夜の公園で星を眺める飛羽真、倫太郎、賢人、芽依の4人の前に、異世界からの来訪者が現れる。
『仮面ライダーセイバー』映画公開記念合体SP特別章「界賊来たりて、交わる世界。」をレビュー。
どうぞ最後までお付き合いください。
スタッフ・キャスト
ここでは主要スタッフとキャストをご紹介します。
本作初登場でウィキペディアに記載のある方はリンクを貼っておくので、他の参加作品なども是非チェックしてみてください。
【スタッフ】
監督:諸田 敏
脚本:毛利亘宏
監修:香村純子
アクション監督:福沢博文
音楽:渡辺宙明
音楽:大石憲一郎
【キャスト】
神山飛羽真/仮面ライダーセイバー:内藤秀一郎
新堂倫太郎/仮面ライダーブレイズ:山口貴也
須藤芽依:川津明日香
富加宮賢人/仮面ライダーエスパーダ:青木 瞭
神代玲花:アンジェラ芽衣
神代凌牙:庄野崎 謙
ゾックス・ゴールドツイカー/ツーカイザー:増子敦貴
オリヒメワルドの声:保志総一朗
ソフィア:知念里奈
願いを叶える短冊
突如、『セイバー』の世界に現れたオリヒメワルド。
”オリヒメ”というよりはオリヒメコスをしたオネエにしか見えない。
しかし、これで『ゼンカイジャー』の世界と『セイバー』の世界が繋がった。
夜の公園に降り立ったオリヒメワルドが、手にした短冊に「恋人たちが喧嘩をしますように」と書いた途端、周囲の恋人たちが一斉に喧嘩をはじめてしまう。どうやら、願いを叶える短冊がオリヒメワルドの能力らしい。
たまたまそこに居合わせた飛羽真、倫太郎、賢人の3人は、オリヒメワルドを止めるために立ち向かうが、その戦いの最中、オリヒメワルドを追ってきたゾックスが現れる。
今見ても、『ゴーカイジャー』のデザインはカッコいい。
並行世界まで追ってきたゾックスを見て慌てたオリヒメワルドは、その場を逃げ出す際に短冊を1枚落としてしまう。
拾ったのは芽依。トラブルの予感しかない。
消えた”お宝”
小説の執筆に行き詰まっていた飛羽真は、お宝を求める”カイゾク”ゾックスに出会い、新作のインスピレーションを得る。それは「大事なお宝が、海賊に全部奪われてしまう」物語。
飛羽真は、そのアイデアを書き留めようとメモを探すが見つからない。そこで、芽依がバッグの中から差し出したのが先ほど拾った短冊。
その短冊に「大事なお宝がなくなってしまう」と書いた瞬間、オリヒメワルドの能力で、飛羽真たちにとってのお宝、ワンダーライドブックが消え失せてしまう。
ありがちな展開ではあるが、上手いと思ったのは、短冊をメモ代わりにしたことだ。
何が上手いって、飛羽真はメモ魔なのだ。小説のアイデアなどは、ノートなどにまとめるのではなく、付箋などにメモして、そこかしこにバンバン貼る癖がある。
この設定は、序盤の第9章で描かれている。
この特別章がその時点で既に用意されていたとは思えないから、伏線・・・ではなかったとは思うけれど、それでも、不自然にならないようにまとめたのは脚本家の手腕。
見返してみたら、第9章の脚本も、今回の脚本家・毛利亘宏さんだった。納得。
そんな騒動をよそに、ゾックスはノーザンベースに潜り込み、そこで神代兄妹と出会ってしまう。
神代兄妹のワンダーライドブックも消失してしまったことから、最初はゾックスが盗んだと思われたが、オリヒメワルドの短冊によるものだと判明。変身する術を失った飛羽真たちの代わりに、ゾックスはオリヒメワルドを倒すことを約束する。
す♪す♪須藤(芽依)の大爆発♪
オリヒメワルドを追うゾックスと飛羽真たちだったが、共に行動している芽依が、ドリフさながらの爆発に巻き込まれてしまう。
第20章でも、こんなシーンがあったなと思って、見返してみたら、脚本家は福田卓郎さんだった。
みんなドリフが大好きかよ。
いや、私も当時は『俺たちひょうきん族』より『8時だよ全員集合』派だったけれど。
そんな余談はさておき、オリヒメワルドの能力が「願いを叶える」ことなら、なぜ、地球を制服したいとか、そういったことを書かないんだろう? という疑問を持つ飛羽真たち。
結果、オリヒメワルドの能力は、周囲の人間たちの心理にしか影響しないことがわかる。
その人にとってのお宝は、本人には無くなったようにしか見えないが、それをお宝だとは思わない他人からしたら見える。つまり無くなってなどいないという謎理論。
疑問は多いが、お祭り回だ。細けえこたあいいんだよとばかりに変身し、ゾックスと共にオリヒメワルドをぶっ倒す。
踊る界賊、剣士は寸劇
『セイバー』世界でもゾックスは変わらず踊り狂っていた。
しかも2回もだ。
その度に映し出される『セイバー』組との温度差は、わかりきっているけど面白い。
ここが今回最大の見せ場だったように思う。
七夕をテーマにした剣士たちの寸劇もあったが、こちらはいつもどおりのコント仕様。
『セイバー』第1章ではじめてしまったため、やめるわけにはいかないのかもしれないが、無理に入れる必要もなさそうだ。
そして、まさかのあの兄妹が、ゾックスと共に『ゼンカイジャー』の世界に向かうというラスト。
相当な実力者だったはずの兄妹が、いったいいつからこんなイロモノに成り下がってしまったのか・・・。
とはいえ、これは『ゼンカイジャー』もレビューしなければ・・・。
それにしても、少しばかり時期遅れの七夕ネタもちょっとわからないが、ライダー50周年、スーパー戦隊45作品というアニバーサリーイヤーの映画公開記念とはいえ、クライマックス寸前の今、こんなネタ回をぶっこんだことには違和感しかない。
次回はついに、真のラスボスとなる「仮面ライダーストリウス」が登場するらしい。
”ライダー”って名乗る意味あるのか・・・? そんな疑問はくっきり残るが、とにかくラストが見えてきた『セイバー』を楽しもう。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。