『仮面ライダーリバイス』第11話|変身失敗お姉さん爆誕!【ネタバレ注意】

雷堂

2021年11月21日放送『仮面ライダーリバイス』第11話「無敵のさくら、何のための力?」(監督:杉原輝明 脚本:木下半太)

前回ラストの次回予告の編集の巧みさにしてやられたな、という感想。アギレラ様とのやりとりもあって、さくら闇堕ちを予想していたが、清々しいほどあっさりと覆されてしまった。こういう予想外の展開は、むしろ大好物である。

ネタバレも厭わず、見どころをご紹介。最後までおつきあいいただければ幸いだ。

目次

キャスト

ここでは今回のキャストをご紹介。本作初登場でウィキペディアに記載のある方はリンクを貼っておくので、他の参加作品も是非チェックしていただきたい。「え? あの作品に出てた人?」といった発見があるかもしれない。

【キャスト】

五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ:前田拳太郎

バイス/仮面ライダーバイス(声):木村 昴

五十嵐大二/仮面ライダーライブ:日向 亘

五十嵐さくら:井本彩花

ジョージ・狩崎:濱尾ノリタカ

アギレラ:浅倉 唯

オルテカ:関 隼汰

フリオ:八条院蔵人

門田ヒロミ/仮面ライダーデモンズ:小松準弥

牛島 光:奥 智哉

灰谷天彦:柏原収史

大森聖子:小野まりえ

大森 涼:本多陽登

幼い一輝:盛永晶月

幼い大二:山田暖絆

幼いさくら:福元愛悠

牛島公子:乃 緑

主治医:渡部遼介

医者:犬塚マサオ

若林優次郎:田邊和也

牛島太助:矢柴俊博

五十嵐幸実:映美くらら

五十嵐元太:戸次重幸

仮面の救世主

第3話で、誘拐犯が世界の不平等さについて語っていたが、今回登場した仮面のフード男もまた、不平等なこの世界について語り、デッドマンズの思想を支持することを表明する。一部ではカリスマと呼ばれているらしい。

謎の救世主によるネット配信
画像引用元:仮面ライダーリバイス

男の名は灰谷天彦(ハイタニ アマヒコ)。

前回のレビューには、『仮面ライダーゴースト』のようだと書いた、この仮面のフード男だったが、実際にはマジックミラーのようなマスクを被っているだけだった。

仮面を外した灰谷
画像引用元:仮面ライダーリバイス

普段は心理カウンセラーをしているらしく、人心掌握はお手のもののようだ。どことなく『仮面ライダーW』に登場した井坂深紅郎を思わせるが、これからレギュラー化するのかは不明。

灰谷はネットを利用し、不平等な世界の現実を突きつけ、圧倒的多数である弱者に寄り添いながら、攻撃的な扇動をする。社会的弱者の不満を代弁し、その攻撃衝動の捌け口を与えるものがカリスマと呼ばれるのは、「セックスピストルズ」や「クラッシュ」といったパンクバンド、日本では「尾崎豊」や「ザ・ブルーハーツ」などを見れば明らかだ。

そしてこの灰谷、「プラナリアプロトバイスタンプ」を持っており、プラナリア・デッドマンを生み出す。

プラナリア・デッドマン
画像引用元:仮面ライダーリバイス

このプラナリア・デッドマンは、再生能力がとんでもなく高く、仮面ライダーライブの銃撃による傷などは一瞬で癒えてしまう。

「プラナリア」とは?

ウズムシとも呼ばれる生物で、再生能力の高さが凄まじいことで知られている。頭に切れ込みを入れて3等分にすれば、3つの頭を持つキングギドラのようなプラナリアとなり、100を超える断片に滅多切りにした時には、それら全てが再生したという。

息子のために悪魔と契約する母親

さくらが通う空手道場の師範代・大森聖子。

大森聖子
画像引用元:仮面ライダーリバイス

彼女がバッグの中にバイスタンプを忍ばせていることに気づいたさくらは、尾行する。すると、デッドマンズが襲った銀行に辿り着く。そこで札束に手を伸ばす聖子。

実は、聖子の息子・涼は重い病気に罹っており、その手術代欲しさにデッドマンズの力を求めたのだった。

病気の大森涼
画像引用元:仮面ライダーリバイス

手術を受けなければ助からない命を前に、揺れる倫理観。理由がどうであれ、暴力(悪魔の力)によって他人の金品を奪って良いわけがない、なんてことは子供でもわかる。しかし、感情は常に倫理観に従うわけではない。そこに悪魔のつけいる隙が生まれる。『リバイス』はこのあたりの見せ方がうまい。見ているこちらの倫理観もグラグラと揺さぶられる。我が子や愛する人が同じ状況になった時でも、絶対にそんな倫理に反することはしないと言える人がどれだけいるだろう?

灰谷に踊らされた聖子は、灰谷の生み出したプラナリア・デッドマンと、複製されたプラナリアプロトバイスタンプで「共同契約」を結んでしまう。今までになかったパターンだ。

共同契約をしてしまう大森聖子
画像引用元:仮面ライダーリバイス

これによって聖子は、プラナリア・デッドマン フェーズ2に身をやつしてしまう。このフェーズ2も、いかにも悪魔らしいコワモテのデザインが魅力的。顔の中にいくつも顔があるところは、プラナリアの特性を活かしたデザインでもあるが、エヴァのシトっぽさもある。

プラナリア・デッドマン フェーズ2
画像引用元:仮面ライダーリバイス

無力感を突きつけられるさくら

幼少時代の五十嵐さくら
画像引用元:仮面ライダーリバイス

幼い頃、無敵の強さを手に入れたいと願った少女・さくらは、空手で黒帯を巻くほどの強さを手に入れた。それは自らも認める強さであったはずだ。

しかし、アギレラには何度挑んでもあしらわれてしまう。

アギレラにあしらわれる五十嵐さくら
画像引用元:仮面ライダーリバイス

一輝と大二には、大人しくしていろと釘を刺され、さらに聖子には自分の声さえ届かない。それはそうだろう。ちょっと空手が得意な女子高生でしかない。圧倒的に無力である。

そんなさくらの元に、誰ともわからぬ差出人から届いた小包に収められていた謎のドライバー(「リベラドライバー」と公式発表されている)とコブラバイスタンプ。それらを見つめるさくらを窓から窺う謎の影。これが、さくらの中に潜む悪魔だろうか?

リベラドライバーとコブラバイスタンプを見つめる五十嵐さくら
画像引用元:仮面ライダーリバイス

さくら「変身!」

プラナリア・デッドマン フェーズ2となった聖子と戦いを繰り広げる一輝とバイスと大二の前に現れたのは、さくら。手に持っているのはリベラドライバーとバイスタンプ。

「私が・・・聖子さんを止める!」

五十嵐さくらの持つ謎のドライバーに驚くジョージ・狩崎
画像引用元:仮面ライダーリバイス

この表情を見るに、ジョージ・狩崎でさえ知らないドライバーのようだ。

バイスタンプをセットし、リベラドライバーの可動部を左に倒す。リバイスドライバーもツーサイドライバーもわりと複雑な操作を必要としていたが、こちらは見た目どおりにシンプルな構造。

変身しようとする五十嵐さくら
画像引用元:仮面ライダーリバイス

しかし、何も起こらない。焦った様子で一度倒したスタンプを元の位置に戻し、再度変身を試みるが、やはり失敗。今度はスタンプが吹っ飛び、その衝撃でさくらも倒れ込んでしまう。「変身失敗お姉さん」誕生の瞬間だ。

変身失敗お姉さん
画像引用元:仮面ライダーリバイス

そこに襲いかかるプラナリア・デッドマン フェーズ2。咄嗟に駆け出した一輝が、さくらを庇って攻撃をモロに喰らい、倒れてしまうのだった。

さくらを庇うリバイ
画像引用元:仮面ライダーリバイス

深まる謎

それにしても謎なのは、牛島一家である。

第8話の温泉旅行では完全に五十嵐家の様子を窺っているのがわかるが、第10話では、人気のない河川敷でアギレラとさくらが対峙しているところに牛島光が現れ、今回は家を飛び出したさくらの前にも現れる。あまりにもタイミングが良すぎるだろう。いかにも怪しげではあるが、どこか助けようとしているようにも見える。

家を飛び出した五十嵐さくらの前に現れた牛島光
画像引用元:仮面ライダーリバイス

そうしてさくらを牛島家で一晩保護するのだが、本が1冊も収められていない書架など、ひとまず体裁を整えただけ、と言ってよいほど生活感がまるで感じられない家に、さくらも首をかしげる。

生活感のない部屋
画像引用元:仮面ライダーリバイス

このあたりの謎は、今後、徐々に明らかにされるのだとは思うが、もしかしたら、よくあるミステリの定石「真犯人は最初から姿を見せている」に則り、ラスボスではないにせよ、それに近しい何か、なのかもしれない。

いずれにせよ、伏線が次々と張られているのは確かだ。これらの伏線がどのように回収されていくのかを楽しみに見守りたい。

本作では、『仮面ライダービルド』以来、久々にメインライターがずっと脚本を書き続けるというスタイルをとっているが、面白い物語を創るうえでは、結構重要なことなんじゃないかと思っている。もちろん、仮面ライダーのような作品は、小説のドラマ化などとは異なり、大勢のスタッフがリアルタイムで創り上げていくものだから、面白いのもつまらないのも脚本家の力量だけでないのは理解しているけれど、それでもやはり、物語の骨子を作り上げた人の方が、キャラクターやその背景に関する理解が深いのは当然だと思うのだ。

別記事で、昔懐かしい特撮ヒーロー『快傑ズバット』のレビューもしているのだが、メインライター回とゲストライター回とのクオリティが違いすぎて驚いている。だから、『リバイス』が面白いのは、そういった部分もあるんじゃないかと思うのだ。

このまま木下半太さんが最後まで書き続けるのかどうかは現時点では不明だが、是非がんばってほしい。ひっそりと、しかし心からのエールを送って、今回の記事は終わりにしたい。

雷堂

それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

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