『機界戦隊ゼンカイジャー』第42カイ「新ヒーローにゃ!おコタの密会!!」(監督:田﨑竜太 脚本:香村純子)をレビュー。
一度入ったら抜け出せない・・・。人間たちを、そんなコタツの虜にし、ネコに変えてボッコワウスのペットにしてしまおうというコタツワルドの罠にハマったゼンカイジャー。たった一人でみんなを救い出そうと奮闘するジュランの前に、46番目の新戦隊のレッドが姿を見せる・・・。
既に物議を醸している新戦隊『暴太郎戦隊(あばたろうせんたい)ドンブラザーズ』のレッドが初登場するエピソードをレビュー。ネタバレも多少あるけれど、最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここでは今回のキャストをご紹介。
【キャスト】
五色田介人/ゼンカイザー:駒木根葵汰
ジュラン/ゼンカイジュラン(声):浅沼晋太郎
ガオーン/ゼンカイガオーン(声):梶 裕貴
マジーヌ/ゼンカイマジーヌ(声):宮本侑芽
ブルーン/ゼンカイブルーン(声):佐藤拓也
ゾックス・ゴールドツイカー/ツーカイザー:増子敦貴
セッちゃん(声):福圓美里
カッタナー(声):鈴木崚汰
リッキー(声):松田颯水
ボッコワウス(声):中田譲治
バラシタラ(声):乃村健次
イジルデ(声):竹田雅則
ゲゲ(声):福西勝也
コタツワルド(声):平田大輔
ステイシー:世古口 凌
フリント・ゴールドツイカー:森 日奈美
介人(幼少期):上野山夢輝
アナウンサー:新行市佳
ドンモモタロウ(声):???
五色田ヤツデ:榊原郁恵
コタツワルド
コタツトピアというトンデモ世界の力を持つコタツワルドが今回の怪人。コタツから顔を出したネコがチャーミング。目は、コタツの中身である、遠赤外線を出すヒーター、というデザイン。
その能力は、トリコタツ(虜+コタツ)ビームを浴びせた者をコタツに閉じ込めてしまうというもの。一度コタツに閉じ込められてしまうと、気持ち良すぎて抜け出せなくなってしまう。快楽で骨抜きにするとは、実に恐ろしい敵である。
街に現れたコタツワルドを倒そうと立ち向かった介人たちの目の前には、コタツに閉じ込められた大勢の人たちの姿。皆、閉じ込められているのに幸せそう。
そのコタツに囚われた人たちを避けながらのアクションがマジで凄い。
アクションスーツの絶望的な視界の中で、よくもまあ、これほどのことができるものだ、とただただ感心してしまう。
しかし、これまで見たこともなかったコタツに好奇心を刺激されたブルーンを筆頭に、ゼンカイジャーの5人と、助けに現れたゾックスたちは皆、あっけなくコタツの虜になってしまう。
ただ一人、暑がりで汗っかきのジュランだけは、その温かさに耐えかねてコタツから抜け出すことに成功。代謝の良いキカイって何だよ!とツッコミを入れたくもなるが、とにかく、他のメンバーを救うため、ジュランの孤独な戦いがここから始まる。
CATS
コタツから抜け出せない介人は、「着るコタツがあれば、今よりは動けるかも!」というおかしなアイデアを出し、ジュランをパシリにして「着るコタツ」を買いに行かせる。働きたくない、とまでは言わないが、コタツから出るつもりもないようだ。
「着るコタツ」を探すジュランだが、行く店全てで売り切れ。途方に暮れているところにセッちゃんから電話が入り、慌てて介人たちのところに戻ってみると、なんと、全員がネコになりかけている。まるで、劇団四季かブロードウェイ・ミュージカルの世界。といっても、比べ物にならないくらいチープではあるが、かわいければオールオッケーである。
コタツの温かさに負けて眠ってしまうとネコになるというのだが、コタツに入って寝るなというのは無理な話だ。私の実家も冬はコタツだが、一度入ったら、それはもう眠ることと同義である。コタツに足を入れる際の挨拶は、「お邪魔します」でも「失礼します」でもない。「おやすみなさい」だろう。
とにかく、仲間たちが完全にネコになってしまわぬよう、水を買い与え、声をかけて回るジュランだったが、まるで効果がない。そこで、皆を寝かせないアイデアを思いつく。それは、得意のダンスである。オープニング曲「全力全開!ゼンカイジャー」を鳴らし、みんなで踊ろうとする。今さら言うまでもないが、キレッキレのダンスを見せる。マジでキレッキレだ。一緒に踊ってくれる人は、いなかったけれど、それでも一人、キレッキレのダンスを見せつける。
ひとしきりジュランのキレッキレのダンスを堪能した後は、再び登場したコタツワルドとジュランの一騎討ち。ところが、今回の作戦を仕切るバラシタラが現れて、ジュランが窮地に陥ってしまう。
セッちゃんからジュランのピンチを聞いた仲間たちは、なんとかジュランの元へと向かい、変身も完了する。しかし、コタツからは出られない。コタツに入ったままの4人(匹?)とジュランで名乗りを上げる。
ゾックスもコタツに入ったまま、足だけをバタつかせて変身する。ここまでくると、さすがにどうかしている。
ちなみにここではジュランが、最初のバトルでガオーンが見せたコタツの上を回転しながら飛び越えるというアクションを見せる。
何度見ても華麗だ。しかし、こうして何度も披露するということは、アクション監督の福沢さんも気に入っちゃったりしたのだろうか?
ニューヒーロー・ドンモモタロウ推参!
前回、介人の母・美都子を探しに並行世界へと向かった父・功が、介人との別れ際に手渡した新たなセンタイギア。それは46番目のスーパー戦隊。2022年3月スタート予定の『暴太郎(あばたろう)戦隊ドンブラザーズ』のギアであった。
誰もが知っている昔話「桃太郎」をモチーフにした作品で、既に公式発表されている内容だけでも、かなりのイロモノ臭がしているのだが、動く姿が公にされるのは初めてである。今回登場するのは桃太郎をモチーフとしたレッド、その名も「ドンモモタロウ」。2月までは情報解禁とはいかないようで、キャストも「???」という表記がされている。
そのギアをセットし、ショットする介人。地平の彼方から専用スーパーバイク「エンヤライドン」にまたがり、颯爽とやってきたドンモモタロウ。
公式発表されていた通り、このエンヤライドン、ボディサイドにはセンタイギア、リアにはゼンカイオーにも似たマークがあしらわれており、どこかギアトリンガーっぽさもある(モチーフが鳥であることは公言されている)。
この後、ジュランと合体し、「ドンゼンカイオー」というロボットになるのだが、『ゼンカイジャー』にこれまで登場したどのロボットより、かなりスッキリめのデザインであることもあって、めちゃくちゃコンパクトに見える。
しかし、資料によれば、普通にゼンカイオーより大きいらしい(ゼンカイオーの全高45mに対し、ドンゼンカイオーの全高は48m)。大きなシールドを片手に、剣で斬りかかるところなど、スーパー戦隊の巨大ロボットというよりは、『ガンダム』のモビルスーツのようにも見える。機動性は高そうな印象を受ける。
必殺技は、空中でクルクルと回転した後、巨大な桃を一刀両断すると、中から生まれた巨大なセンタイギアが、敵を斬り刻む、という、いかにも「桃太郎」な感じにまとめられている。ここでもやはりセンタイギアが登場することから、『ゼンカイジャー』とは繋がりのある世界での戦い、ということになりそうな気配である。
まだまだ謎に包まれているドンモモタロウの第一印象は、「豪放磊落(度量が大きく快活で、細かいことにこだわらない)」。チームのリーダーというよりは、軍の大将みたいな雰囲気に近い。ジュランがエンヤライドンと合体する直前に「これ、ちょい借りるぜ」と声をかければ、「貸した!」と答え、勝利の後は「お前たち、空が青いぞ!笑え笑え!」と、終始そんな感じだ。唐突に「笑え」と言われてキョトンとしている仲間たちに、「笑えってさ。助けてくれたんだから・・・」とこっそりフォローするジュランにクスッとさせられる。
ちょんまげにサングラス、額に大きな桃のマークというデザインは、お世辞にもカッコいいとは言えないけれど、独創的ではある。少なくとも、他の戦隊ヒーローと見間違うようなことはないだろう。
それに、アクションはなかなかカッコ良かったし、一番驚いたのは、セリフが既に、板についているように聞こえたところである。芝居経験の浅い人が醸し出す棒読み感もなく、照れ臭さも振り切っていたように思う。これから始まるという今の段階でこれなら、本編は結構期待できそうである。
もうひとつわかったのは、ドンモモタロウの必殺技(?)である。写真の画角を見るような仕草(指は桃の形にしている)で敵を捉えると、桃の形をしたバリヤーのようなものに閉じ込めてしまえるようだ。その昔、『ウイングマン』に登場したデルタ・エンドみたいな雰囲気である。このあたりは、3月の放送開始と共に明らかになるだろう。
ゲゲに乗っ取られたステイシー
介人たちに手を貸したことがバレてしまい、牢獄に捕らえられたステイシーの前に、ゲゲが姿を現す。
「何をしに来た? 笑いにきたのか?」というステイシーの問いには答えず、不気味に目を光らせるゲゲ。
その途端、まるでステイシーにゲゲが乗り移ったようになってしまう。前回、ボッコワウスに愛想を尽かしたようなことを呟いていたゲゲだけに、いよいよ本気でトジテンドに見切りをつけようというのかもしれない。
そして、本当に『ドンブラザーズ』が『ゼンカイジャー』と地続きの物語になるのなら、ゲゲも新たな敵組織へとお引越しとなるかもしれない。というのも、第40カイで、介人の父・功がハカイザーの呪縛から解放された際、「ここはそろそろ潮時かな?」と発言していたためだ。様々な悪の組織を渡り歩く謎の鳥という設定だったりするのだろうか??
そんな私の勝手な想像はさておき、ゲゲに乗り移られた(意識を乗っ取られた?)ステイシーは、どう動くのか? それは次回のお楽しみである。見逃した方は「TTFC」で。とは言え、月額課金が必要なアプリなので、お金を払う価値があるのか確認したいという方は、以下の記事をどうぞ。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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