映のイベントで上映された仮面ライダー3D映画第2弾「仮面ライダーワールド」を見た率直な感想である。

画像引用元:仮面ライダーワールド

たかだか9分ほどの超短編であり、ストーリーで魅せるというよりは、とにかく3D映像を見せるための映画なので仕方ないとも思うが、昔の特撮を見た時に感じる「今見ると残念」というレベルではなく、おそらく当時見ても同じ感想を持ったに違いない。

視聴後の私は、きっと能面のような表情をしていたはずだ。特撮ヒーローを見て感情が動かないなんて、かなりレアな経験だった。

ただし、「本来は3Dの映画を2Dで見た」ということだけは注記しておく。3Dで見たなら、その映像について何かしらの驚きや感動があったかもしれないという可能性だけは否定しない。

既に30年近くも前の映画(本記事執筆は2021年)なので、ネタバレも何もないと思うが、包み隠さずレビューする。最後までおつきあいいただければ幸いである。

目次

ストーリー

世紀王の座を賭け、「仮面ライダーBLACK」に倒された「シャドームーン」が復活。

過去の戦いで仮面ライダーに倒された5人の怪人たちを甦らせ、世界征服に動き出す。

たまたまその復活のシーンを目撃したために襲われてしまったのは「ベリー」という名のデカいショウリョウバッタの精霊と、偶然ピクニックに来ていた兄弟である。

そこに「仮面ライダーZO(ゼットオー)」と「仮面ライダーJ」が登場する。

ふたりは協力し、5人の怪人たちを倒すのだが、シャドームーンが巨大化して立ち塞がる。

そこで仮面ライダーJも巨大化し、シャドームーンを倒すのだった。

見どころ(ツッコミどころ)

左がZO、右がJ 画像引用元:仮面ライダーワールド

オープニングのタイトルロゴは、3D映画第1作目の『仮面ライダー世界に駆ける』に比べたら格段に洗練されている。90年代のタイトルロゴにありがちな光沢感は、当時の流行りだったのだろうから、とやかく言うつもりはない。

9分という短い上映時間の中で、迫力ある3D映像をアピールしようとすれば、中途半端にストーリーを練るよりもバトルシーンに特化しようという判断はよくわかるし、最善だとも思う。

では何故、「残念」という感想を持ってしまったのか?

それはひとえに「仮面ライダーJ」の存在である。

好きな人には申し訳ないが、「仮面ライダーJ」は個人的に最低評価のライダーだ。基本的なシナリオにも、ベルトの無いデザインも許容できる。しかし、巨大化だけはあり得ない。巨大化するのはウルトラマンや、スーパー戦隊の合体ロボに任せておけばいいのだ。

仮面ライダーは人間サイズのヒーローだからこそ、バイクアクションや派手なスタントなど、ミニチュアを背景に巨大怪獣と大味なバトルを見せるウルトラマンなどとは違った魅力を持っていた。

それが一転、いきなりの巨大化である。もう違和感しかない。

この3D映画でも巨大化している。もちろん、巨大化したライダーの戦いは3Dで迫力満点に映るかもしれない。

しかし、その映像を最優先した結果、シャドームーンまで巨大化させてしまったのだ。元々の設定など完全無視。ただ、巨大化したJと戦う相手として、大人気だった悪役シャドームーンに白羽の矢が立ったというだけだろう。

そのシャドームーンはあっさりやられて「残念」だったし、巨大化できないZOのモブ感も「残念」と、「残念」尽くしの映画である。

「イベント用の”お祭り”映画なんだから、細かいこと言うなよ」と言われてしまうかもしれないし、それこそ、コアな仮面ライダーファン以外は目にする機会がない作品なので、実害など無いようにも思う。

だけどやっぱり言わずにはいられないのだ。「残念」だと。

ただし、先述した通り、本来3Dである本作を2Dでしか見ていないのも事実。

どうやら、下記の商品にボーナスディスクとして収録されているようなので、3D規格対応のテレビとプレイヤーをお持ちで、ご興味のある方はご覧いただきたい。

2Dであれば、TTFCで配信されているので、こちらも怖いもの見たさに勝てない方はどうぞ。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

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