ついに全知全能の書の力を手に入れたストリウス。
迫る世界の終焉を止めるため、ストリウスに立ち向かう剣士たちの物語の行方は?
『仮面ライダーセイバー』第44章「開く、最後のページ。」(監督:杉原輝昭 脚本:長谷川圭一)をレビューします。
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どうぞ最後までお付き合いください。
スタッフ・キャスト
まずはキャストをご紹介します。
今回初登場の方についてはウィキペディアにリンクを貼っておきます。是非、他の参加作品もチェックしてみてください。
【キャスト】
神山飛羽真/仮面ライダーセイバー:内藤秀一郎
新堂倫太郎/仮面ライダーブレイズ:山口貴也
須藤芽依:川津明日香
富加宮賢人/仮面ライダーエスパーダ:青木 瞭
尾上 亮/仮面ライダーバスター:生島勇輝
緋道 蓮:富樫慧士
大秦寺哲雄/仮面ライダースラッシュ:岡 宏明
ユーリ/仮面ライダー最光:市川知宏
神代玲花:アンジェラ芽衣
神代凌牙:庄野崎 謙
ストリウス/仮面ライダーストリウス:古屋呂敏
ルナ:岡本望来
大人のルナ:横田真悠
幼い飛羽真:前川伊織
幼い賢人:宮本琉成
尾上そら:番家天嵩
尾上晴香(オガミ ハルカ):中島亜梨沙
白井ゆき:長谷部 瞳
来島慎吾:込江海翔
伊本マミ:MIO
伊本レミ:YAE
ソフィア:知念里奈
仮面ライダーストリウス
ストリウスが手に入れたワンダーライドブックの名は「グリモワール」。これはフランス語で「魔導書」を意味する言葉である。
変身音声は「When the holy sword and the book interect rewrite the world. Open the grimoire the end of the story! Kamenrider strius!(直訳:聖剣と本が交わる時、世界を書き換える。物語の終わりにグリモワールを開く。仮面ライダーストリウス)」と、終始クール。
ついにラスボスとして姿を現したストリウスまで「仮面ライダー」を名乗ることになった。なんでもあり、みたいな雰囲気も感じるが、これは『セイバー』に始まったことではない。「仮面ライダーとは何か?」という根源的な疑問を感じるが、もはやそんなことはどうでもいいのだろう。
変身時には、熾天使(してんし)を模したように6枚の羽を大きく開くが、羽は漆黒で、地面からはコールタールのように黒い液体が止めどなく湧き出すようなエフェクト。天使とはほど遠い禍々しさに満ちている。
剣士たちが必死で施した封印をいとも容易く打ち破り、ワンダーワールドの侵食を再開。さらには地中から謎の巨大な塔を出現させる。バベルの塔だろうか?
なんだか『ビルド』を思い出す展開だが、どうやらこの塔の名は「滅びの塔」というのだそうである。
復活した四賢神
ストリウスは、以前、故マスターロゴスによって消された四賢神を蘇らせる。
しかも、全盛期以上の力を持たせるというおまけ付きで。
死者を蘇らせるとか、さすが全知全能の力。その力は圧倒的で、立ち向かう剣士たちを翻弄する。
しかし、こんなに強いにも関わらず、外見が四人とも同じモブ扱いなのが気にかかる。
ただし、武器はレイピア、大剣、鎌、二刀流と違いがあり、外見だけでいえば、仮面ライダーを名乗るストリウスよりもずっとライダーチックである。
クロスセイバーさえ寄せ付けない強さは、さらにもう一段階セイバーがパワーアップする布石だろうか?
それにしても、最後まで『セイバー』は詰め込みすぎだと思う。
『ワンピース』の”四皇”とは違うとはいえ、それだけの力を持つ者たちなら、それぞれに個性を与えて戦わせるだけでも盛り上がりそうなものである。
そういった道を選ばなかったのは、この後の展開で一掃されてしまうからだろう。きっと。
だとしたら、わざわざこのタイミングで蘇らせなくても・・・と思ってしまうのだが。
決戦前夜
最終決戦を前に、それぞれの決意を固める剣士たち。
刀鍛冶である大秦寺は、みんなの聖剣の手入れを。
蓮は消滅したデザストの想いを抱えて、世界を消滅させない決意を。
ユーリは、ワンダーワールドの影響で消えゆくソフィアを暗黒剣月闇で救うが、どうやら自らに残された時間も長くはない様子。
神代兄妹は、来るべき決戦に向けて、鍛錬に汗を流す。
尾上は奥さんが初登場。
シングルファーザーかと思いきや、海外に単身赴任していた奥さんがいたとは驚きである。いや、ここはシングルファーザーとして、亡き妻を思いながら一人息子を守っている設定の方が良かったように思うのだけれど。
まるでギターを背負ったバンドマンのように、大剣を肌身離さぬ父親に一人息子を預けておいて、自分はキャリアウーマン一筋とか、正気の沙汰とも思えない。
ともあれ、決戦を目前に久々の家族団欒を楽しむ尾上。かけがえのないこの時間を守ることができるのか?
倫太郎は、芽依に告白の予告。
「この戦いが終わったら、聞いて欲しいことがある」なんていうのは、よくある死亡フラグだが、『W』の照井竜のように、ヒロインと結ばれて幸せになるサブライダーとなって欲しい。
孤児だった倫太郎。ソードオブロゴスという組織の中で、“普通“を知らずに育ってきた彼だからこそ、普通のホモサピエンスの幸せを味わって欲しいと切に願う。
飛羽真と賢人は、”約束の場所”でルナに出会う。
劇場版『スーパーヒーロー戦記』にも登場した大人の姿を見せてくれるルナ。しかも二人の目の前で少女から大人へと変貌するという人ならざる離れ業を見せつけてしまうが、「ルナはルナだよ」と全く動じない二人。
『セイバー』は初期の頃から、こういった寛容さがある。登場人物が多いから、ということもあるかも知れないが、どんな個性を持っていても、それはそれでいいんだと一人一人の存在を認めようというメッセージは、ヒーローにこそふさわしい。
「ストリウスを倒して、世界を救うから待ってて」と、ルナに約束して決戦に向かう飛羽真と賢人。そして、それぞれの想いを胸に決戦へと向かう剣士たち。
しかも、次回はソフィアの変身(カリバーか?)も見られそうな予感。
知念里奈さんが「私も変身したい」と直訴したのだろうか? 過去作のキャストによる座談会などを見ていると、ライダーではよくあることのようだが。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。