2022年8月28日放送『仮面ライダーリバイス』最終話「あくまで家族、いつかまた会う日まで」(監督:柴﨑貴行 脚本:木下半太)
仮面ライダー50周年というアニバーサリーイヤーに誕生した『仮面ライダーリバイス』もついに最終回。50周年に絡めてきっちり50話で終了した点は見事だ。
賛否両論ありつつも1年間という長丁場を駆け抜けてきた『リバイス』の結末は? その感想は? ネタバレも含みながら、それでもこれから視聴する方の楽しみも奪わない程度に留めてレビューする。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは最終話のキャストをご紹介する。
本作初登場でウィキペディアに記載のある方についてはリンクを貼っておくのでご参照いただきたい。
なお、以下で使用している画像は全て『仮面ライダーリバイス』より引用している。
五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ
前田拳太郎
バイス/仮面ライダーバイス(声)
木村 昴
五十嵐大二/カゲロウ
日向 亘
五十嵐さくら
井本彩花
ジョージ・狩崎
濱尾ノリタカ
夏木 花
浅倉 唯
オルテカ
関 隼汰
玉置 豪
八条院蔵人
門田ヒロミ
小松準弥
牛島 光
奥 智哉
伊良部正造
西郷 豊
ラブコフ(声)
伊藤美来
ボン
宇佐卓真
ジーコ
坂田秀晃
リポーター
安藤聡海
内海誠子(友情出演)
榊原徹士(友情出演)
小槙まこ(友情出演)
浮世英寿
カズ
三浦和良(特別出演)
五十嵐幸実
映美くらら
五十嵐元太
戸次重幸
一輝とバイス
バイスのことを家族だと信じて疑わない一輝。
その想いがあるためにバイスとの契約が満了せず、一輝の中にあった家族との思い出が消えたままになっていることに気づいたバイスは、もう一度一輝を変身させることで、最後に残された家族(バイス)との思い出も消し去ろうとしていた。
契約が満了すればバイスは消滅し、一輝には家族との思い出が戻るらしい。
とはいえ、もう既にギフはいない。ジョージ・狩崎が変身したジュウガも倒してしまった。
仮面ライダーの力を使うべき敵はもういないのだ。残された悪魔たち(バイス、カゲロウ、ラブコフ)を除いては。
そこでバイスは一計を案じる。自らが悪魔の本性を取り戻して家族を襲ったと一輝に錯覚させれば、一輝は再び変身せざるを得ないだろうと。そうすれば一輝との契約は満了に持ち込めるだろうと。
そうしてバイスは悪役に徹した。
しかし、ふとしたことで、その嘘はバレてしまうのだが、消えかかっているバイスの姿を見て全てを察した一輝が涙を堪えて無理に微笑む姿が痛々しい。
「第2ラウンドだ」という一輝の一言をきっかけに再び戦い始める二人。しかしそこに先ほどまでの悲壮感は欠片もない。まるで子猫がじゃれあうように拳をぶつけあう。プロレスというよりは、互いの存在を確かめあっている、といった方が近い。相手の拳の重みを自らの身に刻みつけていると言い換えてもいいかもしれない。
思いつくままにゲノムチェンジを繰り返し、「やるな」と互いの強さを認め合う。これまでの思い出が次々に溢れる中、久々登場のホバーバイクで束の間のツーリングを楽しんでみたりもする。
そんな二人きりの時間は、唐突に終わりを迎える。
力が抜けたように崩れ落ちるバイス。
駆け寄って抱き起こす一輝。
目に涙をいっぱい溜めた一輝とバイスの抱擁のシーンは、これ以上ないくらいベタだが、それでも胸に迫るものがある。脚本だとか演技力云々よりも、1年間一輝を演じてきた前田さんと、バイスとその声を演じてきた永徳さんと木村さんの想いがそこに集約されているからだろう。
やがて消えゆくバイスの姿。
そして記憶を取り戻した一輝。
全てはほぼ元通り。
ただしバイスだけがいない世界。
それぞれの道
ギフが消え、バイスが消え、平穏を取り戻した世界。
それぞれの新しい日常が始まる。
五十嵐大二は門田ヒロミや夏木 花、玉置 豪らと共に、壊滅したフェニックスに代わる組織「ブルーバード」を設立する。そのダサいネーミングをディスり、「ブラックバードの方がいい」と言うカゲロウのセンスも相当どうでもいいが、大二のカゲロウとの契約の対価はいったい何なのか? バイスが律儀に契約満了した今だからこそ、気にかかる点ではある。
五十嵐さくらは医大を目指して受験勉強に勤しんでいる。実体化したラブコフは女子高生たちに弄ばれているが、こちらも契約の対価が何なのか気になって仕方ない。
結局のところ悪魔契約とは何だったのか? そこがあやふやのまま終わってしまったのは返す返すも残念だ。
そして売れないYouTuberだった五十嵐元太の代わりに人気YouTuberへと転身したのが五十嵐幸実。伊良部正造と共に幸実を撮影する側に回った元太の表情は明るい。
牛島 光は普通の高校生としての生活を謳歌している様子。
父・真澄へのわだかまりがようやく解けた様子のジョージ・狩崎は、今もMADな研究を続けているのだろうか? 相変わらずハンニバル・レクター博士のように牢獄で拘束され続けているオルテカに面会したりもしている。
そうして一輝は、ジーコや木村 昴さん(本人)とサッカーに汗を流す。と言っても、サッカー選手を目指しているわけではないようだ。あくまでも実家の銭湯を経営しながら、趣味として楽しんでいるということなのだろう。
そんな一輝の前に、まさかのサプライズゲストが降臨する。第1話で、しあわせ湯に貼られたポスターとして登場したキング・カズこと三浦和良さん。
「プロは目指さないの?」と聞かれ、「今からだと遅いので・・・」と答えた一輝に「夢に遅いも早いもないよ。1センチでもいいから前に出ようぜ」とエールを贈り、「キミの全盛期はこれからだ」と伝えるシーンは、50歳を超えてもなお現役で居続ける三浦さんだからこその説得感がハンパない。お笑いコンビの空気階段や人気声優陣をゲストに招いた時は、必然性のない展開に困惑したが、今回ばかりは納得の展開である。
それを聞いた一輝がこれからどう進んでいくのかは現時点では不明だが、ひょっとしたら冬映画あたりでサッカー選手を目指す姿が描かれたりするかもしれない。
そしてラストはお約束の次回作『仮面ライダーギーツ』の主人公・浮世英寿のチラ見せ。『セイバー』『リバイス』では、わりと若手に任せてきたように見えたプロデューサーに大ベテランの武部直美さんを据え、メイン脚本家として『ゼロワン』に続き令和ライダー2作目となる高橋悠也さんを迎えるという夢のような布陣で『龍騎』のようなライダーバトルを描くというのは、『龍騎』が放送されてから20周年だから、という意味合いもあるのだろうか? いずれにしても『ギーツ』には期待大である。
こうして仮面ライダー50周年というアニバーサリーイヤーを飾る『リバイス』は幕を閉じた。
正直、ケチをつけたい点もあるけれど、それは別にまとめた考察記事に任せて、ここでは作品に関わった全てのスタッフとキャストの皆さんに心からの感謝を伝えて筆を置きたい。
1年間、本当にありがとうございました!
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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