「キョログラミングチョコボール・ビスケット」。
それが、森永製菓チョコボールシリーズの新作。
聞いたことのない、それでいて聞きなじみのあるような「キョログラミング」というのは、チョコボールのマスコットキャラクター・キョロちゃんと、プログラミングをかけ合わせた造語。
なんと、美味しいチョコボールを食べながら、プログラミングも学べるという優れものらしい。
「ビスケット」と呼ばれる味わいはどうなのか? そして、キョログラミングとは? 早速レビューしていこう。最後までおつきあいいただければ幸いだ。
特別なパッケージ
チョコボールといえば、さまざまなパッケージデザインもお楽しみ要素だが、これまでは1種類につき、1つのパッケージとなっていた。
ところが、この「キョログラミングチョコボール・ビスケット」については、4種類も用意されている。
キョロちゃん自体も、見慣れた2次元イラストではなく、3DCGモデル。
これは、キョロちゃんが時代の要求に応えてアップグレードされた、といったことではなく、このキョログラミングのための特別仕様だと思った方が良さそうだ。
これだけ見ると、なんとなく、3Dになった『ドラえもん』を思い出す。「ドラ泣き」で有名になった『STAND BY ME ドラえもん』は2014年の作品。もう8年が経っているが、最初は違和感しかなかった。
3Dになってもキョロちゃんのかわいらしさは不変だが、あざとさが見え隠れする。2Dの良さというのも絶対にあるはずなのだが・・・。少なくとも、『スヌーピー』を3Dで見たいとは思わない。
また、これを機会に、これまでの定番シリーズ3種(ピーナッツ、イチゴ、キャラメル)も、パッケージに「キョログラミング」の文字が加えられた。
つまり、「キョログラミング」の文字が書かれたパッケージは全部で7種類となる。他の商品まで巻き込むというのは、いつもの期間限定商品とはちょっと違う。森永製菓の本気を感じる。
ビスケットのお味は?
「キョログラミング」ばかりが注目されてしまうが、チョコボールという商品である以上、もっとも大切なのは、やはり食べて美味しいかどうか? である。
パッケージに描かれた断面図によれば、ザクザクビスケットを、チョコとゴリゴリ玄米ローストでコーティングしてあるらしい。
ザクザクでゴリゴリという表現からも、食感にこだわった商品であることが窺える。
いつもの「クチバシ」を跳ね上げて開封。もちろん、この商品にも金と銀のエンゼルは隠れている。
開けてみると、パッと見はピーナッツと変わらないようだが、明らかに丸い。
ピーナッツよりもビスケットの方が丸く成形しやすい、というのが理由だろうか。
とりあえずひとかじりしてみると、確かにザクザク、ゴリゴリする。
このザクザクしたビスケットは、チョコボールの他の商品でも使用されているものだと思うが、玄米ローストのゴリゴリ感が新しい。
ビスケットでは似たような食感を持つものを食べたことはあるのだが、チョコボールとしては初ではないだろうか?
いずれにしても、この食感だけで、これまでに食べたことのないチョコボール感を味わえる(チョコはいつもの味)し、それなりに食べ応えもある。普通に美味しい。
キョログラミングとは?
「キョログラミング」という言葉がキョロちゃんとプログラミングの合成語であることは誰にでも理解できるとは思う。しかし、それがどういったものであるかということは、触れてみないとわからない。カンタンに説明すると、これはキョロちゃんを使った『たまごっち』のようなもの。要するに、キョロちゃんを育成するアプリだ。アプリ自体はApp storeなどで無料で手に入れることができる。
では、キョロちゃんを育成することとプログラミングがどう繋がるのか?
まずは、生まれたばかりのように無垢で無知なキョロちゃんに、さまざまな行動を学習させる。これが一つ目のプログラミング。さらにプレイヤーは、その覚えた行動を自由に組み合わせて、キョロちゃんに指示し、実行させることが可能となっている。これもまたプログラミングだ。
要するに、キョロちゃんを用いて2つのプログラミングで遊ぶことができるのだ。コードなど難しいことは一切必要ない。初心者向け、どころか、子供のうちからプログラムというものに触れさせたい、というくらいのレベル。世の中ではお金と商品を交換するのだ、ということを、お店屋さんごっこを通じて教える、といった程度である。過剰な期待をしてはいけない。
そのため、大人がこのアプリを使って、ガチでプログラマーを目指そう、というのは無理。暇つぶしに「たまごっち」をいじるくらいの気持ちで触れるのがちょうど良いと思う。
遊び方はカンタンだ。
アプリを起動すると、下の画像のようなホーム画面が現れる。画面左には 「おぼえる」「プログラミング」「おやつ」「ステータス」の4つのコマンドが並ぶ。
「おぼえる」をタップすると、カメラが起動。
画面上に現れた縦横3マスのフレームに合わせて、チョコボールを並べて撮影すると、それに応じた行動をキョロちゃんが覚えていく、というわけだ。
どう並べたらいいのか、それをひたすら探るのも楽しいのかもしれないが、1つの行動を覚えさせるのに必要な工程は2。例えば、「ノリノリ」を覚えさせるためには、❶中央の横ラインに3個のチョコボールを並べる、❷中央の縦ラインに3個のチョコボールを並べる、という2つの工程をクリアしないといけない。
中には、1箇所を除いて8個のチョコボールを並べる、なんて無茶なものまであるため、ひとつひとつを手探りで見つけようとすれば、膨大な時間が必要となる。よほど暇を持て余している人でなければ、実質的に無理ゲー。素直にヒントに頼るのが正解だ。
画面右側に用意された「ヒント一覧」をタップすれば、キョロちゃんが覚える行動がずらっと登場する。さらに覚えさせたい行動をタップすると、どのように置けば良いのかが表示される。
うまく読み込むことができると、その行動を覚えてくれる。
ちなみに、画面右上に「パッケージ(箱)よみこみ」という表示もあるが、パッケージを読み込ませなければ覚えない行動もあるので、パッケージを簡単に潰したり、捨てたりしないことをオススメする。
このような手順を踏んで覚えさせることができる行動は、なんと50種類!
キョロちゃんが覚える行動一覧
- ノリノリ
- 休む
- 笑う
- あいさつ
- 歌う
- お絵かき
- 水やり
- ごはん
- パトロール
- 生け花
- 音楽かんしょう
- ときめく
- ポージング
- 茶道
- かさまわし
- ジャグリング
- たまのり
- リフティング
- ハットマジック
- 雪だるま
- 観察
- 積み木
- 計算
- 読書
- 工作
- たんさく
- リサイクル
- おまじない
- おひるね
- まじゅつ
- 天体かんそく
- 英会話
- パソコン
- 開発
- 花火
- 羽ばたく
- はしゃぐ
- 飲む
- 歩く
- 飛ぶ練習
- 走る
- ジャンプ
- ボックスステップ
- きんトレ
- ムーンウォーク
- スピン
- ちゅうがえり
- 飛ぶ
- 泳ぐ
- お花見
これらを覚えさせることで、キョロちゃんはさまざまに成長していく。このあたりが『たまごっち』っぽい。しかも、成長のさせ方によって、キョロちゃんは22種類もの変化を遂げるらしい。
さらに、覚えた行動を組み合わせることで、キョロちゃんのかわいらしい仕草が堪能できる。
それをするには、コマンド「プログラム」をタップ。すると、以下のような画面に切り替わる。
「タイムライン」と呼ばれる、この縦横4マスのブロック上に、テトリスのようにさまざまな形をしたブロックを設置し、繋げていく。それぞれのブロックには先ほど覚えさせた行動が記録されており、さまざまな組み合わせが可能となるのだが、完全に自由というわけではない。
数字の「3」を書くように光が流れるので、それに合致するように当てはめていくしかないのだ。例えば、横に流れていくライン上には、1個のブロックか、横方向に長いブロックしか置けない。下段の横ラインに重なるようなブロックの置き方はできない。
そういったルールに従って上の画像のように配置が完了したら、「実行」ボタンをタップするだけ。それだけで、通常モードとARモード(カメラが起動し、目の前にキョロちゃんが映し出される)の2パターンで、指示通りに動くキョロちゃんが楽しめる。
これを隅々まで楽しめるのは、やはり子ども達だろう。『どうぶつの森』のような収集モノが好きな子はハマるかもしれない。
私は、この記事を書くためにコンプしようと試みたが、とても続けることはできなかった。『たまごっち』にも『どうぶつの森』にもハマれなかった男には縁のないアプリらしい。
2つの問題点
ただし、子どもにとっても大きな問題点が2つある。
1つ目は、コンプするために購入しなければならないチョコボールが8種類もあることだ。先述した7種類(キョログラミングチョコボール・ビスケット4種、ピーナッツ、イチゴ、キャラメル)に加え、「プチパック」というのが必要なのだ。
これらを全て集めるというのは、小さな子ども達にはカンタンなことではない。大型スーパーなら一度で全て揃う可能性は高いが、小規模なスーパーやコンビニでは、特定の商品が置いていないこともあるし、全部購入すれば1,000円近い(8種類×80円+250円 ※全て参考価格)出費もバカにならないためだ。
そして2つ目は、読み込みの判定が厳しいこと。
「チョコボールやパッケージの読み取りができない」という意見がネット上には散見されるのだが、これが大袈裟ではない。チョコボール好きを明言している私でさえ、うんざりするほどだった。何度も何度も読み込もうとして、そのたびに弾かれた。
正直、1つ目の問題は、私のような大人にとっては大したデメリットとはならない。スーパーをハシゴするくらいわけはないし、お金だって、そのくらいなら躊躇なく出せる。しかし、確かにカメラの枠に収まっているはずなのに、何故か認識されない、というのはめちゃくちゃストレスであった。コンプするのを諦めたのは、これが最大の要因だったと言っても過言ではない。
森永製菓は、しばらくはこの商品の販売を続けるはずだ。だとしたら、おまけ程度のアプリでも、きちんと精度を上げて欲しいと切に願う。でなければ、全てのキョロちゃんをコンプしようと、親にチョコボールをねだっている子ども達が救われない。大好きだからこそ、あえて最後は苦言を呈して終わりとしたい。ビスケットは美味しいから、なおさらもったいないと思ってしまうのである。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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