五十嵐さくらと友人・桶谷彩夏は、買い物に出かけたある日、誘拐事件に巻き込まれてしまう。
2人の運命は? 思い悩む大二と一輝の関係は? そして、今回登場するデッドマンの産みの親は誰なのか?
第3話「人質トラブル、どうする兄弟!?」(監督:杉原輝昭 脚本:木下半太)の見どころをレビューする。忖度なしに本音で書くので、最後までおつきあいいただければ幸いだ。
キャスト
ここではキャストをご紹介する。本作初登場でウィキペディアに記載のある方はリンクを貼っておくので、他の参加作品も是非チェックしていただきたい。
五十嵐一輝/仮面ライダーリバイ:前田拳太郎
バイス/仮面ライダーバイス(声):木村 昴
五十嵐大二:日向 亘
五十嵐さくら:井本彩花
ジョージ・狩崎:濱尾ノリタカ
アギレラ:浅倉 唯
オルテカ:関 隼汰
フリオ:八条院蔵人
伊良部正造:西郷 豊
門田ヒロミ:小松準弥
桶谷彩夏:内海誠子
小谷:しゅはまはるみ
大山:濱津隆之
吉田浪夫:松浦祐也
桶谷美春:清水香帆
桶谷妙子:遠藤久美子
若林優次郎:田邊和也
五十嵐幸実:映美くらら
五十嵐元太:戸次重幸
【アイドル楽曲】
「You U Love U」(清水香帆・名田沙羅・岩崎愛香) 作詞:瀧尾 沙 作曲:Tatsuo
コング・デッドマンとフリオ参戦
今回登場する悪魔は、コング・デッドマン。
見るからにパワー型の悪魔で、防御力も高い。レックスゲノムでの攻撃はほとんど弾かれてしまう。
さらに、デッドマンズの幹部・フリオも怪人態のウルフ・デッドマンとして参戦する。
カブトムシモチーフに見えたが、どうやらウルフモチーフらしい。これまで登場してきたデッドマンたちとは見た目からして格が違うことがわかる。実際、かなり強い。イーグルへとリミックス変身したリバイとバイスを一撃で撃ち落とした上、二人を相手に余裕の立ち回りを見せる。
人気のアギレラを筆頭としたデッドマンズの3幹部の中で、このフリオとオルテカのキャラクター性がまだ良く見えないが、『タイムボカン』のマージョ一味に例えれば、頭脳派のグロッキーがオルテカで、脳筋キャラのワルサーがフリオという感じだろうか?
もう少し物語が進めば、それぞれのキャラの違いも明確になるだろう。
俺(マンモス・ゲノム)、参上!
新たに、『電王』のソードフォームをモチーフとしたマンモス・ゲノムが参上。
マンモスの牙を模したような「マンモスガッシャー」という『電王』のデンガッシャーを明らかに意識したネーミングのブーメランが武器。投げるだけでなく、斬りつけることもできる。
2人の合体攻撃・リミックスは、マンモスに変身。デンライナーのように進路に次々と現れる線路の上を疾走し、敵に体当たりをするというもので、これまでに登場したリミックスの中では一番好き。
決め技は、バイスの持つシールドで敵を囲み、そこに投げ込んだブーメランを反射させて何度も斬り刻み、最後は重ねたシールドで脳天から押しつぶすというものだ。
それにしても、前回のイーグルゲノム同様、『リバイス』は、歴代ライダーをモチーフにした各ゲノム(フォーム)がなかなかカッコいい。これは今後も期待できそうだ。
さくら“裂く”
今回は、五十嵐家の末っ子・さくらの本格的なお披露目回でもある。
第1話から、ギフジュニア(ザコ)たちに得意の空手で戦いを挑む負けん気の強さは垣間見せてきたが、今回はいよいよ本領発揮。
誘拐犯に人質に取られてしまっても、ビビるどころか銃を持った犯人を「アンタ」呼ばわり。
隙を見て銃を叩き落とし、回し蹴りを決める。
空気を切り裂くようなスピード感。見事と言う他ない。
さくら役の井本さんは格闘技経験はないらしいが、この回し蹴りはマジで見事。バレエの経験があるからか、体幹がしっかりしているのだろう、という話はTTFCで配信されているオーディオコメンタリーでも語られていた。
オープニングでも空手のシーンがあるが、気迫といい、アクションといい、五十嵐家随一の運動神経の持ち主という設定がバッチリハマっている。
新しいドライバー、堕ちていく大二
政府特務機関「フェニックス」では新たなドライバーが開発されていた。
見たところ、一輝が使っているドライバーとはまるで異なるシンプルな形状で、なかなかカッコいい。バイスタンプをどう使うのか、どう納めるのか気になるところだ。
兄・一輝に募る嫉妬と劣等感から、そのドライバーを使わせて欲しいと願い出るが、第1話でビビって変身できなかったことをツッコまれる大二。
その後も一輝に「マンモスバイスタンプ」を届けた以外に見せ場はなく、見るからに闇を深くしている。
しかし、こんなにメンタルが弱いのに隊長になれるなんて、「フェニックス」ヤバいだろ? と思ってしまう。そう考えると、失敗続きで降格した門田なんて、結果は残せなかったけれど、きちんと悪魔に立ち向かおうとしただけでも、むしろめちゃくちゃマトモな気がする。
こだわりの見せ方
今回の杉原輝昭監督は、『ゼロワン』でパイロット監督を務めた方である。
アニメと実写の融合といった見せ方にこだわる監督なので、『リバイス』とは相性が良さそうな気がしていたし、個人的には楽しみだった。
変身シーンではドライバーの左側(「オーインジェクター」と呼ばれるスタンプを押す部分)の内部から見上げるような演出が見られたが、コレは劇場版でもあったようなので、杉原監督オリジナルではなさそう。しかし、こういう見せ方にこだわる監督である。
さらにバイスに「GoPro」でもつけたのか、バイス視点でザコの群れに飛び込み、蹴散らすシーンも。
こういった新しい見せ方は大歓迎である。
文章は叙述によって個性が出るが、映像は見せ方によって個性が出ると思う。「YouTube」などで動画に触れる機会も増えているため、今まで見たことのないような映像というのに飢えている人は多いと思う。
流れるように敵を斬り刻むバトルシーンもカッコ良くて何度でも見られる。やはりライダーは、多勢に無勢という状況を蹴散らすのが良い。
いつもの流れからすれば、次回もまた杉原監督。新しい見せ方はもちろん楽しみだが、物語としても、今回、文字どおりヴェールに包まれていた黒幕の正体も明らかにされるはず。2話で1エピソードを描く仮面ライダーは、やはりこういったミステリー要素と相性が良い。
木下半太さんの脚本も、世界の不平等さ、などという子供向けとは到底思えないセリフを用意するあたりにシビれて憧れる。
以前、「子供や特撮ファンに媚びない」といったことをツイートしておられたが、無理矢理子供向けにしようとすると、なんだか妙な具合になる。前作『セイバー』で時折差し込まれた物語の寸劇はまさにそれだろう。やっぱり仮面ライダーは、子供たちが背伸びをして見るくらいが丁度いいのだ。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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