2022年7月24日放送『仮面ライダーリバイス』第45話「終わらぬ悪夢、守る者と守られる者」(監督:石田秀範 脚本:木下半太)
「本当にあれで良かったのか?」
ギフを封印したにも関わらず、まるで落ち着かない一輝。
その不安を見透かしたかのように、街の人々を襲う異変と、バイスの身に起こった異変。そしてラブコフに見える変化の兆し。
第45話を、これから視聴する楽しみを奪わない程度のネタバレを差し込みながらレビュー。既に見た方は、再度見直したくなるかもしれない。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは第45話のキャストをご紹介する。
なお、以下の画像は全て『仮面ライダーリバイス』より引用している。
五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ
前田拳太郎
バイス/仮面ライダーバイス(声)
木村 昴
五十嵐大二/カゲロウ/仮面ライダーエビリティライブ
日向 亘
五十嵐さくら/仮面ライダージャンヌ
井本彩花
ジョージ・狩崎
濱尾ノリタカ
夏木 花/仮面ライダーアギレラ
浅倉 唯
玉置 豪
八条院蔵人
オルテカ
関 隼汰
門田ヒロミ
小松準弥
伊良部正造※画像右
西郷 豊
ギフ(声)
井上和彦
ラブコフ(声)
伊藤美来
五十嵐幸実
映美くらら
終わらない悪夢
前回、ギフを封印し、全てにケリがついたように見えたが、見えただけだ。まだ44話である。残り6話(仮面ライダー生誕50周年記念作である本作は、きっちり50話で終わるはず)をラスボス抜きで乗り切ることなどできるわけがないと思っていたら、やはり当然のように復活したギフ。
そもそも、ギフの力を得たリバイとバイスで異次元への扉をこじ開け、そこにギフを閉じ込めるという作戦だったわけだが、難しく考えるまでもなく、ギフがこれまで自由自在に出入りしていた空間に閉じ込めることなどできるはずがないのだ。
ギフの自宅にとりあえず押し込めた、くらいにしか思えなかったのは私だけではないはずだ。
しかも、復活したギフはあからさまにヤバさが増していた。封印されてから、それほど時間が経ったわけでもないというのに、いったい何があったのか? マジで「精神と時の部屋」にでも入って、地球時間で小一時間特訓でもしたのかと疑うレベルだ。
一輝たちの攻撃が効かないだけではない。ギフテリアンやヘルギフテリアンだけでなく、これまでに登場したフェーズ2以上の強力なデッドマンをも無限に召喚できる様子。さらに、それ以外の悪魔をも操ることができるようで、バイスがその術中に落ちてしまう。
体外に排出した悪魔を制御できる五十嵐一家に目をつけたギフは、「新しい世界の始祖として迎えよう」と語る。赤石の代わりに働かせようというつもりだろうか。
戻ってきたオルテカ
前回、ギフの世界から飛び出してきたオルテカは、森の中で倒れているところを発見される。
謎の球体に入ってフワフワ浮かんでいたものの、それが割れてしまうと、全身ローション(状のモノ)でベチャベチャ。まるでカエルの卵にでも入っていたかのようである。
ところが、このカエルの卵のようなモノの正体は小さな虫の群れ。紫色のハエみたいなやつらで、これが人間の体内に入ると、先ほどの卵のようなモノ(劇中では「繭」と呼ばれていた)に身体が包み込まれてしまうようだ。
そしてその人間の元を離れた虫たちは、ギフテリアンへと姿へと変えていく。これは「冬虫夏草」・・・とは全然違うけれど、宿主にした人間の生体エネルギーを吸収しているギフテリアンの幼虫? みたいなものだろうか。こうして街は、ギフテリアンだらけという地獄の様相を呈する。
発見されたオルテカは、改心したわけでもなく、これまで通りの口調で毒づく。怒りを露わにし、殴りかかろうとする玉置 豪を制した夏木 花は、オルテカを門田ヒロミに委ねる。
すっかり正義の味方っぽくなった花と玉置を嘲笑うオルテカだが、花は、全ての戦いが終わったら、自らもこれまでの罪を償おうと決意を固めている様子だ。デッドマンズとして人々を蹂躙し続けた日々を「なかったこと」にはしないつもりらしい。オルテカを見据える凛とした横顔に、その決意が滲む。
ようやく、さくらの番
きっかけが何だったのかは不明だが、唐突にラブコフの背中に生じた亀裂。
やはりヘビだけあって、脱皮するらしい。これは第12話で仮面ライダージャンヌに初変身した際に、私がひっそりと想像していた展開だ。とはいえ、夏映画を観た限りでは、私が予想していた蛇の神様にクラスチェンジするというより、蛇女へと変身するといったことになりそうではある。
これまで、主役の一輝とバイスは別として、大二でさえ何度も別ゲノム(フォーム)を手に入れてきたのに、さくらはここまで姿が変わったことは一度もない(バイスタンプが増えても武器が増えるだけだった)。ジャンヌのデザインが秀逸だということもあったろうし、ファンシーなラブコフで女性や子どもたちの人気を獲得し続けたいという計算もあったのだろうとは思うが、さすがにラスボス戦においてはパワーアップさせざるを得なかったようだ。
というわけで、次回はジャンヌがついに、というか、ようやくというか、新たな姿を見せてくれることになる。もちろん、それに合わせてラブコフも進化するのだろう。
今回のタイトルにある「守る者と守られる者」は、さくらとラブコフのことであり、もうひとつは花と玉置のことだろう。悪魔の力を失ってからというもの、ネタ要員としてモブ化していた玉置もまた、最終戦に向けて守られてばかりの立場ではいないだろう。夏映画では、牛島 光に代わって、仮面ライダーオーバーデモンズへと変身していたが、その勇姿はTV本編でも観られるはずだ(もしくは新しいライダー?)。
いや、もうひとつ。狩崎親子もまた「守る者と守られる者」だったのではないか? 今は父親の身勝手に翻弄されたジョージの心中は穏やかではないが、やがて父によって守られていたことに気づくはずだ。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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